iPhoneを充電するときの残り時間は、わかりそうでわからない、測れそうで測れないもの。現在何%充電できているかは表示されるものの、残量10%から50%まで充電するには何分かかるのか、50%から20%増えるまで何分かかるのかは、iOS 18.4の時点で知る術はありません。
しかも、iPhoneの充電制御は複雑です。スマートフォンなどデジタルガジェットに搭載されるリチウムイオンバッテリーの充電は、初めは一定の電流で充電を行い、電圧が指定値に到達したら一定の電圧に制御を切り替えて充電を続ける「CCCV方式」(Constant Current Constant Voltage、定電流・定電圧充電方式)を基本とするため、ざっくりいえば「80%あたりまでは一定で以降はゆっくり」となりますが、iPhoneにはバッテリーを長もちさせる仕組みが盛り込まれているのです。
USB PDの高速充電に対応したモデルでいうと、0%からしばらくの間は電流×電圧を既定値いっぱい(仮に20Wとすれば18、19W程度)にして充電を急ぎ、そこから電流量を徐々に減らし、電圧を5Vほどに下げたところで電流量を増やし、フル充電に近づくにつれ電流量を減らしていく、という流れになります。
さらに、リチウムイオンバッテリーは充放電を繰り返すにつれ劣化が進むため、300から500回ほどで最初の容量の80%程度まで最大容量(フル充電時の電力)が減ります。前述した電流/電圧の変化にくわえて正確な最大容量を把握しないかぎり、充電完了までの具体的な残り時間を予測することは難しいでしょう。
しかし、次期システムのiOS 26ではこの部分にメスが入ります。ロック画面などにフル充電までの残り時間を表示できるようになるほか、低速な(低出力な)充電器を使用している場合は教えてくれる機能まで用意されます。秋のシステムアップデートに期待しましょう。