100万円もらったか?

もらったというなら帰れ、とっとと夢とやらでも叶えに行け。

誰にもらったかというと、前にも当コラムで取り上げたZOZOTOWNの前澤社長である。

先日、前澤社長がお年玉と称し、自らのツイッターで「このアカウントをフォローし、このつぶやきをリツイート(RT)した人から抽選で100名に100万円、総額1億円を個人的にプレゼントする」という企画を行ったのだ。

私もこのキャンペーンに参加した。普通に100万円が欲しかったからだ。

このように何も考えずに参加した者もいれば、苦言を呈する者、前澤社長の真意を探ろうとする者、そもそもツイッターの規約や法律に違反しているのではと指摘する者など、その反応は様々だった。結局、当該のツイートは500万を超えるRTという世界記録を達成。前澤社長のフォロワーも500万人増えたそうだ、

何故、前澤社長がこんなことをしたかというと、「金でケツを拭き飽きたからこのトイレットペーパーを誰かに恵んでやる気になった」という気まぐれかもしれないし、本人の言う通りだとしたら、「人に夢を与え、夢を叶えるきっかけにしてほしい」ということになる。

しかし、「売名」つまり「宣伝効果」を狙ったものだろう、というのが大方の見解で、もし本当にそれが目的だったとしたら大成功といえる。ツイートは世界で一番RTされたし、企画終了後にフォローを外した人も多いと思うが、フォロワーだって企画前よりは確実に増えたはずだ。

企画に参加していない人でも、「ま、俺は参加しないんですけどね?」と、誰にも聞かれていない「謎の不参加表明」をSNSでして、その理由を語ったりしなかっただろうか。前澤社長の企画をダシにした自己アピールのはずが、それ自体が前澤社長の宣伝になってしまっているのだ。

また、すでにこのような「前澤100万円企画について」の記事も乱立してしまっていると思う。もはや何をしても、前澤社長が「計画通り」と八神月の顔になっている図しか思い浮かばない。

「前澤社長」と「人妻」の共通点

このように、新年早々「お前は何と戦っているんだ状態」に突入してしまった人も多いと思うが、それはツイッターの住民として平常運転なので「今年もよろしくお願いします」という感じだ。

ではこの前澤社長の行為は規約違反に当たらないかというと、ツイッター社はすでに「別にいい」と言ってしまっているらしい。

ただ、前澤社長がこの企画を始めるや否や「偽前澤」が多数現れた。徳川家康だってここまで影武者はいなかっただろう。単なる愉快犯もいれば詐欺目的の者もおり、実際に被害が出たかは確認していないが、間接的にこの企画が新しい犯罪を生み出したと言えなくもない。

しかし、ツイッターの治安の悪さは今に始まったことではなく、「ツイッターランドは常に食うか食われるか」という常時マッドがマックスなので、何を今更、という感じはする。

確かに、「このアカウントをフォロー&RTしたら100万あげます」なんて、よく考えれば「今夜旦那がいない人妻です。3000万円もらってください」というスパムメールと大差ない。

それが、「ZOZOTOWNの社長で、剛力彩芽さんとつきあっている人」の名前で発信されているというだけで信用し、何も考えずフォロー&RTしてしまうというのは、「夢はあるけど騙されやすい人」と思われても仕方がない、と何も考えずに参加した私は分析する。

このような、広告代理店を通さず「消費者に直接現ナマを与える」という宣伝方法は実際効果があり、消費者的にもメリットが大きいが、「危険性もある」ということは覚えておいた方がよいだろう。

ちなみに、今回の100万円企画で実際100万当たったのはどういう人かというと、俳優やYoutuber、放送作家など表舞台に立っている人が散見され、主に100万円でどんな夢を叶えるか具体的に書いている人に当たっているため、「明らかに人を選んでいる」「フォロー&RTだけが応募条件じゃないじゃないか」という怒りの声も上がっているようだ。

だが、そもそも前澤社長が私財でやっているとのことなので、抽選に「前澤ルール」を適用されてもあまり文句は言えない。

このように、まさに賛否両論な企画だったのだが、これで前澤社長がどれだけ儲けようとこちらが損をするわけではない。実際、この企画でZOZOの株が上がり前澤社長の資産が大分増えたらしい。

すでに前澤社長は「第2弾」もほのめかしているので、私も今度は「100万円分ガチャを回す」という夢をしっかり書いて参加してみようと思う。

ただ、次回は「それが本当に前澤社長のアカウントなのか」確認してから参加することをお勧めする。