米Appleは4月30日(現地時間)、同社2025年度第2四半期(2025年1〜3月)の決算を発表した。iPhone、iPad、Macの成長により、売上高・利益ともアナリストの予想平均を上回ったが、トランプ関税の影響を受けないサービスが予想にわずかに届かず、時間外取引においてApple株は下落した。関税対策に関して、4〜6月期に米国で販売する製品の大部分をインドおよびベトナムでの生産に切り替えることを明らかにした。

1〜3月期の売上高は953億5900万ドル(前年同期比5%増)、純利益は247億7800万ドル(同5%増)であった 。希薄化後の1株当たり利益(EPS)は1.65ドル。売上総利益率は47.1%。市場予想の平均は、売上高946億6000万ドル、EPS 1.63ドル、売上総利益率47.1%となっていた。

同四半期にAppleは、2月に「iPhone 16e」、3月にM3搭載「iPad Air」、M4搭載「MacBook Air」、M4 Max / M3 Ultra搭載「Mac Studio」を発売した。

以下は製品カテゴリー別の売上高(増減は前年同期比)。

  • iPhone:売上高468億4100万ドル(2%増:売上高全体の49%)
  • Mac:売上高79億4900万ドル(7%増:売上高全体の8%)
  • iPad:売上高64億200万ドル(15%増:売上高全体の7%)
  • ウェアラブル/Home/アクセサリ:売上高75億2200万ドル(5%減:売上高全体の8%)
  • サービス:売上高266億4500万ドル(12%増:売上高全体の28%)

iPhone、iPad、Macの売上高は市場予想を上回り、アクティブインストールベースがそれぞれ過去最高を記録した。ウェアラブル/Home/アクセサリは前年同期比で減少したが、これは前年同期のApple Vision Pro発売との比較による影響が大きいと説明されている 。

サービスは、為替による2%ポイント以上の逆風にもかかわらず、前年同期比12%増となり、過去最高を記録した。アナリストの予想(267億ドル)にわずかに及ばなかったものの、Appleは同部門の好調さを強調している。

関税の影響について、1〜3月期は限定的であったとしている。4〜6月期については、現在の関税率や政策が変わらないと仮定した場合、9億ドルのコスト増が見込まれると述べた。同四半期には、米国で販売されるiPhoneの大部分がインド製に、iPad、Mac、Apple Watch、AirPodsのほぼすべてがベトナム製となる見込みである。米国外で販売される製品の大部分は引き続き中国で生産される。

Appleはサプライチェーンのリスクを認識しており、単一拠点への依存リスクを軽減するため、供給源の多様化を進めていくという。