NTTソノリティは、オープンイヤー型の“オーバーヘッド耳スピーカー”「nwm ONE」(ヌーム ワン)を7月18日に発売した。価格はオープンプライス。アマゾンと楽天市場の直営店や家電量販店などで取り扱い、Amazon.co.jpでの販売価格は39,600円。ひと足先に実機に触れてきた印象もお伝えする。
没入ではなく「共存(Co-being)」をコンセプトにした製品・サービスを企画・開発する、NTTグループのコンシューマー音響ブランド「nwm」(ヌーム)の新製品。nwmではこれまでにも完全ワイヤレスタイプや有線タイプのイヤホンを「耳スピーカー」(略称:“耳スピ”)として複数投入してきており、今回は同ブランド初のヘッドホン型耳スピを最上位機種としてラインナップに加えたかたちだ。カラーはダークグレイとライトグレイの2色展開。
発売に合わせて、ふたつのイベントへの出展情報も。東京・代官山の蔦屋書店で7月20日〜21日に開催されるイベント「オーディオ LABO Session1」(リアルサウンドテック主催)と、7月27日に東京駅近くのステーションコンファレンス東京で開催される「夏のヘッドフォン祭 mini2024」(フジヤエービック主催)で、製品展示を行う。
nwm ONEは約185gという軽量ボディで、耳をふさがずムレにくいオープンイヤーならではの広がりのある空間表現と軽い装着感を追求。さらに同ブランドのコア技術である、オープンイヤー型ながら耳元に音を閉じ込めて音漏れを最小限に抑える「パーソナライズドサウンドゾーン(PSZ)」技術と、周囲の音をカットして話者の声だけを相手に届ける「Magic Focus Voice」を両方搭載しているのも特徴だ。
短時間ながら、筆者もタッチ&トライコーナーで実機に触れてきた。街中で見かける一般的なヘッドホンは密閉型と呼ばれる、耳の付近をおおうタイプが多いが、nwm ONEは主に屋内利用に適する開放型のヘッドホンに似たフォルム。耳周りのふたつのリングを、頭の上をわたすように配置したヘッドバンドでつないでおり、リングの中央部には音を鳴らすコンパクトなパーツが左右それぞれに配置されている。
このパーツは耳穴にいっさいくっつかないので、耳栓型(カナル型)や通常のヘッドホンの密着感が苦手な人にも好適。人によって耳の向きが異なるので、それに合わせて横向きに角度を変えられる機構も備わっている。ヘッドホン型だがとても軽い着け心地で、耳をふさがず空気を通すので確かにムレにくそうではある。
ウォークマンとつないで音も聞いてみた。開放型ながらパンチのある低音が楽しめ、ボーカルや高音域も耳元でほどよく鳴らしてくれる。じっくり音楽リスニングも楽しめるが、どちらかというと散歩したり何か作業をしながら、音楽や音声コンテンツを“ながら聞き”するのに向いている印象だ。
同日都内で開催されたメディア向けの製品発表会では、nwmブランドのアンバサダーを務める俳優・磯村勇斗さんのほか、音楽やファッションに精通しているゲストとして音楽家の長岡亮介さん、モデルの秋元梢さんも登場。
海外ロケ中の磯村さんは、今回の新製品発表会のために一時帰国したそうだ。実機のアンベールを行ってさっそく装着、「オーバーヘッドタイプの耳スピーカーは、より広く音のベールに包まれているような感覚。それでいて開放型なのでムレることもなく、とても軽いので長時間つけていられる」と、これまでのnwmイヤホン製品と比べながら感想を語った。
さらに、言葉をつかわず全身でnwm ONEの開放感を表現することにもチャレンジし、壇上でその場でうつむき気味に回りつつ、最後に両手をヘッドホンの近くに寄せながら驚いたような表情を見せた。本人曰く、「内に入った状態からスタートして、nwm ONEをつけることでこれくらい開放するんだ! という違いを回りながら表現しました」とのこと。
また、秋元さんはモデルらしくnwm ONEをつけたまま髪をなびかせてキメポーズをみせ、長岡さんはnwm ONEをつけたまま“開放弦”を多用したギター演奏を披露した。
サウンド面では、新開発の2ウェイドライバー(12mmツイーター+35mmウーファー)を同軸上に配置し、開放型ながら広い再生周波数帯域を両立(40Hz~20kHz)。各ドライバーは別々のアンプで駆動し、インテリジェントDSP処理で大音量でも音声を歪ませずに再生できるとする。
Bluetoothによるワイヤレス接続と、付属のUSB Type-CケーブルによるUSB オーディオ接続が選べ、ワイヤレス接続時は内蔵バッテリーで最大再生時間約20時間音楽を再生可能。5分充電で1時間音楽を聴ける急速充電にも対応する。
コーデックはSBC、AACに加え、Bluetoothの新規格「LE Audio」(LC3)をサポート。ハンズフリー通話に使え、2台の機器に同時接続するマルチポイントも利用できる。さらに1台の機器から多数の対応デバイスへ、同じコンテンツの音声を同時に流せる「Auracast」にも対応する。
このほか、ソニーが展開する立体音響体験「360 Reality Audio」(360RA)もサポート。専用アプリ「nwm Connect」と連携することで360RA対応コンテンツを楽しめる。同アプリでは、パラメトリックイコライザ調整も行える。
NTTソノリティの坂井博社長は発表会で製品の特徴を紹介し、「エンタメコンテンツを楽しむ人も、ビジネスシーンでの最適な音環境を求める人も、そして“持っていて気持ちが弾む、自分らしいファッションをしたい”という人も、さまざまなニーズに対応する新世代のサウンド体験を楽しんでほしい」と話していた。