2020年12月18日から20日の3日間、『ストリートファイターV AE』のeスポーツリーグ「TOPANGA CHAMPIONSHIP Season2(TOPANGAチャンピオンシップ)」の決勝リーグが行われました。
「TOPANGAチャンピオンシップ」では、11月21日よりダブルエリミネーション方式(2敗負け抜けトーナメント戦)のオンライン予選を行い、上位16名によるリーグ戦を行います。そこで勝ち抜いた上位3名が、12月6日から12日のオンライン予選リーグへ進出。オンライン予選リーグは、オンライン予選を勝ち抜いた3名に、招待枠21名を加えた計24名が、A・B・Cの3つのブロックに分かれて競い合います。
そしてA・B・C各ブロック上位2名が、最終決戦であるオフライン決勝リーグへとコマを進めます。ちなみに招待枠は、年間を通じての成績や活躍を加味して、主催者による推薦で決められています。
決勝リーグは6名によるリーグ戦。1試合7本先取の長期戦です。6対6になった場合はデュース制度を採用しており、どちらかがそこから2連勝しないと勝敗が決しません。
ただ、上限が設けられており、先に10勝した時点で勝利。また、順位は勝敗数が最優先され、次に直接対決での勝者が優先されます。勝敗数、直接対決の結果が同じ三つ巴状態の場合は、勝ち数から負け数を引いたポイント数の高い選手の順位が上になります。
オンライン予選は144名のプレイヤーが2グループに分かれて対戦。グループAを1位通過した様式美選手と、グループBを1位通過したあんとん選手がオンライン予選リーグへ進出しました。グループA2位通過の竹内ジョン選手とグループB2位通過のぷげら選手が残りのひと枠を争います。ここでぷげら選手が勝利を収め、3名のオンライン予選枠が確定しました。
予選リーグでは、Aブロックから板橋ザンギエフ選手とカワノ選手が、Bブロックからふ~ど選手とボンちゃん選手が、Cグループからガチくん選手とぷげら選手が勝ち上がりました。
予選リーグで圧巻だったのは、カワノ選手。並み居る強豪を抑え、全勝で予選リーグを突破しています。また、オンライン予選をギリギリ3位で通過したぷげら選手が予選リーグを通過したのも下剋上感があり、見応えのあるものでした。
オフライン決勝戦は、12月18日から20日間の3日間開催。18日と19日は、ふ~ど選手が全勝で勢いに乗り、板橋ザンギエフ選手、カワノ選手、ボンちゃん選手が1敗で後を追います。ぷげら選手は1勝4敗、ガチくん選手は5敗と優勝戦線から離脱。しかも、最終戦で残された試合が、ぷげら選手対ガチくん選手の組み合わせの5位6位決定戦でした。
そのため最終日の上位陣は、すべて上位陣どうしとの対戦。しかも、4人とも2試合ずつ残していることから、最終日の勝敗がそのまま最終結果につながる戦いです。
初戦は、板橋ザンギエフ選手対カワノ選手。カワノ選手はすでにふ~ど選手戦で負けていたので、最終日に連勝し、ふ~ど選手が2敗しないと優勝できない状態です。かなり苦しい立場にいますが、予選リーグを全勝で勝ち抜いた実力を持って、逆転勝ちを狙いたいところ。しかし、5対5のイーブンまで持ちこたえるも、そこから2連勝を決めた板橋ザンギエフ選手が勝利しました。
2戦目はボンちゃん選手とふ~ど選手。ボンちゃん選手はかりん、ふ~ど選手はバーディをを選択しました。途中4連勝をするなど終始ふ~ど選手のペースで進み、7-3でふ~ど選手が勝ち抜けました。
3戦目はガチくん選手対ぷげら選手。ぷげら選手は優勝戦線に残った板橋ザンギエフ選手に10先勝利し、ほかの選手との対戦も善戦しつつも星を落とす結果となっています。
ガチくん選手はカワノ選手と板橋ザンギエフ選手に2勝しかできず、全体的に苦しい展開。ポイント的にはぷげら選手の方が有利ですが、直接対決を優先するTOPANGAルールでは、この試合で勝利した方が5位となります。
結果は1回のデュースをはさみ、ガチくん選手が勝利。ぷげら選手は最終的に6位となりましたが、オンライン予選から参戦しており、今回最も長い間TOPANGAチャンピオンシップで戦った選手として大会を大いに盛り上げてくれました。
4戦目は惜しくも優勝戦線から脱落したボンちゃん選手とカワノ選手の対戦。勝利したほうが3位です。試合前にカワノ選手は「ここから1年、ボンちゃんにマウントとれるかかかっています。僕は彼を高橋君と呼びたいので絶対勝ちたいと思います」とコメント。対するボンちゃん選手は「正直1位の可能性がなくなって、うわーってなっていたところに、この発言ですから、瞬間気持ち入れ替え、こいつに負けるわけにはいかないってなりました」と受けました。
試合前に舌戦を繰り広げたことにより、順位以上に熱い思いが交差する1戦に。その結果は、9-7でカワノ選手が勝利。一度は7-6と勝利に手をかけたボンちゃん選手でしたが、そこから3連勝と捲られてしまいました。
最終試合となった5戦目は、板橋ザンギエフ選手対ふ~ど選手の対戦。ふ~ど選手は全勝、板橋ザンギエフ選手は4勝1敗と、一見、ふ~ど選手が有利とみられますが、板橋ザンギエフ選手が勝利した場合、同じ勝敗になったうえ、直接対決を制したことにより、優勝となります。
ふ~ど選手が今回の対戦で選んだキャラクターは、レインボー・ミカ。2020年メインで使っていたポイズンでもなく、2戦目で使用したバーディでもなく、ミカを選んできました。対する板橋ザンギエフ選手はアビゲイル。こちらもザンギエフではありません。
試合は、破壊力に勝るアビゲイルが、手数に勝るミカに打ち勝ち、なんと7-2の成績で勝利を収めました。
ふ~ど選手はTOPANGAチャンピオンシップ2回連続2位に終わり、ある種、誰よりも悔しい結果だったのではないでしょうか。板橋ザンギエフ選手は高額賞金の大会では久々の優勝ということもあり、感慨深げでした。
最終戦となった5戦目は元バーチャ(ファイター)勢の対戦。3戦目は地方プレイヤーとして盟友同士の対決となるなど、eスポーツを長年みてきたオーディエンスには、なかなか見応えのあるマッチメイクもありました。お互いに煽りまくる4戦目のボンちゃん選手とカワノ選手もプロらしい見せ場が作れたのではないでしょうか。
2020年はコロナ禍により、オフラインで開催する予定のeスポーツイベントは軒並み延期や中止、オンライン化を余儀なくされてきました。
そんななかで、TOPANGAチャンピオンシップは、オンライン大会のスタンダードとして、ひとつの形を示せたのではないでしょうか。とはいえ、2021年こそは、トッププレイヤーの戦いを間近で観られるようになってほしいものです。