2023年4月29日、大田区産業プラザPiOにて「モンスト春祭り 2023」が開催されました。2022年に開催された「MINI PARK 2022」に近いイメージで、『モンスターストライク』の公式大会「MONST SPRING CUP 2023」をはじめ、参加型のアトラクションやステージ企画、物販など、盛りだくさんのコンテンツが楽しめるイベントです。
アトラクションは「どのレベルで挑む?『追憶の書庫』制限チャレンジ!」と「みんなで挑戦!クイズ 2択の間」の2つ。「追憶の書庫」制限チャレンジは、昨年のMINI PARKにもあったアトラクションで、「追憶の書庫」内のステージをマルチでプレイします。制限レベルやプレイするときのハンデなどをカードで決めて挑戦します。
筆者もMIXIの広報さんに手伝ってもらって挑戦しましたが、最高難易度を引いてしまい、クリアならず。景品もゲットできませんでした。
「みんなで挑戦!クイズ 2択の間」は、4人1組で2択クイズに挑戦するコンテンツ。参加者のうち1人でも10問正解するとクリアです。
4人で話合って解答を決めることができるので、まったく分からない問題は二手に分かれて解答し、できるだけ生き残らせるように協力しましたが、8問目で撃沈。参加賞をもらって終了となりました。
ステージイベントでは、ターザン馬場園氏と峯田大夢氏がそれぞれパーソナリティを務めるトークイベント「おともラジオ」を展開。モンスト声優やYouTuberをゲストに『モンスト』で熱い対戦も繰り広げました。
ほかにも、物販コーナーや「MONST SPRING CUP 2023」の優勝予想も行われていました。なお、来場者には『モンスト』とコラボしたファンタを配布。eスポーツイベントといえばエナジードリンクの配布が一般的なイメージですが、子どもでも飲みやすいドリンクを提供してくれるのは、幅広い年齢層がプレイしている『モンスト』ならではでしょう。
「MONST SPRING CUP 2023」は、公式大会としてはさまざまな新しいルールや試合方式を試みた大会でした。通常は4人1組のチーム戦ですが、今回は2人1組のチーム戦です。
「東京eスポーツフェスタ」などでは採用されているルールですが、公式大会としてはおそらく初ではないでしょうか。
予選には64チームが出場。大会への参加希望者数は公表されていませんでしたが、プロ選手など『モンスト』界隈の人たちのTwitterでは、落選通知の投稿を多く見たので、いわゆるゼロ回戦負けしたプレイヤーはその数十、数百倍いたのではないでしょうか。
これまでの公式大会の予選はタイムアタックラウンドで行い、上位8チームが決勝トーナメントに進出していました。またタイムアタックラウンドの順位によって、ピックの選択権が決定します。
しかし、今回は同じ勝敗数のチーム同士が対戦する「スイスドロー形式」を採用。最大6戦行い、その結果でファイナリストを決定します。
ちなみに6戦行うと、6勝0敗が1チーム、5勝1敗が6チーム、4勝2敗が15チーム出ます。5勝1敗以上がトーナメント進出決定で、4勝2敗のチームから敗退した2チームの戦績がもっとも高かったチームが1チーム、トーナメントに進出することになります。
ゼロ回戦でプロ選手をはじめとする強豪が敗退するなか、「どんどんススムンガ」のごーず選手や「Cats」の吉村武琉選手、「きまぐれクリティカル」のらせつ選手、「アラブルズ」のサポートメンバー虹花/ななか選手、「ミラノ風カルボナーラ」のleft選手など、実力と運の両方を兼ね備えた強豪選手が勝ち残ります。トーナメントはBO3(2勝勝ち抜け)で、準決勝からステージで行われます。
準決勝に残ったのは「たくにーと」「きまぐれ定食」「KiRARi」「いんてぃにてぃトリガー」の4チーム。準決勝1試合目は「ろくまる◢⁴」に所属していたエルニーTOSSY選手率いる「たくにーと」と、らせつ選手率いる「きまぐれ定食」です。
初戦をミスなく取った「きまぐれ定食」は、次のマップ「焔旗の獣人姫2023」で小雪をピック。狙い通り一撃でボスを倒し、決勝進出を決めました。奇しくも今回のゲスト解説は「どんどんススムンガ」のぴよまる選手。小雪による攻略でモンストグランプリを沸かせた本人の目の前で、小雪を完璧に使いこなしました。
準決勝2試合目は虹花/ななか選手率いる「KiRARi」と吉村武琉選手、left選手のコンビ「いんふぃにてぃトリガー」の対戦。スイスドローを無敗で勝ち抜けた「いんふぃにてぃトリガー」が優勢とみられていましたが、初戦は終盤に両チームともボスを倒しきれないミスが発生。最後の最後でボスに大ダメージを与えた「KiRARi」が勝利します。
2試合目は「きまぐれ定食」と同様に小雪をピックします。しかし「きまぐれ定食」とは違い、小雪のワンパン(一撃で倒すこと)に失敗。「KiRARi」が連勝で決勝戦に進出しました。
決勝戦1試合目は小雪によって勝敗が左右された「焔旗の獣人姫 2023」。「きまぐれ定食」は準決勝と同じく小雪をピック。「KiRARi」も準決勝と同じく呂布を選び、対応します。
中盤「KiRARi」のミスで余裕ができた「きまぐれ定食」は、小雪でのボス攻略も危なげなくクリアし、勝利を収めます。2試合目は序盤極わずかなリードを許した「きまぐれ定食」でしたが、終盤一気に追い上げ。お互いにミスをしますが、そのリカバリーが良く、ボスを一気に倒すことができた「きまぐれ定食」が勝利を収めました。
チーム編成によっては連続した操作をする必要があり、交互にしたとしてもすぐに次の順番がやってくる2人チームでは、これまでにない戦いを強いられました。特にミスしたあとにどれだけ早く切り替え、対応できるかが重要だった気がします。
2人1組はメンバーを集めやすいので、参加ハードルは大きく下がったといえますが、4人1組とは違う戦い方が必要ね難しさが露呈したと言えるでしょう。この新しい試みについて、「きまぐれ定食」の2人に話を聞いたところ、役割分担に苦労した様子がうかがえました。
「グランプリの4人チームとは違い、ステージによって1番手、2番手を担当のように連続で行ったほうがよかったり、1番手、3番手のように交互に行ったほうがよかったりと、2人ならではの作戦や分担がありましたが、どちらかに負担が偏らないようにしました。正直、4人組より疲れますね」(きまぐれ定食・にんじん選手)
また、参加しやすさが応募の数に比例し、大会に興味を持った人が増えたのは良かったのですが、その分、予選参加の抽選に漏れた人も多く、きまぐれ定食も当落については気になっていた様子でした。
「昨年は公式大会で全然勝てなくて、すごく勝ちたかったんです。今年の大会の一発目で優勝できたのは本当にうれしいです。今大会は本当に応募数が多かったみたいで、抽選に外れたチームが結構いました。ほかのチームメンバーも応募していたんですけど、抽選に外れてしまいました」(きまぐれ定食・にんじん選手)
「今大会の抽選結果はリーダーであるにんじん選手にしかメールで届かなかったんですよ。発表日の16時になって、SNSとかで落選の報告がガンガンくるんですよね。にんじん選手はその時間に仕事をしているのがわかっていたので、終わるまで待つしかないんですけど、ほかのチームの落選の報告を聞くたびに、生きた心地がしませんでした。仕事が終わって連絡がきたときはうれしかったですね」(きまぐれ定食・らせつ選手)
大会予選がタイムアタックラウンドから「スイスドロー形式」になった点も参加者の立場によって、見解が大きく分かれていると感じます。
「タイムアタックラウンドは自分達が用意したものをきっちり出せるので、それまでに練習してきた記録の平均値を出せればいいわけです。スイスドロー形式の場合だと、めちゃくちゃ早い編成を出されてしまったら、ミスがない限り、その時点で負けになることが多いんです。特にBO1だと一発勝負なのでその傾向が強くなりますね」(きまぐれ定食・にんじん選手)
本来であれば、実力のあるチームが勝ち抜ける「スイスドロー形式」ですが、BO1の一発勝負だと運要素が大きく絡んでくるのも頷けます。ただ、スイスドロー形式は予選に参加したすべてのチームが6試合(今回の場合)プレイするので、初・中級者にとっては大会を存分に楽しめる方式とも言えるでしょう。
BO3で予選を行う手もありますが、その場合は時間ともっと多くの試合を同時進行させる人員が必要なので、簡単にはできないと思います。このあたりは、どのプレイヤーを中心に回していく大会なのかによって使い分けることがいいのかもしれません。
なお、イベントの最後は「モンストニュース」が開催されました。ここでは新モンスターなど新情報の発表がされるのですが、冒頭に「モンストグランプリ 2023」の開催決定が報じられました。
先述した通り、「モンスト春祭り 2023」と似た昨年大会である「MINI PARK」は「モンストグランプリ」の関東予選を兼ねていました。例年であれば「モンスト春祭り」の時期には地方予選が行われている予定なので、今年のグランプリ開催を懸念していた人は多く、この発表により胸をなで下ろしたのではないでしょうか。
「モンストグランプリ 2023」は、7月から全国5都市で予選を行います。今回は高校生のエントリーも可能。これまで、高校生以下は「モンストジュニアグランプリ」が最も大きな大会でしたが、いよいよ高校生も最高峰の大会に出場できるようになります。
賞金総額は3000万円とのこと。本戦の時期や会場、予選のスケジュールなどの詳細は5月下旬に特設サイトにて発表予定です。今からチームメンバーを集めて準備をすることをオススメします。