今回は、Android Wear 2(以下AW2)の設定ページなどをみていくことにします。
AW2では設定ページの変更も行われています。今回の変更では、Android Wear 1.5(以下AW1.5)では設定項目が縦に並ぶだけでしたが、AW2ではカテゴリ分けされた設定ページに変更になりました。設定ページの変更は、Android 8.0でも予定されていますが、それをちょっと先取りした感じです。
設定項目は8つにカテゴリ分けされています(表01、写真01)。AW1.5までは、すべての項目が縦に並んでいたのとは大きな違いです(写真02)。そもそも画面の小さなスマートウォッチでは、長いページのスクロールは面倒な作業です。というのは項目は一度に3つ程度しか見えていないため、何ページもスクロールさせると項目を見落としやすく、また、フリックでスクロールさせすぎてしまうといったことも起こります。どちらかというと、タップの回数が増えても長いページのスクロールよりは、ユーザーにとってストレスは小さいといえるでしょう。スクロールするにしても画面をドラッグまたはフリックする必要があるため、必要な手数という点ではあまり大きな違いはありません。
■表01 | |
カテゴリ | カテゴリ内の設定項目 |
---|---|
画面 | ウオッチフェイスの変更 |
明るさを調整 | |
フォントサイズ | |
常に画面をオン | |
通知音と通知 | メディアの音量 |
アラームの音量 | |
着信音の音量 | |
着信時にバイブレーションもオン | |
時計の着信音 | |
通知のプレビュー | |
バイブレーションのパターン | |
次の場合を除きマナーモードを有効 | |
アプリ | 一般アプリがリストで表示 |
システムアプリ | |
操作 | 傾けて画面をON |
手首の動き | |
チュートリアル | |
その他のヒント | |
接続 | Bluetooth |
Wi-Fi | |
機内モード | |
位置情報スマートフォン | |
ユーザー補助機能 | 拡大操作 |
テキスト読み上げを出力 | |
TalkBack | |
電源ボタンで通話を終了 | |
カスタマイズ | 入力方法 |
アカウント | |
OK Googleの検出 | |
端末管理アプリ | |
画面ロック | |
システム | 日付と時刻 |
接続を解除してリセット | |
再起動 | |
電源OFF | |
端末情報 | |
(開発者向けオプション) | 複数設定項目 |
AW2の設定項目は、AW1.5よりも増えています。というのは、AW1.5では、スマートフォン側で管理していた項目、たとえばインストールアプリの管理や情報表示などもスマートウォッチ側でできるようになったからです。親に甘えずになんでもできることは悪くはありませんが、そのためには、大量の設定項目を扱わねばならなくなります。AW1.5では、18項目(機種により違いがある)あった設定ページは、AW2ではカテゴリ分けにより8項目となりましたが、設定項目自体は35項目(機種により違う。開発者向けオプションを除く)あります。
カテゴリ分けすること自体は問題ないのですが、AW2のカテゴリには若干疑問があります。一部のカテゴリ名が直感的でなく、また、カテゴリ内の並びにも適切でないと思われるものがあるからです。たとえば、アンドロイドでは、「セキュリティ」に含まれていた「端末管理アプリ」は、AW2では、「カスタマイズ」というカテゴリで「入力方法」(アンドロイドでは言語と入力)や「OK Googleの検出」といった項目と一緒にされています(写真03)。
また、「システム」カテゴリを開くと2番目の項目に「接続を解除してリセット」があります(写真04)。これは、Androidでいえば、「バックアップとリセット」にある「データの初期化」に相当する項目です。システムアップデートを確認するための「端末情報」は、一番最後になります。しかし、データの初期化のようなめったに使わない項目がいきなり表示されるのはどうかと思います(実行前の確認があるので間違って実行してしまう確率は高くはありませんが)。
このあたり、仕様変更を十分に検討する時間がなかった感じがあります。まあ、そのうち変わるのではないかと思っていますが……。
Android WearアプリとPlayストア
AW2の特徴の1つは、スマートウォッチでもGoogle Playストアが利用できるようになり、直接アプリをインストール、管理できるようになったことです(写真05)。AW1.5では、親機側のAndroid Wearアプリ経由でアプリのインストールを行う必要がありました。
AW2から、Playストアでの配布形式が変更になっています。AW1.5までは、Android用の配布パッケージ(APK)にAndroid Wearの配布パッケージが含まれていました。このため、見かけ上は、親機側でAndroidスマートフォン用アプリとしてインストールを行い、その中に含まれているAW1.5用アプリがスマートウォッチ側にインストールされました。スマートフォン側のアプリがないものもありましたが、Google Playストアで配布される形式としては、Androidスマートフォン用のパッケージのみで、スマートフォンアプリがなにも入っていないという構造になっていたのです。
これに対して、AW2からは、専用の配布パッケージが定義され、Google Playストアから直接スマートウォッチにインストールが可能になりました。
つまり、AW2では、2種のアプリがインストール可能です。1つは、AW2アプリです。スマートウォッチ側にインストールされ、親機側に対応する親アプリが存在しません。
もう1つは、Android用アプリとAndroid Wearアプリがセットになったものです。AW1.5では、前述のように配布形式がAndroidスマートフォン用アプリのものしかありませんでした。このため、Android Wearスマートウォッチ用アプリを含むアプリをインストールすると、必ずスマートウォッチ側にもアプリがインストールされていました。
このときに問題になるのは、スマートフォン用とスマートウォッチ用の両方のアプリが含まれているものです。AW1.5では、このとき、問答無用でスマートウォッチ側にアプリがインストールされていました。しかし、人によっては、スマートフォンでは使いたいけど、スマートウォッチでは使う必要がない、あるいは使いたくないという場合がありました。しかも、スマートウォッチ側には、スマートフォン側で起動しているアプリの都合で画面や通知が表示されてしまいます。AW1.5では、スマートウォッチ側で不要と思っても、Android側で親アプリをアンインストールしない限り、スマートウォッチ側アプリがインストールされたままになります。しかし、AW2からは、このタイプのアプリでもスマートウォッチ側でインストールの可否を選択できるようになりました。
画面が小さいため、Playストアは起動すると文字だけしか表示されません(写真06)。トップページは、リストになっていて、以下のような項目が並びます。
- あなたへのおすすめ
- 無料
- 有料
- 急上昇
- おすすのアプリ
- 人気のウォッチフェイス
- ウォッチフェイスの追加機能
- スマートフォン上のアプリ
どれも開くとアプリのリストになっています。「無料」、「有料」は、Androidの「ランキング」に相当するアプリのリストです。
「有料」アプリのランキングが表示されるように、AW2では、スマートウォッチから直接アプリを購入することができます(写真07)。すでに登録済みの支払方法を選択したり、ギフトカードからのチャージを指定して支払が可能です。
ただし、Google Playギフトカードのコード入力、新しい支払方法(クレジットカードなど)の登録はAndroid Wearからはできず、Android側で済ませておく必要があります(写真08)。
なお、Google Playストアは、コンテンツも対象ですが、AW2のPlayストアは、アプリのみが対象で、コンテンツの入手は行えないようです。もっとも、映画を購入して小さな画面で見るというのも何だとは思いますが……。