GEEKOMが2025年12月に発売したミニPC「A7 MAX」のサンプルを入手できたので、レビューしていきます。同製品はAMD Ryzen 9 7940HSを採用するミニPC製品で、販売構成例では16GBメモリとM.2 NVMe 1TB SSDを搭載し、Windows 11 Proをプリインストールして114,900円とお手頃です。
忙しい方向けにまとめておくと、GEEKOM Aシリーズのちょっとだけ大きめの外装は冷却能力が高くて素敵。削り出しのアルミ外装はしっかりした雰囲気で、前後に大量の端子を備えて周辺機器との接続性も抜群です。
機材協力:GEEKOM
製品名にA7 MAXとあるがRyzen MAX搭載ではない
さっそく製品について見ていきましょう。GEEKOMが展開するAMD Ryzenシリーズ搭載ミニPCは大きく分けて「Aシリーズ」と「A MAXシリーズ」の2ラインが展開されており、今回取り扱う「A7 MAX」は製品名にある通り「A MAXシリーズ」にあたる製品。上位モデルのA9 MAXではAMD現行シリーズの中で最上位ラインナップのRyzen AI 9 HX 370を搭載して仕様・価格面でもフラッグシップモデルといえますが、A7 MAXではRyzen 9 7940HSを採用してコストを抑えつつ仕様面での充実も図られています。
具体的には、Ryzen 9 7940HSはZen 4ベースの8コア16スレッドプロセッサで、最大5.2GHzの動作周波数で高いシングルスレッド性能を実現。内蔵グラフィックスにAMD Radeon 780Mを統合しており、RDNA 3ベースの実行ユニットを12基備えています。詳しくない方向けにざっくり説明するなら、CPUの名前に“HS”と入っているあたりそれなりに性能が高そうだ、くらいの認識で問題ないでしょう。
なお、今回編集部に送られてきたサンプルは販売例の通り16GBメモリを搭載していました。昨今のメモリ需給バランスの崩壊で世知辛い設定になっているようで、致し方ないとはいえやや残念。Radeonの内蔵グラフィックスが2GBを占有してしまうことを考えると、システムで利用できるメモリは14GB前後。これをWindowsやGoogle Chromeと分けて使うことになるので、必要のないタブは適宜消すなどしたほうがよさそうです。
継ぎ目のないアルミボディ。側面にSDカードスロットまで
さっそくパッケージと本体、付属品から見ていきましょう。サンプルは例によって内箱の上にしっかりビニールで気密が確保されており、高温多湿の倉庫保管でも影響を受けることはなさそう。ACケーブル、アダプタに加えてHDMIケーブルも備え、モニターしかない環境でもマウスとキーボードを一緒に持ち込むだけですぐ使うことができます。
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パッケージの様子。特に加飾はなくシンプルな様子
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スーッと開く筆者好みの内箱。本体はフィルムで保護されていました
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HDMIケーブルとVESAマウントへの設置プレートも同梱
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ACアダプタは割とコンパクト。プラグはちゃんと日本のコンセント向け形状でした
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フロントの様子。USB-A端子が4個もありますが、できればUSB-Cも1つは欲しかったところ
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左側面。フルサイズのSDカードを挿入できます
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右側面はケンジントンロックを用意。アルミ外装に絡んで引きちぎりにくく、防犯的にも堅牢です
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背面。上部に排気口を備え、下部にはスペースの限り端子が並びます。HDMI×2、USB-C×2で4画面の同時出力にも対応
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底面は吸気口ではありません。ゴム足がついています
両側面にメッシュの排気口がありますが、いわゆるMac miniに似たデザインです。外装のアルミボディは機械削り出しで、天面の継ぎ目がないユニボディなのでなかなか上質。端子は十分すぎるほどついていますが、個人的にはフロントにUSB-C端子があれば昨今流行りの小さいオーディオ用DACなども手軽に使えてより便利かなと思いました。
余力のある冷却機構で静音動作。Ryzen 9 7940HSの性能を引き出せる
最後に各種ツールで性能について見てみましょう。開封してすぐWindows Updateを適用したWindows 11 25H2で、内蔵グラフィックスには「Radeon Software 25.10.30.02」がプリインストールされていました。なぜかPCMark 10のゲーミングスコアを計測するプロセスがうまく動作せず、「25.11.1」を別途導入しても変わらず。3Dゲーミング性能は『FF14ベンチマーク』をご確認ください。
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PCMark 10
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FF14ベンチマーク
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Geekbench 6
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CrystalDiskMark
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Speedometer 3.1
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PCMarkやFF14程度のベンチマークではサーマルスロットリングの影響を受けませんでした
性能は順当にミドルハイエンドクラスのモバイル向けプロセッサという感じで、一般的な動作において遅さを感じることはまずないでしょう。グラフィックス性能的にはあえて「ゲーム向きだ」と表現するほどのものではありませんが、マルチディスプレイやスケーリング環境でももたつかず、Windowsの重たいデスクトップウィンドウマネージャーを滑らかに動作させる十分なパワーがあるといえます。
なにより、持続的に高負荷になるテスト中でも静かに動作していたことが本当に好印象。ちょっとのブラウザ操作でジェット機のように熱風を噴き出してみたり、動画を眺めているだけでそれなりの騒音でファンが回る不快感は全くなく、プロセッサの動作に十分余裕がある仕様のクーラーであることがわかりました。Arrow Lakeシリーズのようなピーキーなプロセッサを搭載する製品にこそ組み合わせて欲しいと思いました。


