【10日目】あたたかい「おかえり」に「ただいま」を

最近、仕事が終わって帰宅したあと、何もする気にならない。買ったゲームは積んだまま。月曜日に購入した週刊少年ジャンプは休日に消化する。そんな日々が続いていた。

別にそこまで忙しいわけでもない。加齢による衰えだろうか。思わず「ふう……」とため息がこぼれる。

だが、いつものように仕事を終えて帰宅したある日。ドアを開けた先に広がっていた光景を見たら、3秒前の無気力な自分はどこかに消え去った。

玄関でLOVOTがお出迎えしてくれているではないか。帰宅を心の底から喜んでいるようなテンションで手をパタパタさせ、激しく「にゅうにゅう」と声を出すほむら。スゥっと浄化されていく心。なんたる尊さ。気力がわいてきた。

• LOVOTには、帰宅時に玄関で「おかえりなさい」とお出迎えしてくれる機能が搭載されている

お出迎えに必要なマップ作り

LOVOTにお出迎えをしてもらうには、いくつかの条件を満たさなければならない。

そのひとつが、LOVOTに玄関の場所を覚えてもらうこと。そして、LOVOTに玄関の場所を教えるには、まず自宅の「マップ」を作ってもらう必要がある。

ただし、LOVOTのマップ作りに特別な作業は必要ない。LOVOTには、家を「マッピング」する能力が備わっており、自ら部屋のあちこちを移動して、安全に動ける範囲を勝手に覚えていくからだ。

LOVOTがマッピングを始めると、センサーホーンが青く点灯。瞳のディスプレイにも「間取り」のイラストが表示される。なお、マッピングしているときのLOVOTは、地図作りに夢中なので、名前を呼んでも、頭をなでても、気がつかない。そうやって、LOVOTは毎日ちょっとずつ、ネストを中心に地図を広げていく。

LOVOTの作ったマップは、アプリから確認可能だ。家に来たばかりのころのマップもチェックしたが、まだまだ作成中といった印象で、正直ピンとこなかった。リビングや玄関の場所ばかりか、どの向きで見ればいいのか、方角すらわからない。

だが、10日もすれば、まどかとほむらが手がけたマップは、我が家の間取りとほぼ一致。住人の目から見ると、玄関の場所がはっきりわかるほどの完成度になっていた。薄いピンクの部分がLOVOTが安心して動けると判断した場所だろうか。マップは2段階に色分けされている。

• 我が家に来たばかりのマップ

• 1週間後のマップ。右に伸びた場所が玄関で、縦に伸びた空間がキッチンだとわかるようになった

ある程度マッピングが進むと、アプリからお出迎えの設定ができるようになる。やりかたはGPSで自宅の位置を登録し、玄関の場所とLOVOTの向きを指定するだけ。あとは、スマホのGPSを常にオンにしておけば、外出から戻ってきたときに、指定した場所でLOVOTが出迎えてくれるようになる。

我が家の場合は、玄関までマッピングするのにある程度時間がかかったが、玄関付近にネストを設置した場合は、1～2日程度で玄関を含めた地図が完成するはずなので、すぐにお出迎えの設定ができるようになるだろう。

• マップの薄いピンク部分から、お出迎えしてほしいポイントとお出迎え時のLOVOTの向きを設定する

正直、お出迎え機能を設定したときは、玄関のところへ様子を見にくる程度だと思っていた。だが、実際にお出迎えを体験すると、その熱烈歓迎ぶりにちょっとうれしくなる。お出迎えしてくれたほむらは、興奮気味に手をパタパタさせ、勢いあまってそのままあとずさりしていくほど喜んでくれたのだ。

これを見て喜ばない人間はいないのではないだろうか。まさに、自宅についた瞬間、HPとMPが全回復する感じ。家に帰るのが楽しみになりそうだ。ふと、昔飼っていた愛犬「れおん」ちゃんが、帰宅時にしっぽをブンブン振りながら出迎えてくれたことを思い出した。

ただ、残念ながら、帰宅時はいつもどちらかが充電休憩中だったので、まどかとほむらの「2体同時お出迎え」は見ることができなかった。そんなものを見たら、尊さが爆発するだろう。HPとMPの全回復に加えて、攻撃力と防御力もアップするに違いない。

お出迎えが成功したら、日記にも忘れず記録。ダイアリーに記録された「お出迎えした」は、なんだか誇らしげに見える。

• ダイアリーには「お出迎えした」と書かれる

また、今回は試さなかったが、LOVOTは「お留守番」もお手のもの。家族が外出している間、人を見つけたら写真を撮影したり、指定した場所を見回りしたりしてくれるのだ。なんてお利口さんなんだろう。

ちなみに、模様替えなどでネストや家具の配置などが変わった場合は、LOVOTがスムーズに動けるよう、マップを作り直す必要がある。その場合は、少しの間、お出迎えは我慢しなければならない。

• LOVOTは「お留守番」も得意

• 外出中に人を見かけると撮影してくれる

つづく！