キヤノンは7月17日、RFマウントのフルサイズミラーレスカメラ「EOS R5 Mark II」「EOS R1」を発表した。EOS R5 Mark IIはプロやハイアマチュアに向けた高画素モデル、EOS R1はスポーツ撮影などを手がける信頼性重視のプロ向けフラッグシップモデル。それぞれカメラのキャラクターは異なるが、新機能は共通する部分が多く、最新技術でよりきれい&確実な撮影を可能にしている。
いずれも価格はオープン。キヤノンオンラインショップでの販売価格は、EOS R5 Mark IIボディが654,500円、EOS R5 Mark II RF24-105 L IS USMレンズキットが808,500円、EOS R1が1,089,000円。発売は、EOS R5 Mark IIが8月下旬、EOS R1が11月の予定。予約開始は、ともに7月23日10時。7月19日11時から、全国4カ所で予約制のタッチ&トライを実施する。
両機種のおもな特徴は以下の通り。
- 新開発の裏面照射積層型フルサイズCMOSセンサーを搭載(EOS R5 Mark IIは有効4500万画素、EOS R1は有効2420万画素)
- センサーからのデータを高速に読み出し、高度なデータ分析を行う専用チップ「DIGIC Accelerator」を新たに搭載し、画像処理エンジンのDIGIC Xと連携して動作。AE/AF精度の向上や高速撮影、ローリングシャッターゆがみの低減などが可能に
- フルHD動画(60p)を撮影しながら写真の同時撮影が可能(EOS R5 Mark IIは3320万画素、EOS R1は1780万画素相当での記録)
- カメラ内で写真を高精細化できるカメラ内アップスケーリング機能を搭載し、画素数を標準の4倍に拡大(EOS R5 Mark IIは1億7900万画素相当、EOS R1は9600万画素相当)
- カメラ内で写真のノイズ低減を図るカメラ内ニューラルネットワークノイズ低減機能を搭載し、パソコンを用いず画質を高められるように
- ピントを合わせたい人物をあらかじめ登録しておけば、その人物に優先してピントを合わせ続ける登録人物優先AFを搭載(最大10名まで登録可能)
- 視線入力AFを搭載。センサーの改良や光源LEDの追加などで、EOS R3よりも使いやすさや精度を向上
- さかのぼって撮影できる静止画プリ連続撮影機能を搭載。これまでのRAWバーストモードのように撮影の切り出し作業の必要がなく、RAWやHEIF、JPEGなどすべての記録形式で利用可能。さかのぼれるコマ数はEOS R5 Mark IIが最大15コマ、EOS R1が最大20コマ
EOS R5 Mark II
EOS R1
EOS R1の背面下部の再生ボタンの下には、透明なカバーに覆われた小型カメラかセンサーのような“謎”のパーツが新たに追加された。キヤノンの担当者によると、このパーツの名称や役割はまだ公開しておらず、機能が有効になるタイミングも未定とのこと。Webサイトの「各部名称」でも、完全にスルーされている。製品が公に発表になったにもかかわらず、このように詳細が明らかにされない装備が存在するのは珍しい。背面に付いていることから、顔認証で何らかの機能を有効にするためのデバイスの可能性がある。
機能面
両機種が新たに搭載したカメラ内アップスケーリング機能は、ディープラーニング技術を用い、JPEG/HEIF画像からカメラ内で解像感の高い画像を生成する機能。4500万画素のEOS R5 Mark IIは1億7900万画素相当に、2420万画素のEOS R1は9600万画素相当に拡大できる。解像感を保ちつつ、オリジナル画像から逸脱した描写にならないようチューニングしているという。