Twitter周辺が騒がしい。日本で人気のSNSといえば、Twitter、Facebook、Instagramがあるが、テレビのニュースなどで引用の対象になるといえばTwitterだ。世論をなんとなく反映するといえばTwitterという図式が成立しているように思う。

流れるツイート、止まる

そのTwitterが、いろいろな機能を撤廃しつつある。たとえば、これまではTwitterとFacebookを連携させることができた。Twitterに投稿すれば、それが自動的にFacebookにも投稿されるというような連携ができていた。それができなくなったのだ。もともとはFacebook側のAPI無効化が原因とはいえ、SNS間にギクシャク感がある。

  • TwitterとFacebookが自動連携しなくなってしまった

サードパーティ製アプリがユーザーストリームを使えなくなったというのも騒ぎになっている。ユーザーストリームは、ほぼリアルタイムでタイムラインを表示する機能で、自分がフォローしたり、リストに登録しているユーザーのツイートがタイムラインとして、文字通り流れるように表示される機能だ。

新しいツイートを自分自身で再読み込みすることなく、自動的に新しいツイートが流れてくる。まさにスクリーンの向こう側にいる人間の存在が感じられるダイナミックな機能だったが、それが撤廃されることで多くのサードパーティ製Twitterアプリが、その機能を削除せざるをえなくなってしまったのだ。

  • Twitterは2017年12月に、ユーザーストリームの終了を開発者ブログで告知した

今、ユーザーストリームを体験できるのは、Twitter純正のウェブアプリTweetDeckだけだ。そのTweetDeckもタイムラインの更新頻度が気のせいかもしれないが少し落ちたように感じている。

速いタイムラインの裏には人がいる

運営側にとっては、広告などを効果的に表示させることができないコントロール不能なタイムラインは上手い具合に引退させ、運営側の思い通りのタイムラインをユーザーに届けることを優先させた結果だと想像できる。無料で使っているサービスだから、大きな声ではいえないが、一人一人のユーザーの一挙手一投足がビッグデータとなり、世論の収集に使われ、さまざまなマーケティングにいかされているのだと考えたら、サービスの運営側にもたらしている恩恵は決して少なくないはずだ。なのにこうしたサービスの低下を目の当たりにすると、ソーシャルネットワークというものの存在自体にちょっとした不信感を感じるようにもなる。

SNSがマスコミュニケーションの対極にある存在として意識されているのかどうか。自分のひとことが多くのリツイートにより一人歩きして多くの人の目に結果としてふれることを実感することは少ないかもしれない。もしかしたら、止まっているタイムラインの方が、地味なツイートが人の目に触れる機会が多くなることだってあるかもしれない。でも、読むこともできないほどに流れるタイムラインは、その向こう側に生きている人間がいることを感じさせる重要な要素だったように思う。

面倒な人力作業はAIに任せたい

今、ユーザー自身ができることは、その不満をつぶやくことくらいなのだろうか。ただ、多くのユーザーは、そんなことを気にしてもいないという事実も否定できない。このまま何ごともなく、ずっと前からそんな機能はなかったことになってしまうのか。

最近、Facebookで誰からも反応がないなと思ったら、それはお盆休みのせいではなく、Twitterからの自動連携がなくなって投稿していなかったというオチ。だからといって両方に自分で投稿するのはめんどうだ。こういうことこそ、ローカルのAIが引き受けてくれればいいのにとまじめに思う。

(山田祥平 http://twitter.com/syohei/ @syohei)