私は銀行口座をたくさん持っている。
正確な数字ではなく「たくさん」が出てきている時点で察されると思うが、それらは全く管理できていない。
最初は地元の地銀からはじまった、昔は給与の振り込み先は地銀のみという企業もあり「金がいらないから口座もいらない」という光合成ができる無頼漢以外は地銀口座を持たざるを得なかった。
しかし私は、10代にして人生の拠点をネットに移した手動メタバース人生だったため、ネットでの生活をスムーズにするため割と早くからネット銀行を開設していた。
その後、地元企業を退職することとなり、実質地銀は必要なくなったのだが、使ってないサブスクへの募金を多数手がける慈善事業家に、実店舗での解約はインディジョーンズすぎて無理だった。
会社をやめ、フリーランスになったことにより、今まで自分でやっていた会計業務を税理士に委託することになった。
そこでわかりやすくするために、さらに口座を増やしたのだ。
わかりやすくしたいなら口座を減らすべきではと思うだろう、整理整頓のための収納グッズで部屋を狭くしたり、ダイエット食品の食いすぎで太ったりするやつがいるように、足し算機能しかついていないやつは、会計をシンプルにしようとして口座を増やすのだ。
その結果、私の顧問税理士は何も分類されていないフリースタイル収支がフロウされた口座明細を複数送り付けられる羽目になっている、毎年顧問料が上がっていくのも納得だ。
これは「資産は分散しておけ」という金融情報を見かけたのも原因の一つだ。
ただこれは「資産を現金だけで持つのではなく、株など他の金融資産に分散させろ」という意味であり、現金を色んな場所に置いとけという意味ではない。 もちろん資産が莫大であれば現金も複数口座に分散させた方がいいと思うが、莫大でもない現金を多数口座に分散させるのは、砂を部屋にまき散らすに等しい。
だが去年、このままでは良くないと思い、あまり使っていなかった「住信SBIネット銀行」を解約した。
だが解約するために必要なパスワードが記載されたカードをなくしていたため、それを再発行するために数週間と数百円の手数料がかかることが判明した。
いつもであれば「じゃあいい」が発動し、また数年放置されるはずだったのだが、その時の私は何故か素直に手数料を払い、トータルで一か月ぐらいかけて住信SBIネット銀行を解約することができた。
今思えばあれは「虫の報せ」だったのだ、どうせなら、隕石が落ちてくるから逃げろなど、生命の危機に能力を発揮してほしかったが、私の顏の周りを飛んでいる虫にはそれが精いっぱいだったのだろう。
虫の報せが回避させた「ドコモの銀行」
-

『強制「ドコモの銀行」化計画』かと思いきや、9月末ごろ「アプリを前の見た目に戻す機能」を実装する方針に。「さまざまなご意見・ご要望も踏まえ」たそうなので、ユーザーの声を届けるのがいかに大切か痛感しますね
では虫が何を報せてくれたのかというと住信SBIネット銀行がその後「ドコモの銀行」に改名してしまう、というある意味での事件だ。
私が初めて作ったネット銀行はジャパンネット銀行だった。
その後、楽天経済圏に堕ち、ネット銀行も楽天銀行をメインに使うようになり、ジャパンネット銀行の使用頻度は落ちたが、当然そのまま放置していた。
その結果、私のジャパンネット銀行はいつの間にか「PayPay銀行」と化していた。
もちろん、事前アナウンスはあったのだろうが、全く目に入れていなかったため「はじめてのネットバンクが突然PayPayされる」という強烈なNTR体験をする羽目となった。
こんな体験は滅多にないだろうと思っていたが、住信SBIネット銀行をあのまま所持していたら大体同じ体験をするところだった。
初めての彼女をPayPayに寝取られ、その後結婚した妻をドコモに寝取られるのは流石にマヌケである。 さらに私はPayPay自体は使っていないし、ドコモユーザーでもない。それなのに要である銀行口座がPayPayとドコモに乗っ取られているというのは意味がわからない、そう考えると私の虫も結構優秀なのかもしれない。
虫が機能せず住信SBIネット銀行をドコモの銀行にされてしまったユーザーからは、軒並み「ダサい」と不評のようだが、d払いに直接チャージできるなど利便性は向上しているらしいので後は慣れの問題なのかもしれない。
しかし、使っているサービスの改名というのは自力で避けられるものではない、いつどの会社が買収されるかわからないという意味では「突然のNTR」という例えはあながち間違いではないのだ。
それに改名の全てが気に入らないというわけではない。
大昔にバイト先の都合で使用していた第一勧業銀行は統合の結果「みずほ銀行」に改名されたが、それは嫌だと思わなかったし、文字数が減って振込作業が楽になった点は良かった。
しかし、その後みずほ銀行はいろいろあって、評判の悪い銀行の一つとされている。
だがこれは名前のせいではない、結局銀行としてちゃんとしていれば、多少の珍名は目をつぶれるのだ。