業界人――ここではファッションの世界に身を置く人々のことを想定しているのだが、その業界人の人たちにスバルのクルマが人気らしい。どうしてなのだろうか。自らもファッション業界に身を置く某氏に新型「フォレスター」の試乗を依頼するとともに、ご自身の経験から「業界人にスバルが人気な理由」を語ってもらった。
ちょっと“イナタい”感じが心をくすぐる
ファッション業界人にとって、車は単なる移動手段ではない。自らのライフスタイルを映し出す鏡でもある。そんな彼らの支持を集めるブランドはいくつかあるが、そのうちのひとつが「スバル」だ。
特にアウトドアなイメージの強い「フォレスター」は、質実剛健でありながら都会的な佇まいで多くの業界人を魅了している。ということで今回は、今年登場した新型フォレスターに試乗し、その理由をさらに深く紐解いてみた!
今年の春に発表となったスバルの新型フォレスター。従来モデルと同じ1.8リッターターボに加え、新たにエンジンとモーターを組み合わせたストロングハイブリッド(S:HEV)モデルがラインアップに加わり、スバル車の課題とされていた燃費面が大幅に改善し、大きな話題を呼んだ。さらに、全車で新世代の運転支援システム「アイサイト」を標準装備するなど、安全性や快適性も大幅にレベルアップしたという。
実用性の進化はもちろん大歓迎だが、おそらくファッション業界人がスバルを選ぶ理由は他にある。トヨタ自動車や日産自動車といった大手メーカーにはない技術的な独自性、デザイン、ブランドイメージなどに付加価値、希少価値を見い出しているようなのだ。
実際に新型フォレスターのデザインをじっくり見てみると、まさにタフ&モダン。そして、誤解を招くといけないが、どこか“イナタい”感じが妙に心をくすぐってくるのをおわかりいただけるだろうか?
全体的なシルエットは先代からそう大きく変わっていないが、ディテールは細部に至るまで徹底的に見直されている。真っ先に目を引くのは、やや大型化されたフロントグリルだろう。端正ながら力強い存在感を放つ“顔”が、SUVとしてのタフネスを強調。それでいて無骨すぎず、むしろ都会的な洗練さをまとったように見える。
横から見てみても、やはりアーバンな雰囲気が増している印象。先代がやや膨らみを帯びたボディだったのに対し、新型は直線的でスタイリッシュだ。随所がタイトに引き締まった気がする。この流麗な感じは、ちょっと「アウトバック」のデザインを巧みにオマージュしているようにも見えるけど……気のせい?
広がるようにデザインされたテールランプはワイド感を強調し、安定した印象を与える。新型フォレスターは全体的に、先代の良さを引き継ぎながらも、よりスマート&アグレッシブなデザインへと進化を遂げたようだ。
王道といえば王道なデザインなのに、他にはなかなかない。強いて言えばトヨタの「RAV4」が少し近いかもしれないが、やはり違う気がする。スバルはこう……なんか不思議なのだ。
その不思議さが、トヨタやホンダとは一線を画した独特の存在感につながっているのかもしれない。それでいて決して奇抜なわけではなく、むしろ機能に基づいた美しさを追求している。そういう本質的な部分が、ファッション業界人の感性を刺激しているのではないだろうか。
流行を追うのでなく、自分らしさを表現したい。本能的にそう考えている彼らの欲求を満たす、唯一無二の存在感を新型フォレスターも持っているように思う。
軽くインテリアのほうも見ていこう。センターに配置された大型の縦型ディスプレイは、最新のコネクテッドサービスや“インフォテインメント”機能を統合。物理スイッチを極力減らし、直感的な操作を可能にしている。
個人的には四角ではなく丸型のクラクションが好きなので、ハンドル周りのデザインは特にツボ。可愛さと格好良さのバランスが絶妙じゃないか。
シートはホールド性に優れており、上質なコックピット感を演出。長時間の運転でも疲れにくいよう、人間工学的な設計がなされているに違いない。細部にまでこだわったステッチや、内外にさりげなく配されたアクセントカラーも、まさに玄人が好む上質さ&遊び心を両立させていると言える。
台風の中でも安心感を与えた新型フォレスターの真骨頂
新型フォレスターのS:HEVモデルは、さすがにハイブリッドだけあって乗り心地も抜群だ。アクセルを踏み込むと、e-BOXERのモーターアシストが強力に介入し、極めてスムーズに加速していく。
特筆すべきはその静粛性の高さ。当然ながらEV走行中はエンジン音が一切せず、その静けさはまるで最新の高級セダンのよう。低速域でのEV走行の頻度が高く、市街地でのストップ&ゴーも非常に快適だ。いや、これは本当にスゴい。往年のスバリストたちも「スバル車もついにこの域にきたのか……」と驚いているのではないか。
残念ながら、台風が接近する中で行った試乗は激しい大雨に見舞われた。視界は限りなく狭く遮られ、高速道路は高速で走るのを躊躇ってしまうほどの悪条件。しかし新型フォレスターは、そんな荒天の中でも驚くほどの安心感を与えてくれた。
特に、新世代アイサイトの全車速追従機能付クルーズコントロールが本領を発揮。土砂降りの雨で視界がほとんどない状況にもかかわらず、前走車を正確に認識し、一定の車間距離を保ちながら走行してくれたのだ。
人間の目があまり頼りにならないような状況でも、フォレスターは安定して車線を維持し、安全に走行し続けてくれる。これなら長距離移動や悪天候時の疲労を大幅に軽減してくれるだろう。撮影などで何かと移動の多いファッション業界人にも、この機能は大いに歓迎されるに違いない。
トレンドに流されない本質的なデザインと、悪天候でもドライバーに安心感を与える圧倒的な性能、そして、都市からアウトドア環境まであらゆるシーンで活躍する高い実用性。そのどれもが、我々のライフスタイルを豊かにしてくれる要素と完全に合致している。
新型フォレスターは単なる移動手段としての車ではなく、乗る者の個性を際立たせ、人生をよりアクティブに楽しむための最高の相棒となるだろう。そりゃあ、感度の高い業界人も虜になるわけだ。












