10月15日に、eスポーツ施設「ASH WINDER Esports ARENA」にて、eスポーツ配信イベント「ときどNURO 光で生対戦」が行われました。

「ときどNURO 光で生対戦」は、オフラインの会場で対面しながらも、ソニーネットワークコミュニケーションズの「NURO 光」を使ったオンラインで『ストリートファイター6(スト6)』の対戦をするイベント。「NURO 光」がオフライン環境とどれほど差があるのかを、プロゲーマーのときど選手に体感してもらいます。

対戦時は、ダウンロード、アップロードの回線速度、もっともゲームに影響のあるとされる応答速度Ping値、安定性を示すJitter値を常時表示し、プレイヤーの体感だけでなく、視聴者も数値的に回線状況がひと目でわかるようになっていました。

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    オフラインなのに、「NURO 光」回線を使ってオンラインの対戦を行う「ときどNURO 光で生対戦」が開催されました。採用タイトルは『スト6』です

イベント様子は、ときど選手が所属するプロゲーミングチーム「REJECT」のYouTubeチャンネルのアーカイブから確認できます

イベントではときど選手が7名のプレイヤーと『スト6』で勝負!

ときど選手と対戦するのはストリーマーやプロゲーマーなど7名。いわゆる組手方式の七番勝負です。ストリーマー部門からoboさん、こく兄さん、たいじさんの3人、プロゲーマーからはshuto選手、ボンちゃん選手、ももち選手、翔選手の4人が出場します。対戦形式は3本先取の「BO5」。エキシビションマッチとはいえ、「実力が出る」と言われる長丁場での対戦です。

1試合目は、対obo本田戦。oboさんは、『スト6』から対戦格闘ゲームを始めたばかりのプレイヤーですが、eスポーツイベント「Crazy Raccoon Cup(CRカップ)」への参戦を機に本格的に取り組んでおり、プロ選手の指導もあってか、初心者の域を超えた実力を兼ね備えています。ときど選手には負けてしまいましたが、1セットをもぎ取り、大きな爪痕を残せたと言えるでしょう。

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    1セットもぎ取る大金星をあげたoboさん

2試合目は、こく兄ケンとのミラーマッチ。こく兄さんは『ストリートファイターIII』時代の強豪プレイヤーで、ときど選手とトップ争いをしていた実力者です。しかし、競技シーンを続けてきたときど選手との差は大きく広がっていたのか、ストレートで敗退しました。

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    ケン同士のミラーマッチは惜しくもこく兄さんの敗退

3試合目は、たいじJP戦です。たいじさんは、「スプラトゥーン甲子園」と「eBaseball実況パワフルプロ野球」で日本一を獲得するなど、数々のゲームタイトルで活躍するマルチプレイヤー。『スト6』もJPで最高位Masterランクに到達するなど、ゲームセンスが光ります。

そのゲーム力の高さは今回のときど戦でも発揮。なんとフルセットフルカウントまで持ち込み、あと一歩で勝利のところまでときど選手を追い込みました。しかし、最後は、ときど選手のプロゲーマーとしての矜持が勝り、たいじさんの敗北となりました。

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    あと一歩までときど選手を追い詰めるも、届かなかったたいじさん。試合後、悔しさにこの表情です

4試合目は、shutoマリーザ戦。『ストリートファイターV(ストV)』では、ときど選手と同じキャラクター「ユリアン」を使用していました。『スト6』ではマリーザ1本ながら、モダンとクラシックの2つの操作を駆使して戦います。今回はモダンを選択。モダンならではの対応力の早さを見せるも、1-3でときど選手が勝利しました。

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    プロ選手一番手として登場したshuto選手

5試合目はボンちゃんルーク戦。ボンちゃん選手とはここ数年、国内プロリーグ「ストリートファイターリーグ: Pro-JP」で「FAV gaming」として一緒に戦うチームメイトです。2連勝で先行したボンちゃん選手に対して、同じく2連勝で追いすがるときど選手。最終セットは、ボンちゃん選手がラウンドを連取し、勝利を収めました。ときど選手の七番勝負は5戦目にして初黒星です。

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    ときど選手に初黒星をつけたボンちゃん選手

6試合目は、ももちルーク戦。同い年で長年格闘ゲームシーンをトップランナーとして支えてきたライバル的存在の2人です。『スト6』では、ときど選手がモダンルークからクラシックケンに切り替えたのに対し、ももち選手がクラシックケンからモダンルークに切り替えるという、真逆の選択をしています。

ももち選手は、モダンの利点である対応の早さとSAゲージを使ったバーンアウトの補填で、弱点である攻撃力の低さを補います。そのため、早い段階からドライブゲージを贅沢に使いまくります。それにより強化されたキャラクターで押し、ときど選手を一気に追い込みます。その結果、ラウンドは取られたものの、セットは一度も取られず、ストレートでももち選手が勝利しました。

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    お互いの初期のキャラを使った対決はももち選手に軍配があがりました

プロ選手に連敗した状態で迎えた最終戦は“時の人”とも言える翔選手です。北米ラスベガスで開催された対戦格闘ゲームの祭典EVOの『スト6』部門でファイナリストとなり、その直後にサウジアラビアで開催されたGamers8で優勝。いま注目度ナンバーワンの選手と言えるでしょう。ときど選手とは、EVOベスト6のルーザーズサイドで対戦しており、そのときはときど選手が勝利しました。

今回は、フルセットフルカウントの最終ラウンドまで持ち込まれる熱戦。最後は逆転の一手のために自らバーンアウトした翔選手に対して、削りでKOを決めたときど選手が勝利しました。

これで、七番勝負は5勝2敗という結果に終わりました。イベントとしては、ときど選手の勝敗よりも、NURO 光の速度の高さと安定性に注目したいところですが、pingとJitterは終始1桁台をキープ。速度は上りも下りも800~1000mbpsを叩きだしており、こちらも上々の結果となりました。

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    EVOに続き、ときど選手に敗北を喫してしまった翔選手

「NURO 光」の体感をときど選手に聞いた

現場で観た感じだと、オフラインでの2P対戦と変わらないように思えましたが、プレイヤーとしてどうだったのか、ときど選手にオフラインでオンライン対戦をした感想を聞いてきました。

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    インタビューに応えてくれたときど選手

――お疲れ様でした。今回のイベントは、かなりガッツリ対戦できましたね。

ときど選手:こういうイベントだと、2本先取で終わることが多いんですけど、ガッツリ3本先取でやらせていただけました。話を聞いたとき、「ストリーマーさんは1本先取でいいんじゃないの?」って思っていたんですけど、1試合だったら負けていましたね(笑)。これまであまりストリーマーさんとの絡みはなかったんですけど、本当にしっかりプレイしていることが身をもって体験できてよかったです。

――今回は対面で対戦していながらオンライン回線を使う特殊な環境でしたが、回線の状況はいかがでしたでしょうか。

ときど選手:対戦中も通信状態が画面に表示されていて、pingが4や5で、Jitterも安定していたので、回線がいいことは目に見えてわかりました。プレイしている感覚としても、オフラインでそのまま対戦するのと変わらない印象ですね。

今住んでいるところは、マンションの関係で「NURO 光」の回線が引けないんですけど、マンション側の都合がつけば、ぜひ引いてみたいです。我々はオンラインで大会に出ることもありますし、配信もあるので、仕事として使うのであれば2回線引いておくのもアリかなと。まだ引っ越す予定はありませんが、次に引っ越す場合は回線のことも念頭に置きたいですね。

――家賃や駅からの距離だけでなく、高速回線を自前で引けるかどうかも今後の条件になってくるかもしれませんね。

ときど選手:僕たちのように競技シーンでプレイしている人にとっては考えておくべきことだと、今さら後悔しています。今回はそういうことを改めて体感させていただけたので、僕としては非常に有益なイベントに参加させてもらったなと思います。

――競技シーンプレイヤーだけでなく、エンジョイ勢でもゲームを趣味としている人にとっては重要なことですよね。

ときど選手:そうですね。引けるのであれば、とりあえず「NURO 光」などの高速回線を引いてみるのはアリだと思います。相性や条件で引けなかったり、引けてもうまくいかなかったりするのであれば、諦めて次を考えるしかないですが、まずはやってみていいと思います。もし「やってみたらワンランク上にいけた」のであれば、やらないのはちょっと悔しいじゃないですか。少なくとも僕が今日体験した感じだと、そう思います。

――今回は「回線」の環境を体験するイベントでしたが、ときど選手は普段、コントローラーやモニターといったゲーム環境を追求する動画「格ゲー研究室」を配信していますよね。始めたきっかけを教えてください。

ときど選手:YouTubeをやるうえで、ほかのプロ選手と比べて突出したところを出していきたいと思ったんですよね。僕にそれがあるとしたら、デバイス系かなと思いまして。元々、大学は工学部出身なので、デバイスには興味がありました。なので、そういった知識を視聴者の皆さんにお伝えできるとおもしろいんじゃないかなと思って始めてみました。

――実証してみるのはおもしろいですよね。ゲーミングモニターの回では、画面を見てリフレッシュレートを当てる企画をやっていましたね。

ときど選手:144Hzと240Hzはわからないですよ(笑)。でも、わからないから意味がないかというと、そうではなく、個人的にリフレッシュレートは「高ければ高いほうがいい」と思っています。

――今使っている環境で良かったものと、今後取り入れたいものはありますか。

ときど選手:「スポンサー的」と言われてしまうかもしれませんが、レバーレスコントローラー「Hit Box(ヒットボックス)」は本当に画期的なものでした。2人の兄弟が作ったんですけど、とんでものないものを出してくれたなと思います。

――アケコンはレバーとボタンの組み合わせで完成形という刷り込みがありましたよね。これ以上ないと思っていた。ある種、思考停止の状態でした。

ときど選手:「これでいいでしょ」ってところから、なんとかしようと思わないじゃないですか。なのに、レバーを否定するところから考えるのは、革新的でした。

あと、環境的にいえば、椅子やデスクはまだ選びきれていないですね。高さを変えられる机がいいと聞いているので、おもしろそうだと思っています。長時間プレイして疲れないのは魅力なので、そちらもいろいろ試してみたいです。

――ありがとうございました!

会場の「ASH WINDER Esports ARENA」についてもご紹介

最後に、会場となった「ASH WINDER Esports ARENA」について紹介して終わりたいと思います。

「ASH WINDER Esports ARENA」は、高田馬場から徒歩30秒というロケーションのよさがウリのeスポーツ施設です。施設はビルの5階にあり、正面入り口からのエレベーターとビル側面のエレベーターの2カ所からアクセスできます。

施設は600平米とeスポーツ施設としてはかなり広め。常設のステージに4つの個室とガヤルーム、実況ルームを用意しています。メイン会場はレイアウトフリーになっており、大会などのイベント開催時はゲーミングチェアを並べて観客席として利用できるほか、テーブルを配置することで、ネットカフェのような状態にもできます。

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    今回はゲーミングチェアが客席のように並べられていましたが、テーブルにPCを並べたネットカフェスタイルにもなります

入り口から壁や柱にLEDディスプレイが配置されているのも特徴的。表示を変えてイベントごとに特徴的な会場を演出することもできます。入り口付近にあるバースタンドの上部にあるモニターは、普段メニューや施設の利用のため料金表を載せていますが、これもイベントに合わせて変更可能です。

さらに、天井のライトもゲーミングキーボードのように色を自在に変えられるので、チームカラーに合わせた色を使用するなど、さまざまな色による演出もできます。

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    入り口の上部には壁に沿った湾曲LEDディスプレイを配置。好きな文字に変えることができます

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    カウンターバーのモニター。普段はメニュー料金や利用料金の表示になっていますが、トーナメントの結果の表示や選手の呼び出しなどにも使用できます

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    カウンターバーにはRed Bullとモンスターエナジーの冷蔵庫が。その間にあるのはエスプレッソマシン。コーヒーもここのウリの1つです

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    カウンターバーの横には選手やキャスターによるサインボードを用意

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    天井の白いラインのLEDライトもカラーを自由に変更できます

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    カウンターバーの正面にあるLEDライトの柱。この文字も自由に変更できます

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    トイレ表示もLEDを使用。どこかで見たようなピクトグラムが

先ほど少し言及しましたが、会場の脇には4つの個室が用意されています。イベントでは出演者や参加チームの控え室として使えますが、ステージとは別の対戦会場としても使えます。1部屋で5台のPCが使用できるので、『VALORANT』や『League of Legends』などのチーム対戦を個室同士で同時に2対戦まで行えるわけです。

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    今回は個室を控え室として使用していましたが、5人までプレイできる環境があるので、5v5のチーム戦が行えます

ステージもかなり広めで、背面の壁は全面LEDディスプレイになっています。自由に分割できるので、対戦しているゲーム画面のほかに、対戦者の顔のワイプ、使用キャラクターのイメージカットなどを同時に表示することもできます。

客席側から見てステージ右脇には控え室が用意されており、そこからステージにダイレクトで登壇できます。出場待ちのチームが待機したり、MCが待機したりする場所として活用できるでしょう。

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    ステージ背面は全面LEDディスプレイ。さまざまな映像を流すことができます

配信のコントロールルームも別途用意されており、会場内に設置しなくて済むのも会場を広く取れるので、イベント運営としてはうれしいところじゃないでしょうか。

基本的に飲食の持ち込みはできないのですが、高田馬場駅やロータリーを眺望できるテラスには持ち込み可能。長丁場になりがちなeスポーツイベントでもしっかりと飲食できる環境があるのはありがたいです。また、テラスは喫煙所も兼ねています。

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    コントロールルーム

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    配信スタジオ

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    対戦者以外の選手が配信を行ったガヤルーム。ほかの個室と違い、硝子張りなので外からも様子がわかるようになっています

ざっと見学した感想としては、かなり融通の利く会場。招待制の大会のように観戦がメインとなる場合でも、オープントーナメントのような来場者のほとんどが参加者である場合も、どちらも対応しやすくなっています。何しろアクセスが良いので、それだけでも大きな利点でしょう。