米Microsoftは2月28日(現地時間)、インスタントメッセージングおよび音声・ビデオ通話サービス「Skype」を2025年5月に終了すると発表した。コンシューマ向けのコミュニケーションサービスを「Microsoft Teams」に一本化し、コラボレーションや情報共有の機能強化を図る。
Skypeの利用は5月5日まで可能であり、MicrosoftはユーザーにTeamsへの移行を推奨している。今後数日以内に、 Skypeアカウントを使用してTeamsにログインできるようにする。これにより、Skypeでのチャットや連絡先は自動的にTeamsで表示されるようなる。また、5月5日までの移行期間中、SkypeとTeamsの相互運用が可能であり、Teamsに移行したユーザーもSkypeユーザーとチャットや通話を行える。
Teamsでは、1対1の通話やグループ通話、メッセージング、ファイル共有など、Skypeの主要機能の多くを利用可能である。加えて、ミーティング、カレンダー管理、コミュニティ機能といった拡張機能を無料で利用できる。
一方、国内外の電話番号への有料通話サービスは段階的に廃止される。電話が主要なコミュニケーション手段であった時代には重宝された機能であったが、インターネット経由の無料通話やメッセージングアプリの普及に伴い、その役割は縮小していた。なお、Skypeの月額プランは次回の更新期間まで利用可能であり、Skypeクレジットの残高も引き続き使用できる。2025年5月5日以降、SkypeダイヤルパッドはSkype WebポータルおよびTeams内で、残りの有料ユーザーに提供される。
Teamsへの移行を希望しないユーザーは、チャット履歴、連絡先、通話履歴のエクスポートが可能である。
2003年に設立されたSkypeは、P2P(ピアツーピア)技術を用いた無料の音声通話サービスとして注目を集め、2004年の正式版リリース後、世界中に利用者が拡大した。2005年にはeBayに買収されたが、eBayのサービスとの相乗効果を生み出せず、2009年に独立。新規株式公開(IPO)が検討されたが、2011年にMicrosoftが買収した。
音声通話から始まったSkypeは、ビデオ通話やファイル共有へと機能を拡張し、インターネットベースのコミュニケーションの新時代を切り開いた。2016年には月間アクティブユーザー数が3億人を超えたが、スマートフォンの普及や新しいメッセージングアプリの登場により、近年はユーザー数が減少傾向にあった。