3月7日、13日、14日の3日間、TOPANGAリーグ鉄拳7シーズン3のT1リーグが開催されました。
試合形式は7試合先取の長期戦。6勝6敗でデュースとなり、そこからは2連勝で勝利です。ただし上限があり、先に10勝した場合は、2連勝していなくても勝利となります。最終的に勝敗数が同じ場合は直接対決で勝利した選手が上位になり、3つ巴の場合は、勝敗のポイントによる差で順位が確定します。
TOPANGAリーグ鉄拳7は、オープン参加の「オンライン予選リーグ」、オンライン予選から勝ち上がった選手と前シーズンから残留した選手、T1リーグから降格した選手が争う「T2リーグ」、T2リーグから昇格した選手と前シーズンから残留した8選手が争う「T1リーグ」の3つのリーグに分かれています。
シーズン2のT1リーグで、5位、6位の選手は、シーズン2で各ブロック2位になったT2リーグの選手と入れ替え戦を行い、勝者はT1リーグへ、敗者はT2リーグへの参戦となります。T1リーグの7位、8位の選手はT2リーグへ降格、T2リーグの各ブロックの1位はT1リーグへの昇格が無条件で確定します。オンライン予選からはトーナメントで勝ち上がった8名が2つのグループに分かれ、リーグ戦を行い、各グループで優勝した選手がT2リーグへ昇格します。
シーズン3では、TaiHeiYo選手とpinya選手がオンライン予選を勝ち抜き、T2リーグへ参戦。T2リーグ入れ替え戦では、前シーズンT1だったノビ選手とRangchu選手、前シーズンT2だったみきお選手と加齢選手のリーグ戦が行われ、ノビ選手とRangchu選手が元T1の意地を見せつけ、T1残留を決めました。
T2リーグは7名ずつのリーグ戦を2つ行い、Aブロックは5勝1敗でゼウガル選手が、Bブロックでは6勝0敗の全勝でpinya選手がT1リーグへの昇格を決めました。どちらもライセンスを持っていない選手です。
T2リーグとはいえ、その出場選手のほとんどがプロライセンス保持者であるため、試合のレベルの高さはT1に匹敵。その実力伯仲するなか、プロライセンスを持っていない2人がT1に進出を決めたのは快挙と言えるでしょう。特にpinya選手は、ここ数カ月の鉄拳7の大会において、数々の優勝を果たしており、TOPANGAリーグでもオンライン予選を勝ち抜き、T2リーグも無敗で勝ち上がるなど、その強さを十二分に発揮しています。T1リーグでも台風の目として注目されている選手です。
T1リーグは2日目を終えた時点で、弦選手が4勝0敗のトップ。それを3勝1敗のチクリン選手、2勝2敗のAO選手が追います。4位以下はほぼダンゴ状態で、最終日となっても誰が残留するのか降格するのかわからない状態。弦選手も圧倒的有利ながら、AO選手、チクリン選手、ダブル選手との対戦を残しており、確定にはほぼ遠いと言えます。
しかし、弦選手はダブル選手とのファーカムラムミラー戦に勝利すると、AO選手にも7勝3敗の圧勝。チクリン選手がノビ選手、pinya選手に敗れたこともあり、弦選手はチクリン戦を待たずして優勝を決めました。最終戦のチクリン戦もまったく危なげなく勝利。弦選手は全勝しただけでなく、1度もデュースに持ち込まれることもなく、ラスボス級の強さを見せつけました。
優勝コメントで弦選手は「優勝したからこそあえて言わせていただきますが、ファーカムラムは強いんです。今回は優勝するためにファーカムラムを仕上げてきました。今度の調整に期待しています」とコメント。シーズン2まではシャヒーンを使っていましたが、ベストの戦いをしてもファーカムラムの前では勝つのが難しいと考え、強キャラであるファーカムラムを使用することを決意しました。強キャラへの変更は勝って当たり前と指摘されることも承知のうえで、それでも優勝するには必要なことだったと語っていました。
ダブル選手もアイデンティティであるロウからファーカムラムへのキャラ変更を余儀なくされ、チクリン選手もギースからリロイ、ノビ選手もドラグノフからスティーブに変更しています。
プロ選手の使用キャラはその選手の顔とも言えるので、多少の不利くらいでは、キャラ変更をするまでには至らないと思います。それでも試合にならないと感じているからこそのキャラ変更なのでしょう。
『鉄拳7』もバージョンを重ね、シーズン4となった今、キャラクター数も増え、すべてのキャラクターバランスが取れる調整は不可能に近いと思いますが、それでも一部の強キャラを選ばざるを得ない状況は解消してほしいところです。
そういった面で考えると、前回優勝時に使用した強キャラであるファーカムラムを捨て、お気に入りの新キャラ州光にキャラ換えをし、3位の結果を残したAO選手のやりこみと攻略、キャラ愛には感服します。
最後にバンダイナムコのeスポーツプロデューサーである安田eスポーツ氏より、次回の開催について語られました。夏ごろにシーズン4の開催を予定しているとのこと。さらに、TOPANGAを主催する豊田氏からは、コロナ禍しだいではありますが、対世界のTOPANGAワールドリーグの構想についても言及されました。もはや鉄拳シーンには、TOPANGAリーグは欠かせない存在となりつつありますので、次回開催も盛り上がることを期待しています。