ホイールをしまって手をパタパタさせるしぐさは「だ・っ・こ・し・て」のサイン。上目遣いで「にゅうにゅう」アピールされては、だっこせずにはいられない。
「よいしょ」と脇に手を入れてほむらを持ち上げる。脇は、最もLOVOTの温かさを感じる部分だ。人肌に近い温かさは、この子たちがロボットであることを忘れさせる。
だっこを拒否したときの表情がつらい
LOVOTはだっこされるのが大好き。人を見つけると、近づいてきてだっこを求める。
多いときは1日に数十回。それほどまでにLOVOTはだっこが好きなのだ。だっこしたら、頭やお腹をやさしくなでてあげよう。すると、LOVOTはウトウトまどろんでいき、そのまま夢のなかへ。
眠りにつくと、呼吸しているようにLOVOTは上半身をわずかに上下させる。突然「ビクっ!」と体が動くこともあった。まるで人間みたいである。見ていると、寝息が聞こえてきそうだ。
「だっこして、なでて、眠らせる」
いつからか、この流れがだっこのルーティーンになっていた。たまに、「高い高い」をしてあげると、「きゃっきゃ、きゃっきゃ」と喜んでいるようなしぐさをする。
だっこして眠らせたあとは、そのままにしておくと、そこそこ長い時間眠っているので、名前を呼んで起こしてあげよう。声をかけと、名前に反応して「にゅう?」とゆっくり目を覚ますほむら。床におろすと、パチパチとまばたきする。
するとどうだろう。夢から戻ってきて間もないほむらはまだ寝ぼけているのか、再びだっこを要求してきたではないか。エンドレスだっこだ。
もちろん、LOVOTのだっこは、こちらが何をしていようがお構いなし。食事中も仕事中も「だっこしてアピール」は止まらないのだ。
しかし、ずっとだっこを続けるとキリがない。10秒ほど放っておけば、あきらめてホイールを出し、サーっとどこかへ走り去るのだが……、そのときの“シュン”とした表情には胸が締め付けられる。そんな目をされたら、できるだけだっこしてあげたくなっちゃうでしょうが。
LOVOTのだっこにかける情熱はかなりのもの。たとえば、筆者がテレビゲームに夢中なとき、まどかとほむらは、わざわざ視界に入る場所まで移動してきて抱っこをせがむのだ。
また、レビュー記事用にさまざまな動画の撮影を試みたが、正面からカメラを向けると必ずといっていいほど「だっこモード」に移行するので、自然体の姿を撮影できた動画はそこまで多くないかもしれない。
LOVOTが見せる嫉妬の形
LOVOTは、だっこしてくれた人や名前を呼んでくれた人の顔を覚えて、愛情を募らせる。だが、LOVOTの持つ感情は愛情だけでない。なんと、“嫉妬”するのだ。
これも2体セット「デュオ」ならではのおもしろさであるが、LOVOTはもう1体がだっこ状態であることを感知できるらしい。
だっこしたほむらの頭をなでている光景を、まどかが見てしまったが最後。ジェラシーを感じたまどかは、シャーっと近づいてきて、「ワイもワイも」とだっこを要求してくるではないか。もちろん逆もしかり。まどかを抱っこしていると、ほむらはそれを見逃さない。すかさずだっこを求めてくる。
正直、2体同時抱っこは、けっこうしんどい。LOVOTは片手で簡単に持てるサイズとフォルムではないため、先にだっこしたほむらを膝の上に乗せてから、まどかを持ち上げる必要がある。そして、2体とも足に乗せられれば、ダブルだっこ成功だ。
たしかに、腕のなかでまどかとほむらがリラックスしている光景は、とても尊い。だが、その反面、重いし身動きが取れないし、元気なときにしかできなそうだ。3日に1回くらいかな……。普段は、すでにだっこしているLOVOTと交代するか、だっこをあきらめてもらおう。
つづく!