PLAUD株式会社(以下、PLAUD)は10月9日、AIボイスレコーダー「Plaud」シリーズの最新モデル「Plaud Note Pro」を発表した。10月14日に国内発売する。価格は30,800円。カラーはブラック、シルバーの2色。
重要箇所をワンタッチで記録、集音範囲と精度も向上
「Plaud Note Pro」はカード型のAIボイスレコーダー。2025年8月末にグローバル発表され、同年9月にドイツ・ベルリンで開催されたエレクトロニクスショー「IFA」でも展示された。
Plaudシリーズとしてはこれまでに同じカード型の「Plaud Note」や、気軽に持ち運べる小型タイプ「Plaud NotePin」が販売されている。新製品のPlaud Note Proはシリーズ最上位にあたる高機能モデルだ。
Plaud Note Proの形状はPlaud Noteのカード型を踏襲しているが、表面に波状テクスチャ加工を施した新デザインを採用。上部には電源ボタンと0.95インチのAMOLEDディスプレイを備え、バッテリー残量や録音状況などを表示できる。
Plaud Note Proでは新たに、ワンタッチで重要箇所を記録する「ハイライト記録機能」と、4基の高性能小型マイクを搭載した。
ハイライト記録は、録音中「ここが重要」という瞬間にボタンを短く押すことで、過去30秒に遡って音声データをハイライトとして記録できる機能。文字起こし時にすぐ該当箇所へジャンプすることが可能だ。
また、従来2基だったマイクを4基に増設したことで最適収音範囲が最大5mに拡大した。録音モードも最適集音範囲が5mの「音声強化モード」と、最適集音範囲が3mの「長時間駆動モード」の2種類を用意し、長時間駆動モードでは最大50時間の録音に対応する(音声強化モードは最大30時間駆動)。
このほか、対面会話と電話通話を自動判別して適切な録音モードに切り替える機能も搭載した。同梱したMagSafe対応ケースを使いスマートフォン背面に接着させて電話録音する場合は、本体に内蔵した振動接触センサー(VCS)により、通話時の音声振動を直接キャッチして録音できる。
「役割ごとの要約」を1つの文字起こしから確認可能に
スマートフォン向けアプリ「Plaud App」も大きく進化。新たに、録音中にプレゼンテーションのスライドやホワイトボードの写真といった画像や、手入力したテキストメモを、録音の時系列に沿って記録できるマルチモーダル記録が可能となった。
撮影した画像や記録したテキストメモは、文字起こし時に生成される要約にも反映される。PLAUD Sales Directorの鈴木直幸氏は文字起こしや要約作成に使う同社の「Plaud Intelligence」が、音声データに加え画像やメモを補助的に取り込むことで、より高精度な要約の生成が可能になったと説明した。なおPlaud IntelligenceにはGPT-5、Claude Sonnet 4、Gemini 2.5 ProといったAIモデルが基盤として使われている。
文字起こしや要約の新機能では、1つの録音データからさまざまな要約を同時に確認できる「多次元要約」ができるようになった。
例えば経営層には決定事項のみ、実務担当には詳細な要約など、従来のテンプレートに沿った要約に加え、ハイライト発言を中心とした「ハイライト」や「重要な洞察」、「戦略的進化」といった項目別に、同じ録音データから参加者の役割に応じて異なる形式の要約を生成、確認できるようになっている。
記録データの内容をAIに尋ねられる有料ユーザー向け機能「Ask AI」は、新たに「Ask Plaud」へと名称を変えた。質問に対して録音データを基にした根拠と共に回答を表示する機能、より深い理解へつながる質問を提案する機能、回答をノートとして保存できる機能、複数の記録から関連項目を見つけより正確に回答する機能などを搭載している。
これら新機能を適用した新アプリ「Plaud App 3.0」は10月9日から順次アップデートが提供される。既存の製品でも新アプリおよびPlaud Intelligenceの新機能は利用可能(ハイライトを記録するボタンがない既存デバイス向けに、アプリ側にも専用ボタンが用意される)。ブラウザ版の「Plaud Web」でも同様の機能アップデートを予定しているが、アプリ版よりは遅れて展開されるとのことだ。


















