シンプルかつ美しいデザインで話題を呼んだブレイズのバイク型電動モビリティ「スマートEV」をベースに、16歳以上なら原付免許なし&ヘルメットなしで乗れる特定原付(特定小型原動機付自転車)に対応した新製品「スマートEV 特定原付モデル」が登場した。公道の走行はもちろん、モードを切り替えて速度を落とせば歩道も走行できる。Bluetoothスピーカーも内蔵し、ナビアプリを使いながら好きな音楽も楽しめる。
電動モビリティで主流のキックボードよりも安定して乗れる点や、座って運転できるので疲れにくい点をアピールし、電動アシスト自転車に代わる手軽なモビリティとして売り込む。観光地や旅行ツアーでのレンタル用途も見込む。
Makuakeで8月20日12時から先行販売を実施する。一般販売価格は239,580円で、先行販売価格は155,727円(35%引き、限定20台)から。カラーはブラック、ホワイト、カーキ、ワインレッドの4色。
2017年12月に発売したオリジナルのブレイズ スマートEVは、公道走行が可能なバイク型電動モビリティ。100%電気エネルギーで走行し、家庭用のAC100Vコンセントからバッテリーが充電できる手軽さや、5秒で折りたためるギミックが話題を呼び、2024年3月には販売台数が1万台を突破するほどのヒットとなった。ただ、スマートEVは原付(原動機付自転車)に区分されるため、運転には原付免許やヘルメットが必要で、歩道は走行できず、電動アシスト自転車のような手軽さには欠けた。
転機となったのが、2023年7月の道路交通法一部改正で特定原付の区分が新設されたこと。特定原付では「16歳以上ならば原付免許なしで運転可能」「ヘルメットなしでも運転可能」(ヘルメットは努力義務)「公道だけでなく歩道も走行可能」(最高速度表示灯の点滅が必要、時速6km未満での走行)など、原付のスマートEVより手軽に乗れるメリットが生まれた。「デザインはそのままで特定原付に適合したスマートEVをぜひ出してほしい、という声が多く寄せられた」(ブレイズの市川秀幸社長)ことから、特定原付モデルの開発に至ったという。
見た目は原付版のスマートEVと変わりないが、特定原付に対応させるための保安基準部品を追加している。公道走行時の最高速度は20kmで、一般的な電動アシスト自転車(平均15km)よりも速度が出る。タイヤの口径は12インチで、一般的な電動キックボード(8インチ)よりも大口径とし、道路の段差でつまづきにくいようにした。
歩道の走行にも対応した。駆動モードを切り替えると、最高速度が最高6kmに落ちるほか、前後の最高速度表示灯が点滅し、歩道の走行ができるようになる。
市川秀幸社長は「キックボードタイプの電動モビリティは立って乗るので不安定だし、座れないので疲れる。そんなキックボードよりも安全に、しかも快適に利用できるモビリティに仕上げた。自宅で保管や充電ができ、クルマに積んで出かければ旅行先で第2の移動手段として活躍する。定評のあるデザインは継承しており、所有して自慢できる楽しみも。広く普及した電動アシスト自転車に代わるモビリティができたと思っている」と自信を見せる。
個人向けの販売だけでなく、自治体や旅行会社へも売り込むといい、観光地や旅行ツアーでレンタルで利用できるようになりそうだ。