いたさらこんなこずを曞くのも䜕だが、F-35Bの衚芞は短距離離陞・垂盎着陞(STOVL : Short Take-Off and Vertical Landing)である。ずころが気を぀けないずいけないのが、この垂盎着陞。

過熱に埡泚意

すでに曞いおいる通り、F-35BがSTOVLを行う際は、コックピットの背埌にあるリフトファンを䜜動させるずずもに、゚ンゞンの排気ノズルを偏向させお真䞋に向ける。これにより、䞋向きの排気で機䜓を支えられるようになるので、前進速床によっお䞻翌が揚力を発生するこずがなくおも浮いおいられる。

参考動画 : F-35B - Taking STOVL to a New Level

ずころが、リフトファンはただ単に䞊から空気を吞い蟌んで、䞋から排出しおいるだけだからいいが、゚ンゞンは話が違う。出おくるのは高枩の排気ガスである。しかも、前任のAV-8BハリアヌIIよりパワヌアップしおいる䞊に、最新技術で䜜られたF135゚ンゞンの排気ガスは、ハリアヌのペガサス・゚ンゞンよりも枩床が高いず思われる。

  • 2017幎9月に日本の岩囜基地に着陞したF-35B 写真Lockheed Martin

  • 地䞭海ず倪平掋を結ぶ䜜戊を支揎するため、米囜第5艊隊䜜戊゚リアに配備されるAV-8BハリアヌII 写真US Navy

぀たり、F-35BはAV-8Bよりも熱い排気ガスを、しかも倧量に吹き付けおいるこずになる。するず、滑走路のアスファルト舗装、あるいは空母や匷襲揚陞艊の飛行甲板は、その熱い排気ガスによる加熱に耐えられないず困る。そこで、飛行甲板のうち着艊ゟヌンだけ、耐熱凊理が斜されおいる。

これが問題になるのは、垂盎着陞あるいは垂盎着艊の時だ。なぜかずいうず、同じ堎所が長時間にわたっお連続的に、高枩の排気ガスを济びるこずになるから。

実際にF-35Bが垂盎着艊を行っおいる暡様を撮圱した動画は、動画サむトを芋ればたくさん出おくる。たず艊の巊舷偎でホバリングし぀぀、艊ず行き脚を揃えたずころで、スヌッず右偎に暪移動しお飛行甲板の真䞊に移動する。それからおもむろに掚力を絞っお降りおくる。それを芋るず、飛行甲板の䞊でホバリングしおいる時間が意倖ず長い様子がわかる。その間、甲板は排気ガスを济び続けるのだから倧倉だ。

参考動画 : F 35B 1st Landing on USS WASP

䞀方、短距離滑走離陞(発艊)の堎合には事情が違っおくる。機䜓は滑走しおどんどん動いおいるから、熱い排気ガスが盎撃するずしおも䞀瞬だ。だから、こちらのほうは耐熱凊理の必芁性はない。あくたで、耐熱凊理が必芁なのは長時間にわたっお排気ガスを济びる垂盎着陞ゟヌンだけである。

耐熱加工の内容

米空母の䞀般公開で飛行甲板に䞊がった経隓がある方ならおわかりの通り、飛行甲板にはノンスキッドず呌ばれる滑り止め塗装が斜されおいる。飛行甲板で転んだら、ちょっず掟手な擊り剥き傷を䜜っおしたうのは間違いない、ずいう代物だ。ずころが、このたたでは生憎ず、高枩の排気ガスを济び続ける状況には耐えられない。

そこで、英海軍のクむヌン・゚リザベス玚空母は建造圓初から、米海軍の匷襲揚陞艊は埌から、F-35Bの運甚に備えお飛行甲板の䞀角に耐熱凊理を斜した。堎所はどちらも同じで、飛行甲板のうち巊舷艊尟寄りの䞀角。先の動画は米海軍の匷襲揚陞艊「ワスプ」艊䞊でのものだが、着艊ゟヌンずその呚蟺だけ、飛行甲板の色が違っおいるのがわかる。これは耐熱凊理の関係だ。

  • 米海軍の匷襲揚陞艊「ワスプ」 写真US Navy

䜿甚しおいる耐熱コヌティングは、米英で違いがある。米海軍は、Thermion 瀟補の SafTrax TH604 Nonskid Coating ずいう補品を䜿っおいお、セラミックずアルミを混ぜた玠材を飛行甲板に吹き付けおいる。䞀方、英海軍はアルミずチタンの混合物を飛行甲板に吹き付けおいる。どちらも、玠材を熱しお吹き付ける手法である。

䜙談だが、鉄の融点は1,536床、チタンの融点は1,666床だそうだ。

穎開き鉄板の䞊には降りられない

ここから先は䜙談。

第2次䞖界倧戊䞭、日本軍ず米軍の間でべらがうな差があったのが、飛行堎を急造する胜力だった。いうたでもなく米軍のほうが早い。ブルドヌザヌを持っおきお機械力で土地を均したずころに、舗装する代わりに穎開き鉄板を敷いお滑走路を造っおしたう。もちろん、アスファルト舗装の方が平滑性に優れおいるし、倧型の爆撃機になるず穎開き鉄板では耐えられないが、小さくお軜い戊闘機ぐらいならなんずかなる。

ずころが、ハリアヌやF-35BみたいなゞェットSTOVL機は、穎開き鉄板の䞊には垂盎着陞できない。䞀芋、「狭いスペヌスでも穎開き鉄板を敷いお発着堎を確保すれば䜿えるのでは?」ず思いそうになるが、実際にはそれができない。

理由は簡単。機䜓を支えるために゚ンゞンやリフトファンの排気を地面に向けお吹き出しおいるのだから、そこに穎開き鉄板なんか敷いおあった日には、穎開き鉄板が舞い䞊がっおしたう。しかも、ただの鉄板よりも始末が悪い。穎がたくさん開いおいるから、その穎を通っお、吹き付けられた排気が鉄板の䞋に入り蟌む。そしお鉄板を䞋から持ち䞊げおしたう。

著者プロフィヌル

井䞊孝叞


鉄道・航空ずいった各皮亀通機関や軍事分野で、技術分野を䞭心ずする著述掻動を展開䞭のテクニカルラむタヌ。
マむクロ゜フト株匏䌚瀟を経お1999幎春に独立。『戊うコンピュヌタ(V)3』(朮曞房光人瀟)のように情報通信技術を切口にする展開に加えお、さたざたな分野の蚘事を手掛ける。マむナビニュヌスに加えお『軍事研究』『䞞』『Jwings』『航空ファン』『䞖界の艊船』『新幹線EX』などにも寄皿しおいる。