楽天モバイルは3月3日、5G Sub6(3.7GHz帯)におけるOpen RAN対応の基地局のエリア拡大を加速するため、富士通が開発した無線装置(Radio Unit、以下「RU」)を採用し、基地局へ2025年中に導入開始予定であることを発表した。
今回採用される富士通製のRU「44R21」は、基地局制御装置である分散ユニット(DU)および集約ユニット(CU)との通信を担うフロントホールのインターフェースに、O-RAN ALLIANCEが定義する国際標準規格「O-RAN標準仕様」を採用している。これにより、国内外の様々なベンダーの装置と接続実績を有している。
これにより、通信キャリアは機器の選択肢を広げることができ、サプライチェーンリスクの低減が可能となる。また、富士通独自の技術により、小型・軽量化と低消費電力化を実現し、設置スペースの削減やネットワーク運用コストの低減にも貢献するとしている。
楽天モバイルは、独自の仮想化ネットワーク技術と既存の基地局サイトを活用し、追加工事から運用までのリードタイムを短縮し、コスト効率良く基地局を展開する。さらに、楽天シンフォニーは、Open RAN推進に向けたこのRUのグローバル展開における協業について、今後富士通と協議していく計画だ。
なお、RU「44R21」のベースモデルは、3月3日から3月6日までスペイン・バルセロナで開催される世界最大のコネクティビティ関連展示会「MWC Barcelona 2025」に出展されている。
楽天モバイル代表取締役 共同CEO兼CTOのシャラッド・スリオアストーア氏は、次のように述べている。「楽天モバイルは、世界でも先進的にOpen RAN技術を活用した完全仮想化モバイルネットワークの構築を実現しています。富士通製の本RU採用により、高性能かつ効率性の高い5G基地局展開をさらに加速させていきます」
富士通執行役員 SEVP ネットワーク事業担当兼社長特命担当の森林正彰氏は、「富士通は小型・軽量かつ低消費電力を実現する革新的なRUプラットフォームの開発に注力してきました。O-RAN標準仕様に準拠した本RUに加え、当社が有する豊富なO-RAN接続実績により、楽天モバイル様の柔軟かつ効率的なネットワーク構築を支援していきます」と述べている。