新型コロナワクチンの接種証明書アプリをスマホにインストールした。これで、マイナンバーカードを使って簡単に証明書を発行し、スマホの画面に表示できるようになった。便利な反面、これを偽造するのは簡単だなとも思ったりした。

実際に使うときにも、画面を見せるだけでよく、QRコードを読み取るなどで、何らかのトランザクションが起こるわけでもなんでもないからだ。

  • デジタル庁が発行する新型コロナワクチン接種証明書アプリ

    デジタル庁が発行する新型コロナワクチン接種証明書アプリ

マイナンバーカードが浸透するにつれて、これから、スマホでできることはますます増えていくだろう。マイナンバーカードの役割も、そのリアルなカードで何かができるというのではなく、そのカードの所持と暗証番号やパスワードなどの組み合わせがトリガーとなって、スマホに何らかの機能が付加されるようなイメージが多くなっていくだろう。ワクチン接種証明書などは、その代表例だ。

証明書の特定の機能だけ持ち出せたら便利だ

これからは、いろいろな場面でマイナンバーカードを使うようになるわけだが、そのオリジナルプラスティックカードを常に携帯するのはちょっと不安にもなる。

だから、特定の機能を持ち出すための仕組みが必要になる。それならスマホを持ち歩けばたいていの役割をこなすことができ、大事なマイナンバーカードは自宅においておける。

それに、マイナンバーカードには、住所や氏名、顔写真などがプリントされている。もちろんマイナンバーカードだから個人番号そのものも記載されている。本当に、これは必要だったのかどうか。

道ばたにマイナンバーカードが落ちていても、拾った方には悪用を含めて何の使い道もなく、また、落とした方も、特に心配することはなく、新しいカードを再発行してもらえるような存在にはできなかったものなのだろうか。これでは管理されるためのカードだと思われがちなのも仕方がない。

  • デジタル庁公式サイトでは、新型コロナワクチン接種証明書アプリに関する告知や更新情報を掲載している

たとえば、クルマを運転するには運転免許証が必要だ。免許証を携帯しないで運転すると、運転免許証不携帯の違反になる。

「免許を受けた者は、自動車等を運転するときは、当該自動車等に係る免許証を携帯していなければならない。」という法律による義務だが、免許証はそれを携帯している本人がちゃんとした運転免許を持っていること、そして、それが誰であるかを第三者に対して証明するためのものであって、それさえできれば本当は唯一無二の物理的なカードを持ち歩く必要はない。

これまたスマホに運転免許証機能だけをエクスポートすることができればよさそうだ。

情報の安全性はその運用方法も大事

マイナンバーカードに委ねられる機能が増えれば増えるほど、そこに記録されている個人情報についての安全をどう確保するかが心配されるのだが、これはカードそのものの機能というよりも、その運用がいかにきちんとされるかどうかにかかっている。記録されていない情報はどんなにがんばっても入手できないからだ。

たとえば、運転免許証であれば、それを確認しなければならない警察官等が、通信機能を持ったある種の電子リーダーでカードを読み取れば、免許に関する情報だけを取り出せるような仕組みが求められる。もちろん、それはマイナンバーカードを使ってスマホなどにエクスポートしておける。

健康保険の被保険者証などについても同様で、病院はそのカードを読み取って、資格情報だけを読み取れるようにすればいい。その他の情報はいっさい読み取れないことを保証して、それを強くアピールすればいいのだが、さまざまな機能の統合ばかりがクローズアップされ、マイナンバーカードへの情報統合は、個人情報保護の点から実に危なくけしからんという話につながっていく。

運転免許証も、保険証も、病院の診察券も、各種の会員カードも、すべてが統合され、必要に応じてスマホのアプリとして切り出すことができればどんなに便利かと思う。だが、その便利さをうまくアピールできない政府にちょっとしたまどろっこしさを感じる。