iPhone XS / XS Maxが発売された。すでに手元に届いて愛用している方も多いと思う。日本は世界でもっともiPhoneを廉価で入手できる国のひとつ。ただしそれは大手キャリア経由に限るという条件つきだ。

  • Apple 表参道に並ぶ新型iPhone「iPhone XS」「iPhone XS Max」

機種変、新規、MNP。見かけの価格が横並びに

毎年9月の恒例となったiPhoneフィーバーではあるが、今年(2018年)の特徴は、その価格の見せ方ではないだろうか。

大手キャリア経由でのiPhoneの入手方法としては、機種変更、新規、MNPがある。そして大手キャリアでは設定した価格に対して、24カ月分の購入サポートが得られる。価格が100だとして、毎月2のサポートがあれば、24カ月分で48となり、その差額は52だ。つまり、本来は100の価格のiPhoneを52で入手できることになる。これが「実質●●円」のカラクリだ。そしてキャリアごとに元の価格も異なる。比較すればわかるが、アップルストアでのSIMロックフリー版よりも見かけは高額だが、「実質」的には安く手に入る。

このカラクリは今年も健在だが、ドコモソフトバンクは機種変更、新規、MNPのどの方法で購入しても価格が同じという見せ方をしてきた。昨年までは、機種変更と新規・MNPでは毎月得られる購入サポートの額に差があり、同じキャリアに留まり続けるユーザーにとって条件が不利だったのだ。当然、MNPや新規の方が手厚く扱われる。長く同じキャリアにいてもトクすることはあまりないという印象が強かったわけだ。だから、iPhoneを買い替えるたびに、キャリアを変えるユーザーは少なくなかった。

ところが、今年は、見かけ上、その区別がない。ただし、auについては、例年通りとなっていて、機種変更と新規・MNPで実質価格には1万円の差がある。だが、この差額も例年より縮小されている。

端末価格と電話料金、分けて正しい理解を

一般的なエンドユーザーは端末購入価格と毎月の携帯電話料金の区別をすることなく、トータルの毎月の支払い額で料金をイメージする。本来は、モノとしての端末代金とサービスとしての携帯電話料金は別のものなのだが、それがごっちゃになってしまい、携帯電話料金が高いというイメージを持ってしまうのだ。だから、その分離が求められてきた。

今年のドコモとソフトバンクは、少なくとも見かけの上では端末代金と携帯電話料金を区別しやすいようにしている。これは大きな改善だと感じている。もちろん、各種のキャンペーンが設定されているので、MNPユーザーが優遇されているという事実は変わらない。だが、そのことがわかりやすいという点では評価してよいのではないだろうか。

今年のiPhoneは軽く10万円を超えていて、購入にはなかなかの勇気がいる。SNSなどを見ていると、PCが普通に買えてしまう価格だという論調も目立つし、実際に昨年よりもかなり高価であるのは確かなのだが、ここまで進化したスマートフォンは、本来はそのくらい高価なデバイスなのだということがこれまで隠蔽されていたにすぎないといってもいいだろう。

1年または2年おきにiPhoneを買い替える方がトクをするというのではなく、自分の使っている端末の価格イメージを正しく理解し、賢い消費者になってほしい。

(山田祥平 http://twitter.com/syohei/ @syohei)