スウェーデンのストックホルムを拠点とするデザイン・エンジニアリング集団Teenage Engineeringは8月13日、小型フォームファクタのPCケース「computer-2」を発表した。販売価格は0円(無料)、「世界で最も安いPCケースを作る」という目標を実現した。
computer-2は発表と同時に配布が開始され、1人1台までに制限されたが、初回分は即座に在庫切れとなった。現在computer-2のストアページで再入荷通知の登録を受け付けている。ただし、今後の入荷の予定については明らかにされていない。
computer-2はmini-ITX規格に対応するスモールフォームファクタのPCケースで、SFX電源ユニットおよび最大長180mmのデュアルスロットグラフィックカードを搭載可能である。最大の特徴は、その素材と構造にある。ケースは1枚の半透明ポリプロピレン(PP)プラスチックシートから作られており、あらかじめ成形された折り線とスナップフックを用いて、ペーパークラフトのように折り曲げて組み立てる。
通常のPCケースよりも少ないネジで組み立て可能。マザーボードは、ネジや専用ブラケットを使わず、所定の位置に押し込むだけで固定できる。低コスト化の限界に挑み、その結果、「価格0円にまで引き下げることに成功した」と述べている。シンプルな設計ながら必要十分な構成に対応し、持ち運びやメンテナンスも容易だという。
Teenage EngineeringがPCケースを手がけるのは今回が初めてではない。同社は2021年にアルミ製PCケース「computer-1」を発売した。ユーザーが自ら組み立てるDIY方式のケースで、ミニマルな設計、同社らしい個性的なデザインが話題になった。
今回のcomputer-2は、そのコンセプトを踏襲しつつ、「コストを極限まで下げる」を目標に、素材をPPに置き換え、構造もさらに簡略化した。これはTeenage Engineeringの年間テーマ「25 the flipped out year」の一環として企画されたものである。「25 the flipped out year」は、「消費者との新たな関係性構築」を意図した社会実験的なプロジェクトである。第1弾として、6月にコンパクトシンセの名機「OP‑1 Field」を購入者が決めた価格で販売。割引ではなく、「顧客が“表現”する」仕組みとして注目された。


