英Nothing Technologyは7月1日、新型スマートフォン「Phone (3)」を正式発表した。前モデル「Phone (2)」から約2年ぶりの刷新であり、同社が「初の真のフラッグシップモデル」と位置づける意欲作である。価格は、ストレージ256GBモデルが799US ドル、512GBモデルが899USドルとなっており、Galaxy S25、iPhone 16、Pixel 9などと競合する価格帯に設定されている。カラーはホワイトとブラックの2色。

Nothing Phoneの代名詞ともいえる背面の半透明な筐体とLEDライトを活用した「Glyph」インターフェイス。一部では「ギミック」と評されることもあったが、カール・ペイCEOは「単なるギミックではない」と断言し、ユーザーがスマホを伏せて置いたままでも重要な情報を受け取れるよう設計されていることを強調している。

Phone (3)は「Glyph Matrix」という新たなGlyphインターフェイスを備える。これは489ピクセルのミニLEDディスプレイを背面右上に搭載し、通知の視覚的表現に加え、簡易的な情報表示やアニメーション、ミニアプリ(Glyph Toys)の表示も可能となった。

ミニアプリ「Glyph Toys」では、「スピン・ザ・ボトル」や「じゃんけん」といったゲームのほか、カメラのセルフタイマーのカウントダウンやストップウォッチなど実用的な機能も利用可能。背面に配置されたGlyph Matrix用のボタンで簡単な操作を行える。Glyph SDK(ソフトウェア開発キット)もコミュニティ向けにリリースし、Glyph Matrix用のプログラムを開発できる環境も提供される予定である。

Phone (3)では、AIを活用した機能も強化された。ひとつは「Essential Space」。録音やスクリーンショットを自動で保存・整理し、音声の録音・文字起こし・要約までを行なってくれる。もうひとつは「Essential Search」。連絡先、メッセージ、ファイル、設定など、スマートフォン内のあらゆる情報をキーワードで検索できるユニバーサル検索であり、自然言語による質問にもAIチャットボットが回答する。

チップセットには「Snapdragon 8S Gen 4」を採用。ディスプレイは6.67インチ(1260 x 2800、460 PPI)のAMOLED(有機EL)スクリーンを搭載する。

カメラシステムは、背面に50MPのトリプルカメラを搭載。広角、超広角、3倍光学ズーム対応のペリスコープ望遠という構成。前面カメラも50MPに強化された。

バッテリーは5,150mAhと大容量であり、65Wの有線充電と15Wのワイヤレス充電に対応する。また、Nothingのスマートフォンとしては初となるIP68等級の防塵・耐水性能を備えている。

  • ディスプレイ:6.67インチ(1260 x 2800、460 PPI)、Flexible AMOLED
  • 本体サイズ:160.60x75.59x8.99mm、218 g
  • SoC:Snapdragon 8S Gen 4
  • カメラ:メイン(50MP、F/1.68、OIS & EIS)、ペリスコープ望遠(50MP、光学3倍、OIS & EIS、f/2.68)、超広角(50MP、F/2.2、114°FOV)、前面カメラ(50MP、f/2.2、81.2°FOV)
  • ワイヤレス:Bluetooth 6.0、Wi-Fi 7
  • バッテリー:Si/C Li-Ion 5,150mAh
  • OS: Nothing OS 3.5(Android 15ベース)、年内にはAndroid 16ベースのNothing OS 4.0へのアップデートを予定。5年間のOSアップデート、7年間のセキュリティサポートを保証。