スマホの名門ブランド、サムスンのフラグシップであるGalaxyシリーズの最新製品が日本にも登場する。4月11日からの発売で、同日に、ドコモとau、そしてサムスン自身からオープンマーケット向けモデルが発売される。

  • Galaxyシリーズ最新モデル「Galaxy S24」と「Galaxy S24 Ultra」。日本では4月11日に発売される

販路が複雑な日本のスマホ市場

6.2インチのS24と、6.8インチのS24 Ultraが提供され、サムスンのオンラインショップでの販売価格はストレージやメモリの容量によって無印が124,700円~、Ultraが189,700円~となっている。各社ともに各種の割引のほか、下取りサービス、残価設定ローンなどを利用し、割安で購入することができる。

日本のスマホ市場は、携帯キャリアが8~9割の量を売っているが、それにメーカー自体の販売も加わり、少し複雑化している。ハードウェアはほぼほぼ同じもので、ちがうのは売り方と値段だけで、キャリアのモデルもSIMフリーだし、そのキャリアの契約者でなくても購入できる。

auの加入者がドコモで端末を購入し、auのSIMを装着して使うというのもたやすい。だからこそ購入時には十分な吟味が必要だ。もはや、キャリアは大手量販店のひとつと考えるべきなのかもしれない。ここがスマホの買い方としてここ数年で大きく変わったポイントだ。

Galaxy AIは人間の能力をUPするアシスト役

さて、この最新スマホだが、Galaxy AIを高らかに謳う。お約束通りといったところか。スマホが手のひらの上で使うAIの方向性を提案しようとしているのだ。

特に、同時通訳、翻訳、通話のAI利用が手厚い。

通話のときに双方向の同時通訳を合成音声でしてくれるリアルタイム通訳、相手の声が文字になり、こちらが文字を入れれれば、それを音声で伝達してくれるテキスト通話、また、対面での異国語コミュニケーションをかなえる通訳機能など、バリエーションも豊富に用意されている。

また、ソフトウェアキーボードに実装されたチャットアシスト機能は、入力したメッセージのスタイルを、ビジネスやSNS投稿などに向いた文体に変換してくれる。さらには、異なる言語でのチャット時に、自動的に翻訳してくれたりもする。

手書きのメモを文字データに変換、要約して自動的に書式を設定するノートアシストなどは、まるで魔法を見ているみたいだ。話は古いが、手書きの書類を専門の人に頼んでワープロで清書してもらっていた時代があったが、それがここまできたかという印象だ。

ほかにも生成AIによる写真編集や、保存した動画を長押ししてスローモーション再生したり、AIによる画像分析での編集提案など、現時点で気軽に便利に使えるAIのショーケースのようになっていて、あらゆるAIを体験できる。スマホでAIがどのような役にたつのかを具体的に提案できているといえる。

サムスンは予測と提案、そして人間の能力をUPするためのアシストを提供するのがAIフォンであるという。Galaxy AIは、そのために、オンデバイスとクラウドを融合したハイブリッドAIとして機能するそうだ。

  • サムスン電子ジャパン CMO・小林謙一氏(左)とGoogle Android事業本部 マネジングディレクターの菅野圭吾氏(右)

手のひらにのるAIが現実になる

ここのところ、サムスンのAndroidはGoogleと親密な関係にある。近くの端末と手軽にデータを交換するための機能であったAndroid標準のニアバイシェアは、サムスンのクイック共有に合流するかたちで統合された

かと思えば、GoogleのPixelシリーズに最初に投入された「かこって検索」は、いちはやく今回のGalaxy S24シリーズで使えるようになっている。

MM総研の調査によれば国内における2023年のメーカー別総出荷台数の1位はアップルだが、それにシャープが続き、Googleが3位につけ、サムスンはその次だ。GalaxyとPixelという両シリーズがシャープを追い上げる。圧倒的なアップルの勢力に届くのは難しそうだが、両社のAIに対する力の入れ方や取り組みを見ていると頼もしい。

AIが今年のスマホシーンにどのように浸透していくかを実感するには、当面はPixelとGalaxyシリーズに注目していればよさそうだ。サムスンはGoogleのPixel 8シリーズ同様、この機種のOSアップデートを7世代分提供するというから余計に安心だ。

手のひらにのるAIが現実になるまでに、そんなに時間はかからないだろう。スマホがこれまでよりも、ずっと頼もしいパートナーとして機能するようになる。スマホにカメラや動画の機能だけを求める時代はもう収束しつつある。