イヤホンの市場にちょっとした変化が起こっている。
そもそも、かつてのイヤホンやヘッドホンはいわゆるイマーシブ用途に使われるのが常だった。つまり、音楽などのコンテンツに没入するためにイヤホンやヘッドホンを使うということだ。
その世界に閉じこもり、他をよせつけないムードがあった。パーソナル用途のアクティブノイズキャンセルなどは、それをかなえる典型的な機能でもある。
だが、近年、イヤホン/ヘッドホンは耳に入る環境音の仲間としてコンテンツを再生するものが増えてきた。
また、聴くときだけ装着するのではなく、ずっと耳に装着したままで過ごし、必要なときには最低限の操作で有効にする。オンライン会議、電話での通話に使う場合や、インカム代わりに使う場合がそうだ。これらの用途では完全に外界を遮断することがない。
オープン型イヤホンのすそ野広がる、利用シーンが増加
こうした状況の変化もあって、昨今は、イヤーカフ、イヤークリップ型のイヤホンが目立つようになってきている。
一時期は骨伝導などの技術を使ったアーム型の製品も目立ったが、最近の主流は、音楽の高品位再生にも耐えられるオープンイヤー型だ。これらは耳穴を塞がないので、環境音は普通に聞こえるし、必要なときに必要なコンテンツを耳元で再生する。
価格についてもかなり安いものが出てきている。たとえば、cheeroのWireless Open Earphones Smart CHE-645は2年前の製品ではあるが、ブラック・ブルー・ミント・ピンク・ホワイト5色のカラーバリエーションに加えて、先日、新色としてブラック×ゴールドが追加された。
通常カラーの価格は2,980円、ブラック×ゴールドは3,480円だ。発売後2年のロングセラー製品は、このカテゴリでは立派だ。
メーカーから提供された製品を試すことができたが、装着感も悪くなく、耳たぶに負担のほとんどないイヤークリップ型の製品だ。
なにせ重量は3.6gしかない。音楽を再生しても心地よく楽しめるオープンワイヤレスイヤホンだ。このタイプのイヤホンはタッチで各種の操作ができるものがほとんどだが、誤操作が起こりやすい。だが、この製品はコストがかかる物理ボタンを左右両側に装備しているので、操作ミスしにくいのがいい。
AIと音声で話すときにも便利、仕事中も使いやすい
音質や音量の点で音楽を聴くには物足りないと思うかもしれないが、この手のイヤホンはひとつ持っているととても便利で重宝する。
電話の通話ひとつとっても、両手が自由になるので、PCでメモをとったり、ブラウザで検索したりが容易だ。さらに、昨今は、AIとのコミュニケーションを音声で行うケースが増えてきた。そうした機会が多いなら、こうしたイヤホンを丸一日耳に装着しっぱなしの方が便利と思うようになるかもしれない。
そういえば、街を歩いているときに、完全ワイヤレスイヤホンを装着して、会話しながら歩く若者を多く見かけるようになったような気がする。
その便利さに気がついてもらえたと思う一方で、ながら聴きではなく、装着して両耳を塞ぐカナル型イヤホンを、場合によってはノイズキャンセルまで効かせての歩行に危険を心配することも少なくない。
時代が変わればイヤホンの使い方も変わる
AIとの会話や通話のための利用には、片耳だけの運用も考慮に入れよう。その場合、モノラル再生になるので、左右どちらの耳に装着しても大丈夫だ。
とっかえひっかえすれば、ケースからの充電で両耳運用の倍の時間使える計算になる。これは従来型のカナル型やスティック型イヤホンでもいえることだ。
時代が変われば、イヤホンの使い方も変わる。われわれのライフスタイルの変化に合わせ、イヤホンのあり方も進化し続けている。
