Adobeは9月8日、動画制作ワークフローを効率化するAI機能群をAdobe PremiereおよびAdobe After Effectsに追加すると発表した。制作中に素材サイトやライブラリを探し回る手間を減らし、編集者やモーショングラフィックスデザイナーが創作作業に集中できる環境を目指す。
Premiereに追加される「生成メディアツール」では、タイムライン上から直接コンテンツを生成できる。ユーザーが文章で必要な素材を指示すると、編集可能な動画やオーディオクリップを生成する仕組みだ。
利用できる機能は、参照フレームを基に不足部分の映像を生成する「ビデオを生成」、タイムライン上で効果音を作成できる「サウンドエフェクトを生成」、映像内容を分析して環境音などを自動生成する「サウンドスケープを生成(ベータ版)」、オリジナル音楽を作成する「音楽を生成(ベータ版)」など。生成にはAdobe Fireflyのほか、Google Veo、Kling、Runway、Lumaなどのモデルも利用できる。
オーディオ機能も強化する。新しい「オーディオを強化」は、セリフや音楽、環境音などを個別に制御可能とし、ノイズ除去やリバーブ調整、不要な音楽の削除などに対応する。
さらに、重なった会話を別トラックへ分離する「クロストークを分離」、セリフとBGMの音量バランスを自動調整する「自動ダッキング」、音質を維持したまま再生速度を変更できる新アルゴリズムも提供する。
一方、After EffectsにはAIアシスタントをパブリックベータ版として導入する。ユーザーは自然言語で指示するだけで、プロジェクト整理や技術的な問題の解決、エクスプレッション作成といった複数工程の作業を支援してもらえる。
AIアシスタントは現在のコンポジションだけでなくプロジェクト全体を対象に機能し、多数のレイヤーを含む大規模プロジェクトの管理もサポートする。Adobeは、複雑なモーションデザイン作業を効率化し、クリエイターが表現そのものに集中できる環境を提供するとしている。
このほかPremiereでは、カラーグレーディング機能「カラーモード」も強化する。新たに「スタイルモジュール」を追加し、ビネットやミッドトーン調整など映画風の映像表現に対応。ワンクリックで色温度や露出を補正する「自動カラー補正」も利用できる。
また、プロパティパネルやエフェクトパネルの再設計による操作性向上に加え、Frame.ioのクラウドストレージ連携を強化。フル解像度のメディアをクラウドから直接Premiereのタイムラインで利用できるようになる。
なお、本機能の追加にあわせて、Adobe Premiereが米国テレビ芸術科学アカデミーから2026年の「テクノロジー&エンジニアリング・エミー賞(卓越した功績賞)」に選出されたことも明らかにした。







