大規模災害時や通信障害時、契約しているキャリアの通信回線が使えなくなった際、ほかの携帯会社の4G(LTE)ネットワークに一時的に接続できるようにするサービス「JAPANローミング」が4月1日にスタートする。非常時限定で運用するサービスであり、通常時はこれまで通り契約したキャリアのみ通信できる。NTTドコモ、KDDI、沖縄セルラー電話、ソフトバンク、楽天モバイルの5社が共同で提供する。

JAPANローミングは、音声通話やデータ通信、SMSなどが利用できる「フルローミング方式」と、110番や119番などへの発信のみが利用できる「緊急通報のみ方式」の2パターンを用意する。

フルローミング方式は、音声通話(緊急通報を含む)、データ通信、SMSが利用可能だが、データ通信は送受信最大300kbpsに抑える。JAPANローミングが有効になると、自動でほかの通信事業者のネットワークに接続され、携帯電話のピクトが「JPN-ROAM(JpnRoam)」と表示される。

緊急通報のみ方式は、110(警察)、119(消防/救急)、118(海上保安庁)への発信だけが可能で、折り返しの電話は受けられない。データ通信やSMSも利用できない。利用の際は、スマートフォンのネットワークを「手動選択(自動選択をオフ)」に設定し、契約中の事業者以外のネットワーク名を手動で選択する必要がある。

どちらの方式で提供するかは、被災エリアの被害状況や影響人数、通信設備の状況などを踏まえて、5社間で協議して決定する。

JAPANローミングに対応する端末は、2026年春以降に発売される機種から順次拡大していく。それ以前に発売した機種については、別途案内されている対応状況を確認する必要がある。

MVNOユーザーは、フルローミング方式でデータ通信ができないMVNOもあるなど、細かな条件は各MVNOへ確認する必要がある。

各キャリアとも、Starlinkに代表される衛星通信を災害時や障害時の代替手段として用意しているが、JAPANローミングは衛星通信では難しい音声による緊急通報が可能な点で、衛星通信にはないメリットがある。

災害や障害の発生からJAPANローミングの提供開始までには、数時間かかる場合もあるという。状況によっては、まず緊急通報のみを提供し、その後フルローミングを提供するといった運用も検討するとした。

障害が発生していないキャリアがJAPANローミングを提供して他社ユーザーが接続することで、そのキャリアのユーザーに影響が出ることがないよう、JAPANローミングは各キャリアの余力の範囲で提供するという。