スバルは意外にも(?)電気自動車(EV)に積極的な自動車メーカーだ。現在は「ソルテラ」の1車種のみだが、将来的には販売の半分をEVにするという目標を掲げている。スバルのEV戦略をおさらいしつつ、改良を経たソルテラの完成度もチェックしてきた。
スバルのEV販売計画は野心的
スバルは2030年までに販売台数の半数をEVにするという積極的かつ野心的な目標を掲げている。EVの販売計画は2028年までに世界で40万台、2030年には60万台とする。
現状、スバルがラインアップするEVはトヨタ自動車「bZ4X」と共同開発した「ソルテラ」の1車種のみだが、2026年中には「アウトバック」のEV版ともいえる「トレイルシーカー」を市場投入する予定。ソルテラよりリアのオーバーハングが長いロングボディに、AWDでは280kW(380S)といわれるハイパワーなモーターを搭載し、FWDモデルでは航続距離734kmを実現するという。
トレイルシーカーってどんなEV? 写真ギャラリーはこちら
また2026年度中には、さらに強力なモーターとバッテリーを搭載してトヨタと共同開発する3列シートのSUVモデルを投入予定。これがスバル製EVのフラッグシップになるはずだ。
その後も4車種を追加する計画があり、2028年末までには合計8車種のEVがそろうことになる。
お得意のシンメトリカルAWDの電動化を進めることで、EV化してもアイデンティティを確保していこうというのがスバルの考え。一方で、次世代e-BOXER(水平対向エンジン&トヨタのハイブリッドシステムTHS)を搭載したストロングハイブリッドモデルを販売し、同社モデルの弱点だった「燃費」問題を克服していることをアピールしている。
新型「ソルテラ」の出来栄えは?
2022年にデビューしたスバルのEV第1号「ソルテラ」は、トヨタ「bZ4X」の兄弟車だ。3年経った昨年末には兄弟そろってマイナーチェンジを果たし、EVの基本性能である航続距離、充電時間、電費、静粛性を全方位で進化させた。内外装のデザインも大きく変わっている。
ボディサイズは全長4,690mm、全幅1,860mm、全高1,650mm、ホイールベースは2,850mm。システム総合出力はFFで150kW(204PS)から165kW(227PS)に、4WDでは160kW(218PS)から252kW(343PS)に大幅アップしている。
航続距離(WLTCモード)はFFが567kmから746kmに、4WDが542kmから687kmへと伸びている。バッテリープレコンディショニング機能を追加するなど、充電スピードのアップも忘れていない。
今回は4WD版の「ソルテラ ET-HS」に試乗してみた。
エクステリアでは、初期型にあったヘキサンゴングリルとC型ヘッドライトを組み合わせた顔つきを廃止。ツルリとしたグリルレスフェイスのセンターに「六連星」のオーナメントがあり、切れ長のヘッドライト下部に3連ポジションランプが取り付けられた新意匠になっている。この顔、今後のスバルEVモデルに引き継いで統一感を出すという。
さらに、サイドのホイールクラッティングを従来のマットブラックからグロスタイプに変更。より乗用車ライクなスタイルとなっている。
インテリアは上下が平らなオーバルデザインのステアリング(こちらは2023年に変更済み)、12.3インチから14インチへと大型化されたセンターディスプレイ、スマホ端末を2つ並べて充電できるワイヤレスチャージを備えた新形状のセンターコンソールなど、新モデルらしい統一感があって好印象だ。
走ってみると、フロントサイドのガラスが遮音タイプに変わったおかげで、車内が静かになったことに気がつく。そしてアクセルを踏み込むと、加速性能が大幅にアップしているのが明確に分かった。データを見ると、0-100km/h加速タイムは5.1秒。さもありなんだ。パドルシフトで加減速の特性を調整できるのも嬉しい。
価格は605万円。モデルチェンジ前と比べると100万円以上のディスカウントを敢行している。値段が下がるのはありがたいが、BEVの買い時を見極めるのは難しいと改めて思わされたことも告白しておこう。


















