第28回 iPad Proへの道 その4 持て余す大きさと見えてきた「Pro」の片鱗
iPad Proが届いてから2週間。すでにもう、「Pro」の名に恥じないようにしっかり活用している……と思ったら大きな間違いで、実は今のiPad Proはただ「デカいiPad」になっていたりしたのだった。
例えばアプリ。iPad Proの大きさに対応したアプリなんてものは今のところあまりないわけで、そーなるとなんだか半端にスペースが空いて文字がデカいアプリになってしまう。iPad Air2枚分なんだから分割して使えばいいじゃんと言われても、対応していないアプリはダメ。やっぱり大きな画面を一つのアプリで占有する使い方になる。これは確かにAppleの責任ではないけれど、せっかくなら大画面を活かせるアプリが早くもっと出てきて欲しいところだ。
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『Facebook』アプリはなんだか文字がデカくてその割に左右にスペースがあってiPhone版そのままなイメージ。iPad Pro専用のインターフェイスは出てこないものだろうか |
そして文字入力。ソフトウェアキーボードが今までと違うのでビミョーに打ちにくい。愛用している『ATOK』に至ってはまだキーボードがiPad Proにちゃんと対応していないので表示がおかしかったり(12月9日に一応対応したものの、横と縦のキーボード幅が同じ)。実は一番変換効率がいいのは手書き認識入力の『mazec』なんじゃないかと。しかしそーなると「ああやっぱりPencilが来てないー」と元に戻る。
なんかこうしてみるとダメ出しばかりしてる気がするiPad Proだけど、ちゃんと違う面もある。このiPad、なんだか知らないけどいろいろと「やる気」にさせる機器なのだ。これまでとにかくメディアを消費するだけのものだったiPadを、もっと何かに使ってやろうという気持ちにさせる何かがある。
そして「よーし、俺、今までできてなかったことをちょっとやってみるよー」と始めたのは、なんと音楽アプリを入れて曲を作ってみることだった。
音楽アプリで見えてきた「Pro」の片鱗
実はiPadianのアプリのライブラリには、今は使えないけどいつかはちゃんと使えるようになりたいと思ってダウンロードしてた音楽系のアプリがたくさんある。そして今回、iPad Proが来たのを機会に、これらのアプリをインストールして使ってみることにしたわけだ。我々の世代ならきっと中高生時代にバンド組んで演奏したり、歌ったりしたはず。もちろんiPadianにもありました、嗚呼!あの栄光の日々をもう一度……ではないけれど、何かできるんじゃないかという期待を込めてアプリを試すことにした。
拙いながらもアプリを試しては挫折し、アプリを削除してはダウンロードしと試行錯誤を繰り返す毎日。しかし今までのiPadでは小さくて扱いづらかった鍵盤もiPad Proだとかなり大きくなり、入力用のキーボードもそれなりに使える大きさになって、ちょっと何かできそうかも! と。
そして色々と試行を繰り返すうちに「これいいかも!」とたどり着いたのが『Tabletop』というアプリ。iPad上にミキサーや音源、シーケンサー、エフェクターなどを並べて接続。パターンを作って並べて曲を作っていくという「スキューモフィズム万歳!」なアプリ。しかもアプリそのものは無料で、内部のモジュールを追加で購入可能なのだ。
最初はリズムボックスでパターン作って、その上にシンセベースを重ねてと試行錯誤していくうちに楽しくなってきて、追加音源で『iProphet』を追加購入。シーケンサーの扱いもわかってきて、これは時間をかければそれなりのものができるかもという気にさせるアプリだ。外部接続で録音もできるので、友達のギタリストとセッションなんてことも可能かも。今度飲み会の席に持ってって見せてみようっと。
とはいえまだまだ試行錯誤段階でわからないこともたくさん。ただ今までよりははるかにやりやすいのは間違いなく、やっぱりこれはPro効果なのかなぁ。そしてまだPencilとキーボードは届かないのであった……。