米Microsoftは5月6日(現地時間)、同社のCopilot+ PCのラインナップを拡充する新型ノートPC、「Surface Laptop 13インチ」と「Surface Pro 12インチ」を発表した。

両製品は、Qualcommのチップセット「Snapdragon X Plus」を搭載し、薄型軽量とAI機能強化を両立させながら手頃な価格を実現。Surfaceデバイスの主力であるSurface LaptopとSurface Proに新たな選択肢を提供し、AIを活用した次世代PC体験の普及を促す戦略的な製品といえる。

「Surface Laptop 13インチ」は、シリーズ史上最も薄くて最軽量のSurface Laptopである。近いカテゴリで買い替え対象の時期を迎える「Surface Laptop 5」(2022年10月発売)と比較して、最大50%の高速化を実現。また、バッテリー駆動時間が最も長いSurfaceであり、最大23時間のビデオ再生、最大16時間のWebブラウジングが可能。外出先でも安心して作業に集中できる。

筐体はアルマイト処理を施したアルミニウム製で、カラーはオーシャン、バイオレット、プラチナの3色展開。ディスプレイは13インチのフルHDタッチスクリーンで、狭額縁設計により没入感を高めている。AI機能を統合したカメラは、自動HDR調整やノイズリダクションに対応し、オンライン会議においてもクリアな映像と音声を提供する。

キーボードは静音性と快適な打鍵感を兼ね備え、電源ボタンに指紋認証リーダーを搭載する。AIアシスタント「Copilot」をワンタッチで起動できる専用キーも備える。価格は899.99ドルから。

主な仕様:

  • ディスプレイ:13インチ PixelSense(1920×1280、178ppi)
  • チップセット:Snapdragon X Plus(8コア)
  • メモリ:16GB
  • ストレージ:256、512GB
  • ポート類:USB-C×2、USB-A×1、3.5mmイヤホンジャック
  • ワイヤレス:Wi-Fi 7、Bluetooth Core 5.4
  • カメラ:Surface Studioカメラ(フルHD)
  • サイズ:285.65x214.14x15.6mm、1.22kg

一方、2-in-1デバイスの「Surface Pro 12インチ」は、厚さ7.8mm、重量約686g(キーボード、ペンを除く)と、13インチSurface Pro(厚さ9.3mm、重量895g)と比べて大幅に薄型軽量化されており、タブレットスタイルでより快適に使用できる。ディスプレイはPixelSense LCDを採用、解像度は2196×1464ピクセルである。

Snapdragon X Plus(8コア)を搭載し、日常的な作業に十分なパフォーマンスと、最大16時間の動画再生または最大12時間のWebブラウジングが可能なバッテリー駆動時間を備える。カラーバリエーションはオーシャン、バイオレット、プラチナの3色で、価格は799.99ドルから。

別売りの「Surface Pro 12-inch Keyboard」はマグネットで簡単に装着でき、安定したタイピングが可能。完全にフラットに折りたためるので、スケッチや手書き入力時に邪魔になることもない。また、「Surface スリムペン 2」はタブレット背面にマグネットで装着し、ワイヤレス充電が可能だ。

主な仕様:

  • ディスプレイ:12インチ PixelSense(2196×1464、220ppi)
  • チップセット:Snapdragon X Plus(8コア)
  • メモリ:16GB
  • ストレージ:256、512GB
  • ポート類:USB-C×2、Surface Keyboard connector
  • ワイヤレス:Wi-Fi 7、Bluetooth Core 5.4
  • カメラ:Surface Studioカメラ(フルHD)
  • サイズ:274x190x7.8mm、686g(本体のみ)

なぜ「手頃価格」なのか?

両モデルは手頃な価格で、いずれもWindows 11「Copilot+ PC」であり、「Windows Studio Effects」(背景ぼかしや視線調整など)や、「Cocreator」(手描きとプロンプトによる画像生成)など、AI機能を活用した数多くのCopilot+ PC体験をすぐに利用できる。さらに今後、「設定」のエージェント機能や、写真にプロフェッショナルなライティング補正を加える「Photos Relight」など、新機能も順次追加予定である。将来的な価値も確保されている。

今回の2機種は、Surface Pro 13インチ(第11世代)やSurface Laptop 13.8インチ(第7世代)と比べ、スペックをやや抑えることでコストダウンを図っている。例えば、チップセットは同じSnapdragon X PlusでもCPUコア数が10から8に削減されており、ディスプレイの解像度やリフレッシュレートも控えめとなっている。また、Surface connectポートがなく、USB-C経由での充電に統一されている。

上位機種に比べて、モバイル性とコストパフォーマンスに優れた構成となっており、AI機能を手頃な価格で体験できる新たな選択肢となる。2025年10月14日のWindows 10のサポート終了が迫っており、廉価〜普及帯のCopilot+ PCはWindows 11への移行を後押しする存在として、個人・法人ユーザー双方にとって現実的なアップグレードパスとなり得る。

一般向けモデルは、米国など一部市場で5月20日より発売され、法人向けモデルは7月22日に発売予定である。日本では6月より出荷開始予定で、価格は未定となっている。