MacBook Airは13インチか11インチかで、意見が分かれますね。軽さ重視の人は迷わず11インチをチョイスしそうなものですが、ある装置がないことを理由に13インチを選んだ、という声を聞いたことがあります。その「ある装置」とは……

11インチモデルの悩みどころ

MacBook Air 11インチ、人気がありますね。小さいながらもスタイルはMacBook Airそのもの、A4サイズよりひと回り小さいボディはカバンに入れてもジャマになりません。重量は約1.08kgと、UltraBookの最軽量クラスほどではないものの、この独特なボディラインと質感はMacBook Airならではです。性能よりも小ささと軽さを重視し、13インチではなく11インチを選んだ、というオーナーも多いことでしょう。

しかし、悩みどころがひとつ……11インチにはSDカードスロットがありません。デジタルカメラで撮影した写真を取り込みたいときには、USB接続のSDカードリーダを用意することになります。常にSDカードを挿したままにしておき、本体に保存しておくだけでは心配な重要データ(筆者の場合は原稿です)をバックアップしておく、といった使い方もできません。だからといってUSBメモリを利用するのも、安易に妥協したようで腑に落ちません。

しばらく悩んだ結果、スマートな解決策を2つ思いつきました。ひとつは「Wi-Fiストレージ」。USB接続ではMacBook Airのスマートさが損なわれますが、Wi-Fi経由でのアクセスであれば問題ありません。モバイルバッテリーとしても使える機種を選べば、持ち歩く理由にもなります。そしてもうひとつが「iPhoneの汎用ストレージ化」。iPhoneはLightningケーブルとセットで常に持ち歩いていますし、テザリングも安定性を理由にUSB経由のほうが多いので、一時的に接続する程度ならジャマとは感じないでしょう。

MacBook Air 11インチには、SDカードスロットがありません……

Wi-FiストレージでSDカードをマウント

Wi-Fiストレージとは、Wi-Fi経由でアクセス可能な記憶装置のことをいいます。明確な定義はありませんが、SDカードなど各種メモリカードを装着でき、Wi-Fiアクセスポイントとしての機能を持つ小型機器を指すことが一般的です。「Wi-Fi対応のメモリカードリーダ」とでもいえばわかりやすかもしれません。

今回チョイスした製品は、SONYの「WG-C20」です。サイズはiPhoneよりひと回り大きいものの(71×144×9mm/135g)、SDHC/SDXCなど対応メモリカードは豊富ですし、内蔵の3000mAhという大容量バッテリは最大1.5Aという高出力が可能で(給電専用モード時)、iPhone/iPadも高速に充電できます。Wi-FiはIEEE 802.11b/g/n(2.4GHz)をサポート、最大8ユーザまで同時アクセスOK。ここでは割愛しますが、SeeQVault対応SDメモリカードを用意すれば、フルHD画質の録画番組を外へ持ち出すことも可能です。

その使い方ですが、説明書には専用アプリを起動して……と書かれているものの、10月31日現在はiOS版アプリがありません(対応予定はあるそうです)。ではMacから利用できない? と早合点しそうですが、実はかんたんです。WG-C20を起動し、Wi-Fiで接続(アクセスポイントに選ぶ)してからFinderの機能で接続すれば、WG-C20に挿入しているSDカードがマウントされます。あとはFinderから読み書き自由、IEEE 802.11nで接続されるのでファイルアクセスもスピーディーです。

iPhone 5sと並べてみました。WG-C20のほうが軽いものの、サイズはひと回り大きくなります

「WG-C20」から始まるWi-Fiアクセスポイントに接続し(ユーザIDやパスワードは不要)、Finderで「移動」→「サーバへ接続...」を選択、「smb://192.168.41.1/」にアクセスすればSDカードをマウントできます

電源ボタンを1秒押して無線LAN表示ランプを消灯させると給電専用モードになり、iPad/iPad miniの充電も可能になります

iPhone/iPadを汎用ストレージとして使う

もうひとつの「iPhoneの汎用ストレージ化」には、OS X用アプリケーション『iFunBox』を利用します。フリーウェアということもあり広告は表示されるものの、機能制限なしに利用できます。

インストールは、ディスクイメージをダブルクリックすると現れる画面でアイコンをドラッグすれば完了します。ただし、初めて起動するときには、アプリケーションフォルダにあるiFunBoxのアイコン上でcontrolキーを押しながらクリックし、現れた画面で「開く」を選択します。そうすると、「開発元が未確認のため開けません」というダイアログが現れなくなります。

iFunBoxの使い方はかんたん、起動後にiPhoneをUSBケーブルで接続し、サイドバーの「Appファイル共有」以下にある「汎用ストレージ」フォルダを開くだけです。あとは、ファイルをドラッグ&ドロップで保存するなど、Finderと同じ感覚で利用できます。

ただし……10月31日現在、iOS 7がインストールされたiPhone/iPadで利用すると、すぐに異常終了するなど動作が不安定になります(iOS 6では安定動作します)。将来のアップデートで問題が解消されることに期待しましょう。

iFunBoxのコンテキストメニューを表示し「開く」を選択すれば、未確認の開発元によるアプリケーションを起動できます

任意のファイルを「汎用ストレージ」フォルダに保存できます。ただし、現在のところiOS 7で利用すると頻繁にクラッシュします……