ロボット掃除機は中国メーカー勢のシェアが急速に高まっています。その背景にあるのは、どん欲ともいえるイノベーション。これまでにない新しい装備や機能を積極的に取り入れて利便性を高めたことが消費者に評価され、新規購入だけでなく古い製品からの買い替え需要を獲得しています。
吸引と水拭きの両方に対応した高性能ロボット掃除機をこの春だけで2機種投入したのがエコバックスジャパン(ECOVACS)。ハイエンドモデル「DEEBOT X8 PRO OMNI」は、拭き取る力を狭い領域に集中できるローラー式のモップを搭載し、頑固な汚れを落とせるようにしたのが特徴。スリムモデルの「DEEBOT T50 PRO OMNI」は本体の高さをわずか81mmに抑え、ソファやベッドの下にも潜り込んで掃除できるように工夫。どちらも、掃除中にモップやブラシをせり出して部屋の隅までしっかり掃除できる機能を備えています。
ステーションに自動帰還しての自動集じん機能やモップの自動洗浄機能、高度な障害物回避やマッピングによる効率的な掃除はもはや当たり前。蔦屋家電で実施した体験イベントでも、来場者から「最近のロボット掃除機はすごいんだね」という声が聞かれました。
ローラー式モップで水拭きを強化「DEEBOT X8 PRO OMNI」
エコバックスジャパンが3月15日と16日の2日間、東京・二子玉川の蔦屋家電で最新ロボット掃除機の体験イベントを実施。目玉として展示したのが、今年初めに米国で開かれたCES 2025でお披露目したハイエンドモデル「DEEBOT X8 PRO OMNI」です。昨今の高性能ロボット掃除機の例に漏れず、吸引による掃除機能だけでなく水拭き機能も備えています。
注目が、進化した水拭き機能です。多くのロボット掃除機は円形のモップを底面に2つ並べていますが、DEEBOT X8 PRO OMNIは円筒形のローラー式モップ「OZMOローラー」を備えたのが特徴。円形モップは接地面積が大きい反面、床に押し付ける力が弱くなりますが、ローラー式モップは接地面が線状に細くなり力が集中するため、より強い力で床を拭くことができます。さらに、モップで拭き取った汚れを再度床に付けないよう、モップに付いた汚れを落とし取り、その後に浄水を浸す仕組みを備えており、床に接地する部分は常にきれいに保たれます。このモップは、周囲の状況に応じて自動で横に数cmせり出し、壁際までしっかり掃除できるよう工夫しています。
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モップ固定用の装置とモップを外すと、浄水を吹き付ける吐出口(丸い穴が並んでいる部分)が見える。固定用の装置には、汚水を拭い取る機構も備えており、汚れたモップを再び床に付けないような工夫が盛り込まれている
ロボット掃除機は長い髪の毛がブラシに絡みやすく、除去する手間がかかるのが面倒ですが、DEEBOT X8 PRO OMNIはブラシをV字形状にしたほか、本体部にも独自のV字型のスリットを設けて髪の絡まりをほぐし、手入れの頻度を大幅に減らすことに成功しています。
本体は上部に飛び出すセンサー部をなくし、レーザーやカメラなどのセンサー類を本体前面や周囲に配置することで、高さを9.8cmに抑えました。吸引力も18,000Paと強力です。自動集じん機能を備える付属のステーションは、モップの洗浄だけでなく乾燥機能も備えています。
希望小売価格は199,800円です。
高さ81mmで狭いスペースにも入り込める「DEEBOT T50 PRO OMNI」
体験イベント前日の3月14日に販売が始まったばかりのDEEBOT T50 PRO OMNIは、充実した装備や機能を搭載しながらスリムなデザインに仕上げたロボット掃除機の主力モデル。本体上部のセンサー部の出っ張りをなくしつつ本体の高さを81mmに抑え、ソファやベッドの下といった狭いスペースにも入り込んで掃除できます。スリムながら吸引力は15,000Paと高く、薄型化で性能を犠牲にしていないのも評価できます。
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3月14日に販売を開始したスリムモデル「DEEBOT T50 PRO OMNI」も、自動集じんや自動モップ洗浄などの機能を備えたステーションが付属。希望小売価格は159,800円。カラーは写真のホワイトのみとなる
水拭き機能は、回転式の円形モップを採用しながら、継続的に浄水を補給することで清潔な状態で床を拭き上げる機能を搭載。モップの1つは稼働時に外側にせり出す構造となっており、部屋の隅々までしっかり掃除できます。最大9mmのリフト機能も備えており、カーペットを濡らす心配もありません。
髪の毛が絡みづらいV字構造のブラシや自動集じんステーションなど、基本的な性能は上位モデルのDEEBOT X8 PRO OMNIとほぼ同等。希望小売価格は159,800円です。