「日本は諸外国に比べ金融リテラシーが低い、使いもしないフレミングの法則より、金に対する知識を学校で教えるべき」という声は年々高まってきている。

フレミングの法則に関しては、思い出したようにあのハンドサインをとってみたくなることがあるので使わないとは言いきれないが、金に比べれば使用頻度が低いことは事実である。

しかし、金についての授業を義務化してしまうと、国民が自ずと「節税」という概念を学んでしまう。

マネーリテラシーなどとしゃらくさいことを言ってもその内容は地味なもので、まずは労働などで稼いで、次に生活費などの支出を減らすことになる。それをやってからはじめて投資など、ろくろを回せそうな要素にトライできるのだ。

むしろ金の授業で一番始めに教えるべきことは「いきなりろくろを回そうとしてはいけない」なのかもしれない。

そして金は稼ぐより、支出を減らす方が簡単であり、リスクも低い。

つまり「節約」なのだが、おひとりさま1パックで特売されている玉子を犬含む一家総動員して買いに行ったり、便所タンクにペットボトルを入れたりするような節約はもう古い。

今の節約は、まず固定費の削減から、そしてその筆頭に上がってくるのが「税金」なのである。

会社員が節税できる余地はまだ少ないが、フリーランスは節税の幅が広く、節税知識があるかないかで払う税金の額がかなり変わってしまう「やったもの勝ち」の世界である。

フリーランスというだけで割と国には苦々しい存在と思われていそうなのに、さらに節税知識まで身につけたフリーランスというのは、国にとってディベートも強い暴れゴリラぐらい性質の悪い存在と思われる。

よって国からすれば節税などあまりしてほしくない。しかし、授業で金について教えるのに、節税に関しては完全スルーするというのは何も教えてないのと同じである。

ちなみに私が学生時代の教育では、「納税は国民の義務」ということだけは口を酸っぱくして教えられた。だが、納め方に関しては、節税どころか確定申告の仕方さえ教えられなかった。

しかし、仮に全国民が節税を学び税収が減ってしまったら、今度は「消費税率アップ」など問答無用な方法で取りに来るような気はする。

楽天モバイル0円終了、節約コスパ大の携帯代をどうするか

  • ずっと0円では商売になりませんよね……

    ずっと0円では商売になりませんよね……

このように、日本はすでにどうあがいても絶望という異界化しているような気もするが、そんな羽生蛇村で生きて行かなければならないからこそ、知識またはネイルハンマーが必要と言える。

税金以外で節約の筆頭に上がってくるものといえば「携帯代」である。

もはや携帯電話やネットは、水と電気に次ぐ生活必需品になっており、どのキャリアのどのプランを使うかで料金がかなり変わってくるため、節約業界では「何も考えずに大手キャリアで窓口が進めるプランに入る奴は何をやってもダメ」と言われている。

そして、比較的意識が高い側の人間が使っていることでおなじみだったのが「楽天モバイル」である。

楽天モバイルには、1GBまでなら0円という「Rakuten UN-LIMIT VI(シックス)」というプランがあった。そこまでスマホを使わない人間であれば、宗教上の都合以外で使わない理由を探すのが困難なほど得なプランだが、楽天モバイルはそこらへんに店舗があるというわけでもないので、まさに知っている人だけ得する状態であった。

そんな楽天モバイルが0円を卒業し、最低でも1,078円かかる新プラン「Rakuten UN-LIMIT VII(セブン)」に移行すると発表し、大きく話題になった。

0円目当てだった客の中には、このまま楽天モバイルを使うかどうか悩んでいる者もいるだろう。それを見て「待ってたぜこの時をよお」をバイクにまたがり,自社プランを道路に擦り付けながら登場したのが,他の大手キャリアたちである。

楽天0円終了のお知らせと煽りながら,楽天モバイルユーザーに乗り換えを促しているようだが,一度流れた客を取り返すことは容易ではない。

なぜなら、携帯の契約会社を変えるというのはかなり面倒だからだ。実際の手続きはそんなに面倒でなくても、「楽天の奴に舌打ちされるのでは」と想像しただけでもう面倒臭い。

逆に、楽天モバイルにすれば0円だ、と言われても「面倒」という理由で変えなかった人間は大勢いるのだ。

大手キャリアのプランが楽天より大幅に得で,0円どころか毎月300円ぐらい振り込まれるというなら別だが,実際はそこまで大差ないようなので,ユーザーのケツを上げさせるには若干弱い。

世の中には,一度契約したら「面倒」という理由でどれだけ改悪しても使い続けてくれる人間が一定数いるので,何事も初動が大事であり,それを動かそうと思ったら0円レベルの客寄せが必要なのだ。

その0円にひかれて楽天モバイルにした者にとって、今回の発表は大きな改悪であり,当然不満の声は大きい。

それに対し楽天の三木谷社長は「正直、ずっと無料で使われても困る」のようなコメントを出している。

それはそうだ。むしろなぜ永遠に0円で使えると思ってしまったのか。

もしずっと0円のままだったら,どちらにしても近い将来「楽天倒産」という理由でサ終になっただろう。