鳥取県を走る若桜(わかさ)鉄道で、3月14日から5月31日まで「トレインスタンプコレクション」というイベントが開催されている。カシオ計算機の提供する無料のスマホアプリ「MEGURUWAY~メグルウェイ~」を使って参加できるデジタルスタンプラリーで、ここでしか手に入らない数々の豪華賞品が用意されている。カシオ計算機に取材の機会をいただいたので、地方のローカル鉄道が好きな筆者もさっそく参加してきた。
若桜鉄道をめぐる旅
若桜鉄道は、郡家(こおげ)駅から若桜駅までを結ぶ全長19.2kmの第3セクター鉄道。沿線には“日本の原風景”とも言える、昔懐かしい里山の景観が広がっている。
そんな若桜鉄道では現在、「トレインスタンプコレクション」が開催している。このイベントの参加方法は簡単で、手持ちのスマートフォンに「MEGURUWAY」アプリをインストールしたら、あとは各スポットでクイズに答えてスタンプを集めていけばよい。大半のスポットは駅に設置されており、乗車したままでクイズに参加できる。
スタンプには3段階(ノーマル/レア/スーパーレア)のレア度が設定されており、同じレア度のスタンプが横一列に揃うと商品がもらえる。実際に試してみたが、なるほど出題されるクイズの難易度はやや高め。だが、ヒントを見れば誰でも正答できる親切設計になっている。もっとも、クイズに間違えてもすぐに再回答できるため、深く悩む必要もない。これなら家族旅行中の子どもも楽しめる。
ところで、筆者が現地を訪れたのは3月中旬。もう春だというのにこの日は寒気の影響で冷え込みが厳しく、まさに「春は名のみの風の寒さや」といったところ。雨はやがて雪に変わった。
曇る窓ガラスを手で拭い、しばし車窓に広がる景色を眺める。白い霧は山の裾野まで立ち込めている。水かさの増した八東川を渡った。レールの継ぎ目でカタン、カタン、と揺れる車内。乗客はみな静かで、ただディーゼル車のモーター音だけが低く唸っている。田園風景の中、どこまでも真っ直ぐに続く線路をひた走る昭和号……なんて旅愁にひたっていると、駅で「とうちゃく!」ボタンを押しそびれるので、スタンプラリー中はご注意を(駅を通り過ぎるとクイズには回答できなくなる)。
途中、隼(はやぶさ)駅で下車した。この駅はスズキの大型二輪車ハヤブサと名前が一緒ということで、平成20年頃から、バイク愛好家の聖地として全国的にも知られるようになったそう。
隼駅から徒歩5分の丘の上には八頭町立隼小学校があった。小学校としてはすでに2017年3月に閉校しているが、現在はコミュニティ複合施設の隼Lab.(はやぶさラボ)として活用されている。実は、ここにも「MEGURUWAY」スタンプの立ち寄りスポットが設置されている。
終点の若狭駅に到着したのは昼過ぎのこと。この時点で、筆者は嬉しいことにノーマルのスタンプが横一列に揃っていたので、まずは「ノーマル賞」をもらいに駅舎内の窓口を訪れた。受付の女性の話では、ここは普段「わかさカフェretro」として営業しているらしい。メニューを見れば、コーヒー/紅茶、カフェオレ/retroハンバーガーのほか、ビールやハイボールまで揃っていた。昼から呑みたい気持ちに襲われるが、ここはグッと我慢する。
そして小雪の舞う中、趣のある町を歩いた。
地元の人気店で、県外からも食べに来る人がいるという「とんかつ新」で昼食をとった。頼んだのは、看板メニューのロースかつ定食。若桜町吉川で育った豚のロース肉を使用した一品で、低温で揚げた肉は食感がとても柔らかい。そして中から肉汁が溢れ出す。白飯をかきこみ、豚汁で身体も温まった。まさに至福のひととき。
若桜駅に戻ると、次の列車までまだ時間があるということで、駅に保存されている蒸気機関車C12 167、給水塔、転車台、ディーゼル機関車(DD16形)などを間近で見学させてもらうことに。ちなみに4月~11月には、SLやDLの運転体験、SLトロッコの乗車体験も実施している。「トレインスタンプコレクション」と共に楽しむのも良いだろう。
スタンプラリーは、期間中であれば何度でもチャレンジできる。そこで若桜駅から郡家駅まで戻る際に再び挑戦してみた。しかし今度は、スタンプを揃えることはできず、残念。ともあれ、若桜鉄道×スタンプラリーを思う存分に満喫した1日となった。
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若狭駅で待っていたのは八頭号
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同行者は、帰りの車内で「レア賞」のスタンプが揃った。こんな風に、仲間でワイワイと盛り上がるのも楽しみ方のひとつだろう
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スタンプラリーの概要。若桜鉄道オリジナルデザインの「G-SHOCK」のほか、鉄道コレクション・レール・犬クギ文鎮セットなどがもらえる(賞品はなくなり次第終了する)
新しい隼号がお披露目!!
なお3月16日には、スズキのバイク「ハヤブサ」が車体にデザインされた「隼ラッピング列車」(4代目)が初お披露目となった。隼駅で開催された式典には鳥取県知事の平井伸治氏、スズキ二輪の濱本英信社長など数多くの来賓が出席し、地元鳥取県八頭町と縁の深い石破茂首相も祝電を寄せている。
挨拶のなかで、正岡子規の「隼に日本海の朝日かな」という俳句を引用した平井知事。「ライダーの皆さんと共に、私たちも全力でサポートしてまいります。ライダーたちこそ、私たちの未来だ!」とユニークに結んで笑いを誘っていた。
式典後には、パレードも実施。パトカーの先導に続いて、ハヤブサに跨ったライダーたちが隼ラッピング列車と並走した。