2025年2月に発売された「iPhone 16e」は、価格設定のわりに高機能で人気を集めています。スタンダード版「iPhone 16」と比較してGPUコアが1つ少ないものの、ディスプレイは同じ6.1インチでApple Intelligenceにも対応しています。

しかし、カメラに関しては心構えが必要です。iPhone 16は、4,800万画素広角カメラ(48MP Fusion)と1,200万画素超広角カメラのデュアル構成ですが、iPhone 16eは48MP Fusionが1基のシングルカメラ構成となります。物理的なカメラの数が少ないことによる機能差、使い勝手の差は避けようがありません。

48MP Fusionカメラについても、画角26mmで絞り値f/1.6という主要スペックは同じですが、iPhone 16の「センサーシフト光学手ぶれ補正」がiPhone 16eでは「光学手ぶれ補正」に、「100% Focus Pixels」が「Hybrid Focus Pixel」と表現が異なります。iPhone 16シリーズで登場した「カメラコントロールボタン」も、iPhone 16eにはありません。

実際に撮影すると気付くのが、マクロ撮影モードの有無です。iPhone 16の超広角カメラにはオートフォーカス機能があり、被写体の至近距離で構えるとマクロモードに切り替わりますが、iPhone 16eにはありません。超広角カメラを装備しないことにより、広い範囲を1枚の写真に収めることがiPhone 16より難しくなっています。

ポートレートモードの挙動も異なります。iPhone 16eでも背景がボケた味わい深い写真を撮影できるものの、被写体が人物のときにしか機能しません。

とはいえ、48MP Fusionカメラは1つのカメラで広角と望遠の両方に対応する「2-in-1カメラ」で、広角撮影も2倍の光学ズーム撮影も可能な器用さを備えています。スナップショットやSNSで使う写真であれば、納得のクオリティで撮影できるはずですよ。

  • iPhone 16eはシングルカメラ