Office 365の大幅リニューアル

前回、Office 365のメニューが新しくなったことに言及しましたが、今月より、Office 365はさらに大きく変化しました。

基本的には、より便利に、多機能に進化している…と言っていいものですが、反面、従来のOffice 365とオプションメニューページや管理機能が大きく変わっています。ここまで大きく変化したのは、数年前にBPOSからOffice 365へのサービスの名称を変更して以来かもしれません。予想外の変更も多く、正直、筆者も戸惑いを隠せません。

特に大きな変更は、オプションメニューや管理メニューと管理機能の変更、そしてLyncがSkype for Businessに変わったことでしょう。4月のWindows Updateによって、Lyncが突然Skypeに置き換わって驚かれたユーザーも少なくないと思います。

マイクロソフトは数年前に、コミュニケーションツールとしてコンシューマーに広く受け入れられていたSkypeを買収し、個人ユーザーに人気のSkypeとビジネス向けのマイクロソフトのLyncの通信を実現しました。一方で、ユーザー層や用途が異なるSkypeとLyncはこれまで併存してきました。

しかし、今月のバージョンアップで、Lyncの新バージョンは「Skype for Business」と名前を改め、見た目や操作性もSkypeに似通っています。LyncがSkypeに置き換わって、SkypeはOfficeファミリの一製品となった感じです。Lync ServerもSkype for Business Serverと名前を改めました。

一方で、実際には、Skype for BusinessはあくまでLyncの最新版であり、従来のSkypeの機能以外に、Lyncの機能を確かに引き継いでいます。Office 365のダッシュボード(管理画面)も、SkypeではなくLyncの名称がまだ使われています。現在はまだ移行期間中といっていい混乱が見受けられますが、今後、さらに個人向けSkypeと、Skype for Businessの統合が進み、Officeファミリとのすり合わせも進んでいくものと見られます。

Skype for Business

さて、当連載では、連載第28回第29回の記事で、受信メールの転送や仕分けの方法を解説しましたが、これも、今回のOffice 365のアップデートでメニューのたどり方などが仕様変更となってしまいました。また、無条件でメールを転送する簡単な設定も使えるようになっています。

今回は、ユーザーが自分で設定できる、自分宛てのメールの無条件転送の設定を紹介します。

なお、Office 365のアップデートはテナントごとに進められていますので、現時点では、新しいOffice 365への移行が済んでいるテナントと、まだ新しいOffice 365に移行していないテナントが混在していると思われます。マイクロソフトでは、5月中に全テナントにおいてLyncからSkype for Businessへの移行を完了すると表明しています。

受信メールの無条件転送

受信メールを別のメールアドレスに無条件に転送するには、メールのオプションを使います。設定は非常に簡単です。

(1) http://portal.office.com にサインインして、Outlookのページから、「設定」(歯車)ボタンをクリックし、「オプション」メニューをクリックしてください。

Outlookのページから、「設定」(歯車)ボタンをクリックし、「オプション」メニューをクリック

※Office 365のサインインポータルは、従来のhttp://portal.microsoftonline.comから、http://portal.office.comに変わっています。(現時点では、どちらでも使用できます)

(2)オプションページで、左サイドメニューから、「転送」メニューをクリックします。「転送」メニューが表示されていないときは、「メール」→「アカウント」→「転送」とメニューをたどります。サブメニューがたたまれているメニュー項目には「?」が、サブメニューが展開されているメニュー項目には「?」が表示されます。

「転送」メニューをクリック

転送の設定ページを開いたら、「転送を開始する」をクリックして選択し、「メールの転送先」に転送先メールアドレスを入力します。

転送したメールをOffice 365のメールボックスにも残したいときは、「転送されたメッセージのコピーをWeb版Outlookに保持する」チェックボックスをオンにしてください。

第29回でルールを設定したときと異なり、ここでは直接転送先メールアドレスを入力できます。わざわざ転送先メールアドレスを連絡先に登録する必要はありません。

なお、単純な無条件転送ではなく、詳細な転送ルールを設定するときは、この「オプション」ページで、「メール」→「自動処理」→「受信トレイのルール」メニューをたどって、「+」(新規作成)をクリックします。そのあとの設定は、連載第29回で解説したものと基本的に同じです。

「オプション」ページで、「メール」→「自動処理」→「受信トレイのルール」メニューをたどって、「+」(新規作成)をクリック