デジタルノートアプリ「Goodnotes」を展開するGoodnotesは、9月23日(英国時間)に「Goodnotes」最新バージョンの新機能を紹介するイベントを都内で開催。創業者兼CEOのSteven Chan氏が初来日し、日本市場における事業戦略も語りました。

  • 左から順にGoodnotes Limited  AI Product Lead Xiu Ting Foong氏、Founder & CEO Steven Chan氏、Chief Operating Officer, Minh Tran氏

    左から順にGoodnotes Limited AI Product Lead Xiu Ting Foong氏、Founder & CEO Steven Chan氏、Chief Operating Officer, Minh Tran氏

関連記事:手書きノートアプリの定番「Goodnotes」に無限キャンバスとテキストエディタ機能!

Goodnotes注目の新機能、無限キャンバスとAIでノート体験が進化

「Goodnotes」は多彩な手書き機能を備えたデジタルノートアプリ。iOS向けアプリが中心ですが、Android版およびWindows版、Mac版が提供されています。

最新版となる「Goodnotes」(v7.0)はGoodnotes 6からの大型更新。大きな新機能として、いわゆる“無限キャンバス”として使える「ホワイトボード」、滑らかなタイピング入力ができる「テキストドキュメント」という2つの新機能が正式提供されました。

ホワイトボードは無限に続くキャンバス上で自由にアイデアを書き出せる機能。ユーザーから最も要望が多かった機能といい、共同編集にも対応するため、アイデア整理やデザインスケッチのほか、ブレインストーミングにも役立てます。

  • ホワイトボード機能の概要

    ホワイトボード機能の概要

またテキストドキュメント機能は手書きのような操作感を保ちながら、ブロックベースのエディタが使える機能で、画像やグラフの統合などが可能。レポートや議事録といった図表が必要な書類を効果的に作成できます。

AI機能も強化され、統合型AIツール「Goodnotes AI」を使い音声記録から会議要点を抽出して議事録を自動生成したり、付箋やメモを解析して重要テーマの抽出・優先順位付け・行動計画を作成したりするなど、ユーザーの思考に沿った書類作成を支援する機能が利用できます。

Goodnotes AIの中には、学生向けに手書きの数式を解く支援をする「数学用Goodnotes AI」や、会議メモの録音や文字起こしを行う「会議用Goodnotes AI」といったツールが含まれます。このほか手書き用のツールバーも新デザインとなりました。

  • Goodnotes AIの概要

    Goodnotes AIの概要

  • 最大50人が同時に編集できる共同作業機能も搭載

    最大50人が同時に編集できる共同作業機能も搭載

料金体系も刷新され、個人向けのサブスクリプションプランは「無料」「ベーシック」「プロ」「特別版」の4つが提供されます。このうち、プロと特別版はAppleデバイスのみ対応。また、すべてのAI機能が利用できる「AIパス」は有料プランユーザーがアドオンのオプションとして利用できます。

  • 無料:最大3ファイルまで作成可能(5MB×3)
  • ベーシック:年間1,600円/無制限のファイル保存、無制限の音声録音と文字起こし、限定のGoodnotes Ai機能など
  • プロ:年間4,880円/ベーシックに含まれる機能全て、GoogleカレンダーとGoogleドライブに対応、共同編集機能、Goodnotes全機能など
  • 特別版:一括支払い 4,880円/無制限のファイル保存、無制限の音声録音と文字起こし、特別版テンプレートなど
  • 個人利用向けの新料金プラン概要

    個人利用向けの新料金プラン概要

「日本は重要な市場」ビジネス分野の需要拡大に期待

説明会に登壇した創業者兼CEOのSteven Chan氏は、日本語が2011年の「Goodnotes」リリース初期にローカライズ化した言語の1つだとし、「Goodnotes」の新機能は「個人の学びだけでなく、ビジネスの創造性向上にも寄与する」と強調。日本は世界の中でも「Goodnotes」ユーザー数が多い重要な市場であり、特に法人市場における活用が広がっていると話しました。

現在Goodnotesのアクティブユーザーは世界で2,500万以上。今回“手書きのコア機能を強化し新しい可能性を切り開く”と紹介された新機能のなかで、日本の一般ユーザーからはホワイトボード、日本の法人ユーザーからはGoogleのクラウド機能などビジネスツールとの統合に強い要望が寄せられていたといいます。

またChief Operating OfficerのMinh Tran氏は、Goodnotesにおける法人市場のなかで日本は第2位の重要市場だと紹介しました。特に建築業界、土木業界での利用率が高く、建設・建設・不動産業界向け展示会「JAPAN BUILD」へ2024年に続き今年(2025年)の出展も発表。今後法人市場での存在感を強化していくとともに、教育業界での活用や業務のDX化、ファンコミュニティによる認知拡大といった取り組みにも意欲をみせていました。

  • 今回初来日したGoodnotes Limited  Founder & CEO, Steven Chan氏

    今回初来日したGoodnotes Limited Founder & CEO, Steven Chan氏

  • AI Product Lead, Xiu Ting Foong氏。Goodnotes AIの新機能を紹介した

    AI Product Lead, Xiu Ting Foong氏。Goodnotes AIの新機能を紹介した

  • Goodnotes Limited  Chief Operating Officer, Minh Tran氏。日本市場における戦略を説明

    Goodnotes Limited Chief Operating Officer, Minh Tran氏。日本市場における戦略を説明

  • 日本市場における今後の成長戦略

    日本市場における今後の成長戦略

  • ゲスト登壇したLINEヤフー UGC SBU プロダクトマネージャー(PdM)の遠山怜欧氏

    ゲスト登壇したLINEヤフー UGC SBU プロダクトマネージャー(PdM)の遠山怜欧氏

  • 遠山氏は“手書き”がもたらすメリットの1つに、「頭の中にある抽象的な企画を、どう具体的に落とし込むか」を描きながら視覚的に整理できることを挙げた

    遠山氏は“手書き”がもたらすメリットの1つに、「頭の中にある抽象的な企画を、どう具体的に落とし込むか」を描きながら視覚的に整理できることを挙げた

  • 同じくゲスト登壇した日建設計 企画開発部門 コモンズグループ兼イノベーションセンター PYNTアソシエイトの祖父江一宏氏

    同じくゲスト登壇した日建設計 企画開発部門 コモンズグループ兼イノベーションセンター PYNTアソシエイトの祖父江一宏氏

  • 一級建築士であり公共の建造物のデザインなども手掛ける祖父江氏は、Goodnotesを他者と共有しイメージを伝え合う“共創”に役立つとした

    一級建築士であり公共の建造物のデザインなども手掛ける祖父江氏は、Goodnotesを他者と共有しイメージを伝え合う“共創”に役立つとした