キーサイト・テクノロジーは、6月20日から22日にかけて東京ビッグサイトにて開催されている「日本ものづくりワールド 2018」内の「第9回 ヘルスケア・医療機器 開発展(MEDIX)」にて、100pAから100Aまで計測可能なデバイス電流波形アナライザ「CX3300シリーズ」の紹介などを行っている。

  • デバイス電流波形アナライザ「CX3300シリーズ」

    右がデバイス電流波形アナライザ「CX3300シリーズ」の筐体と電流センサ。左のDC電源/アナライザの波形と同じ波形をしっかりと測定できていることが見て取れる。ちなみに見えにくいが1マスあたりのレンジは縦が5mA,横が1ms

見えないものを見えるようにする計測器

CX3300シリーズは、IoTデバイスの開発において求められる微小電流の測定を目指して開発された測定器だが、2016年の発売以来、さまざまなカスタマから使っているアプリケーションや改善要望などが寄せられたとのことで、特に要望の高かった技術的なニーズに対応することを目的に、新開発の2種類のプローブ(電流センサ)を2018年3月より発売している。

  • CX3300シリーズの概要

    CX3300シリーズの概要 (資料提供:キーサイト)

  • CX3300シリーズの電流センサ

    CX3300シリーズの電流センサ。3月に高電流対応の2製品が追加された (資料提供:キーサイト)

新製品の「CX1105A」は、従来の電流センサが、基板から配線を引き出して、それを測定することで行っていた測定フローを、特性が変化する可能性などを考慮し、基板にプローブをあてることでの測定を可能としたもの。また、併せてユーザーからは、1A以上も詳細に測定したい、という声があがっていたことから、最小1μAから100Aの測定レンジにも対応させた。

  • CX1105Aで実際に測定している様子
  • CX1105Aで実際に測定している様子
  • CX1105Aで実際に測定している様子

もう1つの新製品となる「CX1104A」は、測定方式は従来のCX1101Aなどと同様であるが、ユーザーからの挿入抵抗(例えばCX1101Aは410mΩ)が大きい、といった声に対応をすることを目的に、同社が校正を行った低抵抗なシャント抵抗6種類(5.5mΩ/8.0mΩ/23mΩ/53mΩ/103mΩ/1Ω)をセンサヘッドとして用意。測定要件に応じた使い分けが可能となった。

  • >CX1104Aの実物
  • >CX1104Aの実物
  • CX1104Aの実物。6種類のキーサイト校正済みのシャント抵抗が付属している

同社の担当者によれば、「これまではオシロスコープで電流プローブを用いて測定を行なっていたが、そもそもオシロは電流を高精度に計測できるようには作られていない。その一方で、IoTの普及と並行して、機器の低消費電力性が求められるようになり、頻繁にスリープモードに入っては、ウェイクアップを行なうという挙動が実行されるようになってきた。そうしたデバイスの中には、スリープ時に数μA、ウェイクアップ時に数十A、定常運転で数A、といった幅広い電流値が計測されるものもあり、そうした電流を測ることは難しかった。CX3300シリーズを使ってもらえれば、そうした今まで見えなかったものが見えるようになる」と、その必要性を強調する。

  • CX1105Aの概要

    CX1105Aの概要 (資料提供:キーサイト)

  • CX1104Aの概要

    CX1104Aの概要 (資料提供:キーサイト)

  • 従来ソリューションとの比較
  • 各製品の価格
  • これまでのオシロ+差動プローブでは、測定波形がノイジーで、とりあえず出ている、といった程度でしかわからなかったが、CX3300シリーズを活用すれば、微小なスパイク含めて、どういった挙動をしているかを把握することが可能となる (資料提供:キーサイト)

こうした電流範囲の拡大により、同アナライザがターゲットとする市場も従来のIoTデバイスなどだけではなく、モバイル分野や自動車など、より大きな電流を用いるデバイスへと広がりを見せているという。

  • CX3300シリーズの適用アプリイメージ

    100Aまで測定可能となったことから、より幅広いアプリケーションでの測定に使えるようになった (資料提供:キーサイト)

また、CX3300シリーズ自身もファームウェアのアップデートなどが継続して行われており、2018年6月からは同社のテストシーケンスの自動化を可能とするソフトウェア「BenchVue」をサポート。複数による測定や、ほかの計測器と連動させた測定を手軽に行うことが可能になったという。

無線モジュールの機能を簡易的にチェック

このほか、同社では2.4GHz帯の無線LANやBluetooth Low Energy(BLE)のモジュールに対して簡易的に機能テストを行うIoTデバイス・ファンクション・テストソリューション「X8711A」の紹介なども行なっている。

同ソリューションは、通信モジュールを組み込んだシステムベンダなどの活用を想定して開発されたもので、データロガーと組み合わせた専用ソフトウェアを立ち上げ、無線モジュールを電波暗室(シールドボックス)に入れて、実行させるだけで、通信品質として最低限抑えるべき機能を網羅的にチェックしてくれるというもの。

現在、5GHz帯への対応は検討を行なっているとするほか、LPWAなどで注目される920MHz帯についても、今後、検討を行なっていく予定としていた。

  • 「X8711A」のデモの様子
  • 「X8711A」のデモの様子
  • IoTデバイス・ファンクション・テストソリューション「X8711A」のデモの様子。接続されたPC上で、設定をして実行ボタンを押すだけで、無線モジュールの機能に問題があるかどうかが分かる