Googleは9月18日(米国時間)、米国で開催したイベント「Made on YouTube」において、クリエイターが利用できる9つの新機能を発表した。
発表された機能の多くは、一部の国から順次導入となる。日本への導入はその多くが未定となっている。
このたび発表された機能は以下のようなもの。
Google DeepMindの動画生成モデルVeoのYouTubeショートへの導入
2024年のGoogle I/Oで発表された動画生成AI「Veo」がYouTubeショートに導入され、動画の背景の作成などに利用できるようになる。動画の背景生成は2023年のMade on YouTubeで「Dream Screen」と呼ばれる機能が発表され、米国などでは導入されているが(日本は未導入)、Veoによってこれまで以上に品質の高い動画背景を作成できるようになるという。
またVeoを利用して、ショート動画用に6秒の動画クリップを生成できるようになる。生成される動画にはSynthIDによる透かしが入り、AIで生成されたことを視聴者に明示するという。これらの機能も一部の国のテスター向けから提供が開始され、日本居住のクリエイターへの提供の有無は未定。
生成AIを活用したブレインストーミングツール
YouTube Studioの「インスピレーション」タブを改良し、生成AIを活用したブレインストーミングツールを提供する。クリエイターは、AIの提案をもとに、自分のスタイルに合うアイデア/タイトル/サムネール/アウトラインによりコンテンツを完成させられる。
2025年には評価の高いコメントやその他の動画などから「インスピラーション」タブに直接移動できるショートカットの導入も予定されている。
この機能については日本国内の提供の有無について言及がなく、詳細は不明。
コミュニティ機能
ファンや視聴者が動画について話したり、ファンアートを共有したり、共通の趣味を持つ人同士で交流したりできる「Communities」機能を提供する。すでにいくつかのチャンネルにはこの機能が導入されており、2024年中により多くのチャンネルに追加される予定。この機能も日本への導入については未定。
新鋭クリエイターにスポットライトをあてる「ハイプ」機能
視聴者が期待する新人クリエイターを応援するための機能が「ハイプ」機能。動画を「ハイプ」することによって、応援しているクリエイターを新しい視聴者につなげることができる。多くのハイプがあると、その動画は特別なスコアボードに掲載され、他のユーザーに発見・認知される可能性が高まる。
この機能はブラジル/トルコ/台湾でテスト中とのことで、今後数カ月以内にテスト範囲を拡大する予定。日本への導入は未定。
自動吹き替え
これまでにもYouTubeでは少数のクリエイターを対象としてさまざまな言語の音声トラックを生成する吹き替えツールをテストしてきたが、今後数カ月の間にツールの提供範囲を数十万人規模に拡大する。日本語/スペイン語/ポルトガル語/フランス語/イタリア語など、利用可能になる言語も増える。
また、一部のクリエイターと協力し、クリエイターの声のトーンやイントネーション、周囲の雰囲気を吹き替え音声に反映し、より自然に聞こえるようにする機能も試験運用中だという。
「コメント」タブの刷新
「YouTube Studio」の「コメント」タブを刷新し、ファンとの交流の場「コミュニティ ハブ」に改める。大量のコメントへの返信の負担を軽減するため、AIによりクリエイターのスタイルに合わせた返信文の候補を生成する機能を追加する。このほか、コミュニティスポットライトや視聴者関連の指標などの時短ツールも近日中にリリースされる。
縦型ライブ配信で「ジュエル」「ギフト」を導入
縦型ライブ配信において、収益化の新たな手段となるデジタルギフト「ジュエル」「ギフト」を導入する。日本への導入は未定。
YouTubeショッピングの提供範囲拡大
これまで米国/韓国のみで利用できたYouTube ショッピング アフィリエイト プログラムの対象地域をインドネシアにも拡大する。さらに今後数週間でタイ/ベトナムにも拡大する。日本への導入は未定。
コンテンツのシーズン分割などテレビ画面での収益獲得の支援
リビングルームのテレビなどの大画面での視聴をターゲットとするクリエイターの増加をうけ、コンテンツをテレビ画面で視聴しやすいよう、シーズンやエピソードを設定して整理する機能を導入する。このほか、クリエイターのチャンネルからコンテンツを直接再生できるようにする、チャンネル登録や説明欄のリンクにアクセスしやすくするといった改善も行う。この機能も日本での対応については言及がなかった。