カシオ計算機は、カナダ・バンクーバーで3月7日〜3月10日に開催された国際学会「Cognitive Neuroscience Society 2026(CNS2026)」において、東京大学先端科学技術研究センター(東大先端研)との共同研究「BGM、カラオケ、演奏支援機能を有する鍵盤楽器の脳活性化効果」についての発表を行った。この共同研究では、音楽のテンポによって脳の活動や覚醒水準が変化することが確認されたとしている。

  • 実験のようす

    実験の様子

カシオ・東大先端研の両者は、2025年7月に共同研究契約を締結。「音楽のテンポが短期記憶課題の処理速度・正答率に与える影響」「ビート強調などカシオ独自アレンジが生理指標や脳活動におよぼす効果」「電子楽器を活用した認知サポート機能の可能性」の3点を脳科学的に検証することを目的として研究を進めており、同年10月21日から11月6日にかけて、カシオ計算機の羽村技術センターにおいて、被験者30名を対象とした実証実験を行った。

実験では、カシオ計算機の光ナビゲーションキーボード「LK-530」に収録された楽曲を被験者に聴かせながら認知課題を行わせ、脳血流測定用NIRSシステム・心拍センサー・アイトラッカーで測定した。音源としてはBPM150/BPM60のテンポが異なるクラシック曲のほか、メトロノーム音と無音を用いたという。

  • 実験イメージ

    実験イメージ

実験の結果、速いテンポ(BPM150)の楽曲では作業効率が有意に向上し、遅いテンポ(BPM60)の楽曲ではリラックス効果が確認された。また、自己状態の調整に関わる背内側前頭前野(DMPFC)の活動や心拍の変化がテンポに依存して変化することも示された。

カシオ計算機は、この研究で得た知見をもとに、音楽と脳科学を融合した製品・サービスの開発に取り組むとしている。

  • 今回の研究で使用した「LK-530」

    今回の研究で使用した「LK-530」