iPhone 15シリーズ以降、iPhoneの外部インターフェイスは「USB-C(USB Type-C)」に変更されました。付属のケーブルもUSB-Cケーブルに変更され、なんの疑問を持たずに使用しているユーザがほとんどではないでしょうか。

付属のUSB-Cケーブルを使ってはいけないのかとのご質問ですが、決してそんなことはありません。日々の充電に、パソコンとの接続に活用して構いませんし、品質もしっかりしています。しかし、iPhone本来の性能を発揮できるかどうかとなると話が変わってきます。

2025年6月現在、USB-C採用のiPhoneに付属のケーブルは高速データ転送用の配線がない「USB 2.0」規格に準拠したものです。データ転送速度はUSB 2.0ベースとなるため最大480Mbps、データ転送能力がUSB 2.0ベースのiPhone 15/15 PlusとiPhone 16/16 Plus/16eの場合はそれで問題ありません。

しかし、iPhone 15 Pro/15 Pro MaxとiPhone 16 Pro/16 Pro Maxのデータ転送能力は、USB 3.2Gen規格に準拠しています。USB 3.2Genは最大転送速度10Gbpsですから、USB 2.0ベースのデータ転送しか対応しない付属のUSB-Cケーブルでは本来の性能を発揮できないことになります。

映像出力の問題もあります。iPhone 16eを除くUSB-C採用の全モデルは、USB-Cケーブル1本で映像を外部ディスプレイへ出力できる「DP(Display Port) Alt Mode」に対応していますが、USB 2.0準拠のケーブルではこの機能を利用できません。

USB-Cケーブルを買い増しする予定があるのなら、「USB 3.x対応」が明記されたケーブルを選んでみては?

  • USB-C採用のiPhoneに付属のケーブルでは、本来の能力を発揮できません

初出時、USB-C採用のiPhone全モデルは「DP(Display Port) Alt Mode」に対応していると記述しておりましたが、iPhone 16eは非対応でした。修正して記事を再掲載しております。