自動調理鍋の定番製品といえば、シャープのホットクックが外せません。そんなシャープがホットクックProシリーズとしてヘルシオ ホットクック「KN-HW24H(容量2.4L)」と「HN-HW16H(容量1.6L)」の2モデルを発表しました。新製品は従来モデルから炒め物の調理時間が短縮。さらに、手動調理のサポートやメンテナンスを簡単にするコーティングなどが追加されました。

新モデルの発売日は8月22日、価格はオープンで市場推定価格はKN-HW24Hが77,000円前後、HN-HW16Hが66,000円前後です。ちなみに、ホットクックProの「Pro」とはプロフェッショナルではなくprogressive(進歩的な)が由来です。

  • 新ホットクックは容量2.4Lと1.6Lモデルを用意。容量2.4LのKN-HW24Hはサイズが幅345×奥行305×高さ256mmで重量約約6kg、1.6LのHN-HW16Hは幅330×奥行282×高さ240mmで重量が約5.2kgです

  • 2024年の新モデルKN-HW24H(写真左2製品)とHN-HW16H(写真右2製品)。いずれもプレミアムブラックとプレミアムホワイトの2色を用意

そもそもホットクックはなぜ人気なのか?

現在多くの自動調理鍋が圧力機能を搭載に対応しているなか、ホットクックシリーズはあえて非圧力式を採用。非圧力なので調理途中に味見をしたり、材料の追加が手軽にできます。また、調理中に食材をまぜる「かくはん機能」をいち早く導入。材料を混ぜる「まぜ技ユニット」の負荷から食材の分量や火の通り加減を推定しながら調理する賢い製品でもあります。

  • 内蓋部分にまぜ技ユニットをセットしていない状態。ユニットをセットすればかき混ぜながらの調理が可能に

  • まぜ技ユニットを内蓋にセットしたところ。ウイング部分は混ぜないタイミングでは収納された状態に。必要なときだけ下がって食材をかきまぜます

食材をかくはんする機能があるため、煮込み料理だけではなく材料を混ぜながらの炒め料理も可能。さらに生クリームを泡立てたり、ポタージュスープやポテトサラダの野菜をつぶしたりといった調理までできます。

別売りアクセサリーであるヘラ状の「もっとクック」が利用できる機体なら、なべ底をさらいながらの調理が可能。長時間かかる「あめ色玉ねぎ」やスパイスのテンパリングといった根気と体力がいる調理もほったらかしで完成します。

  • ホットクック付属の標準的なまぜ技ユニット(写真左)と別売りの「もっとクック」(写真右)

  • もっとクックで作ったあめ色玉ねぎと、テンパリングしたスパイスを入れて作った本格カレー。家庭で作ったとは思えないほど深みがあり鮮烈なスパイスを感じる味でした。もっとクックには人気カレー店エリックサウスが監修した本格的なレシピが多数用意されています

ホットクックをより「普段使い」しやすくする新機能たち

新製品となるホットクックProも、もちろんこれらホットクックの特徴的な機能を引き継いでいます。さらに、新機能として以下の3つの機能が追加されました。

  • 「パパッとおかず」メニューの搭載
  • 本体底の汚れがすぐ落ちる「らっクリーンコート」を採用
  • 手動調理活用術を提供

とくに注目したいのが「パパッとおかず」メニューの搭載です。ホットクックは前述したように炒め物も作れるのですが、料理によっては20分以上かかるものもありました。このため「30分以内にサッと食事を作りたい」という場合に躊躇してしまう家庭もあったそう。

そこで新ホットクックProは本体の機構を設計しなおし、炒め物を10~15分で作れる「パパッとおかず」という新メニューを作りました。発売前の現在、パパッとおかずで作れるレシピは30メニューで、発売後も徐々に増える予定です。

  • パパッとおかずで作れる料理の一部を試食。上左からチンジャオロースー、ウインナーと冷凍ポテトのマスタード炒め、下左からえびのチリソース、厚揚げの肉みそあえ。しっかり火が通っているのに野菜はシャキっとした歯ごたえが残っていました

パパッとおかずが素早く調理できる理由は「食材が生の状態でもかきまぜが可能」になったため。

ジャガイモなどの野菜には火が通るまで固いものがありますが、従来製品は固い状態ではまぜ技ユニットに負荷がかかりすぎ、うまく食材がかき混ぜられないことがありました。

そこで、新ホットクックProは大きな負荷がかかっても食材がかきまぜられるような新構造を採用。火が通る前から食材をかき混ぜることで、食材に素早く熱が伝わるようにしています。調理時間は食材の量や状態によっても変わりますが、2人分だと約22分かかっていた麻婆なすは約15分22秒、17分かかっていた回鍋肉は約14分で調理できるようになりました。

  • モーターの回転力をベルトで「まぜ技ユニット」に伝えるパーツ。写真は従来までのもの

  • こちらが「新・まぜ技構造」。ベルトの幅が4mmから6mmに太くなり、ベルトの途中にローラーを追加することでベルト長を約12mm伸ばして力が伝わりやすくしています

新メニューのほか、新ホットクックProは本体底に「らっクリーンコート」を採用。軽く拭くだけでは掃除しきれなかった焦げ付き汚れがサッと掃除できるように。また「手動調理の使い方がわからない」という人のため、手動調理の際の食材の入れ方や設定時間のポイントなどをまとめた「手動調理活用術」も提供します。

  • カレーと砂糖醤油がついた状態で250℃で1時間加熱し、しぼった布巾で掃除した鍋底。【写真上】従来製品の鍋底は汚れがしっかり残っていますが、【写真下】らっクリーンコートを採用した新製品は汚れがみえません

自動調理鍋は調理中にそばについている必要がなく、家事をラクにしてくれます。しかしシャープの調査によると「時間がある週末つかうことが多い」という家庭も多かったそう。

今回10~15分で一品作れる「パパッとおかず」が搭載されたことで、より普段使いしやすくなったという家庭も多いのではないでしょうか? 「自動調理鍋を普段もガンガン使いたい」という人にとって、とくに使いやすい製品だと感じます。