デル・テクノロジーズは2026年1月28日、東京都内で新製品発表会を開催しました。

米・ロサンゼルスにて開催されたCES 2026で発表され、復活を遂げたプレミアムラインのノートPC「Dell XPS 14」「Dell XPS 16」と、オールインワン(AIO)PC「Dell 24 AIO」「Dell 27 AIO」をお披露目しただけでなく、新製品に搭載されるIntelの新型CPU「Core Ultra シリーズ3」についての説明も行われるなど、盛りだくさんの内容です。

ユーザーからの熱い声に応え復活した「XPS」

発表会ではデル・テクノロジーズの松原大氏(ジャパンコンシューマー&リテールアソートメントプランナー兼コンサルタント)が登壇し、XPSブランド復活までの経緯や新製品について説明が行われました。

  • デルテクノロジーの松原大氏

    デルテクノロジーの松原大氏

デル・テクノロジーズのPCラインナップ・ブランドラインは1年前の2025年1月に刷新され、その際にXPSは「Dell Premium」に改称されています。

これについて松原氏は「昨年、XPSのブランドを廃止したことを国内外、多くのメディアで残念だと書かれてしまった」と刷新したブランドについて振り返りつつ、「世界中のお客様からXPSの新モデルはないのか」「XPSに戻してほしい」といった要望が寄せられたことについて触れ、「XPSが1年で舞い戻りました」と、XPSブランドが世界中で広く認知され、そして愛されていることをアピールしました。

また復活に際してはユーザーから寄せられた声に応えたことを強調しており、今回発表した「Dell XPS 14」「Dell XPS 16」ではキーボードのファンクションキーが物理キーとして復活。さらにフレームレスでパームレストに一体化しているタッチパッドについても、タッチパッド領域がわかるよう境界を示すデザインが追加されています。ブランドだけでなくハードウェアもユーザーの声にしっかり応えて進化しているとのことでした。

  • ファンクションキーが物理キーとして復活、タッチパッドの境界線もわかるようになりました

    ファンクションキーが物理キーとして復活、タッチパッドの境界線もわかるようになりました

もちろんユーザーの声に応えブランドが復活しただけでなく、ハードウェアやサービスの進化についても言及されました。

搭載されるCPUはIntelの最新CPUである「Core Ultra シリーズ3」で、処理能力、消費電力の両方に優れ、WUXGA(1920×1200ピクセル)のディスプレイ搭載モデルでは、新たに採用した高密度バッテリーと相まって、最長27時間の動画再生が可能になっています。プレミアムラインであるXPSとして、削りだしのアルミニウム筐体の採用や、ベゼル幅を極限まで狭くしたInfinity Displayを搭載することで、見た目のプレミアム感にも注力しています。

ボディカラーは既にD公式サイトで受注開始しているグラファイトに加え、3月には新色としてシマーが追加予定であることも発表されました。また、発表会の実施された1月28日からは選べる構成が追加され、さらに2月13日にはCore Ultra 7 325、Core Ultra X9 388Hを搭載したモデルも選べるようになります。

ただし、どの構成であっても好評につき現時点で納期が3か月ほどかかる予定で、日々納期を短縮できるよう取り組みも進めているため、実際の納期については直販サイトで確認してほしいとのことです。

さらにXPSシリーズとして、小型モデルの「Dell XPS 13」の投入も予告がありました。詳細な仕様については伏せられていますが、今回発表されたモデルの完成度からすると、こちらもかなり魅力的なモバイルノートPCとして投入されることは間違いなく、今から期待が膨らむサプライズです。

  • XPSのコンセプトの3本柱。性能やデザインだけでなく、サポートまで含めてのプレミアムモデルという位置づけです

    XPSのコンセプトの3本柱。性能やデザインだけでなく、サポートまで含めてのプレミアムモデルという位置づけです

  • Dell XPS 14とDell XPS 16

    Dell XPS 14とDell XPS 16

  • 新色ルナー(左側)は3月から受注開始予定です

    新色ルナー(左側)は3月から受注開始予定です

  • 最新のCore Ultra シリーズ3が搭載されています

    最新のCore Ultra シリーズ3が搭載されています

そして同時に発表されたのがディスプレイ一体型、いわゆるオールインワン(AIO)PCの「Dell 24 AIO」「Dell 27 AIO」です。こちらもCPUにCore Ultra シリーズ3を搭載し、デル・テクノロジーズ史上初の「Copilot+対応AIO PC」として、2月10日から予約受付開始が予定されています。

ディスプレイのサイズはどちらもフルHD(1920×1080ピクセル)で、タッチ機能の有無を選択することが可能です。さらに27インチディスプレイのDell 27 AIOはCTOでより高解像度のWQHD(2560×1440ピクセル)を選ぶこともできますが、その場合にはタッチ機能は搭載できません。

同社のラインナップとしてAIO PCは過去にも存在していますが、今回のモデルでは「スタンドを取り外し、VESAマウント(100×100サイズ)を利用してモニターアームに取り付ける」ことが可能になっています。また、HDMIによる外部ディスプレイ出力に対応するだけでなく、HDMIの映像入力も備え、Dell 24 AIO・Dell 27 AIOにゲームコンソールや他のPCの映像を表示することも可能になっています。

  • デル史上初のCopilot+対応AIO PCのDell 24 AIOとDell 27 AIO

    デル史上初のCopilot+対応AIO PCのDell 24 AIOとDell 27 AIO

  • 本体スタンドは簡単に取り外すことができ、VESAマウントに対応したモニターアームなどに取り付けることもできます

    本体スタンドは簡単に取り外すことができ、VESAマウントに対応したモニターアームなどに取り付けることもできます

  • 外部接続端子の数は多く、さらにHDMIによる映像入力にも対応しています

    外部接続端子の数は多く、さらにHDMIによる映像入力にも対応しています

この数年の集大成となった「Core Ultra シリーズ3」

続いてDell XPS 14・16、Dell 24・27 AIOにも搭載されるインテル製CPU「Core Ultra シリーズ3」について、インテルの太田仁彦氏(技術・営業統括本部IA技術本部部長)から、最新CPUの特徴についての説明がありました。

Core Ultra シリーズ3について、太田氏は「この数年の技術の集大成」である自信作のCPUであることをアピールしました。最新のIntel 18Aプロセスで製造されるCore Ultra シリーズ3ですが、特徴としては「多様なデザイン」「幅広い価格帯」「多くのユーザー体験」が掲げられました。

多様なデザイン、そして幅広い価格帯とは、1つのCPUサイズの中に「CPU」「GPU」「コントローラー」の選択肢が多数用意され、それを自由に組み合わせCPUをデザインできることを意味するそうです。従来であれば高性能なCPUと低消費電力のCPUでは、パッケージされるサイズが違ったり、ピン数が異なることで、PCメーカーはそれぞれに対応したマザーボードを設計する必要がありましたが、Core Ultra シリーズ3であれば同じマザーボードで対応することができます。

そのためPCメーカーは今までよりも多種多様なラインナップのPCを準備しながら、製造コストを下げたり、消費者目線では購入コストを下げることも可能になっています。

  • インテルの太田氏

    インテルの太田氏

また「多くのユーザー体験」ですが、Core Ultra シリーズ2と比較した場合により低電力でも性能を発揮でき、最大性能では60%近い高速化をしていること、またバッテリー稼働時間を長くすることも可能になっているそうです。

さらに内蔵GPUでも最上位モデルであれば、ディスクリートGPUの「GeForce RTX 4060 Laptop」にも迫る性能を発揮できること、そしてAI性能も向上し、動作するフレームワークやモデルの数、互換性も高めたことで、PCでの作業がより快適になることで、ユーザー体験を向上させられるとのことです。

他社製品と比較した場合でも性能や互換性の優位点は多く、用途が多様化するPCにおいて、理想のパフォーマンスを実現できるCPUとして自信をもってCore Ultra シリーズ3をオススメできるとアピールしていました。

  • ここ数年のインテルの集大成として、性能や電力効率が向上したCore Ultraシリーズ3

    ここ数年のインテルの集大成として、性能や電力効率が向上したCore Ultraシリーズ3

  • CPUのパッケージサイズはそのままに、複数のダイを組み合わせ様々な性能の製品を製造できるのもCore Ultra シリーズ3の強み

    CPUのパッケージサイズはそのままに、複数のダイを組み合わせ様々な性能の製品を製造できるのもCore Ultra シリーズ3の強み

  • 新型の内蔵GPUはディスクリートGPUにも迫る性能を誇るなど、Core Ultra シリーズ3の性能の高さが強くアピールされました

    新型の内蔵GPUはディスクリートGPUにも迫る性能を誇るなど、Core Ultra シリーズ3の性能の高さが強くアピールされました

XPSの復活でブランドラインはどう変わる?

今回、XPSの復活により2025年に刷新、整頓されたラインナップやブランドラインがどう変わっていくのかについても今回の発表の中で説明がありました。

2025年1月発表のブランドラインはスタンダードモデルの「Dell」、高性能モデルやプレミアム製品の「Dell Premium」、ビジネス向けの「Dell Pro」、そしてゲーミングPCの「Alienware」の4つです。

XPSはここに加わるのではなく「Dell Premium」の置き換えとなり、デル・テクノロジーズとしては4つのカテゴリ、ブランドラインで製品展開をしていく方針自体は変わらないとのことです。

また今度消失する予定の「Dell Premium」と、その後継である「XPS」の差別化ですが、Dell Premiumの製品が終息するまでは「ディスクリートGPU搭載のプレミアムモデルがDell Premium、非搭載モデルがXPS」と棲み分けを行い、徐々にプレミアムモデルはXPSブランドに統合される計画になっているとのことです。

XPS復活、Intel Core Ultra(シリーズ3)で押していくデル

僅か1年で復活となった「XPS」ですが、その背景には長く続いたXPSのブランドとしての強さを感じました。ユーザーからは指名でXPSがほしいと言われることも多いそうで、すでに販売が開始されているDell XPS 14、Dell XPS 16に加え、今回予告されたDell XPS 13など、XPSブランドでの新製品は、PC市場で改めて注目を集めるモデルになりそうです。

また同時に発表されたDell 24 AIO、Dell 27 AIOですが、こちらも日本の住宅事情を考えるとPCの設置場所は取り合いになるため、一体型の人気は高いですし、外部ディスプレイとして利用できる機能も含め「ちょうどいいPC」として人気を集めそうです。

  • 左から松原大氏、横塚知子氏、太田仁彦氏

    左から松原大氏、横塚知子氏、太田仁彦氏