Appleは現地時間6月10日、iPad向けの次期OSとなる「iPadOS 18」を発表。iOS 18同様に、新しいAI機能「Apple Intelligence」を導入し、ホーム画面などの自在なカスタマイズなども行える。手書きの方程式を解ける“計算メモ”を備えた計算機アプリを搭載している点も、大きな特徴。2024年秋に、対象機種に無料で提供する。
iPadOS 18の対応機種は、iPad Pro(M4)と12.9インチiPad Pro(第3世代以降)、11インチiPad Pro(第1世代以降)、iPad Air(M2)、iPad Air(第3世代以降)、iPad(第7世代以降)、iPad mini(第5世代以降)。
Apple IntelligenceはM1以降を搭載したiPadで、Siriとデバイスの言語を英語(米国)に設定している場合、今秋からベータ版が米国英語で利用できるようになる。Apple Intelligenceの詳細は別記事で紹介する。
iPadOS 18のニューフェイスのひとつが「計算機」アプリ。iOSでは既におなじみのアプリだが、iPadの大きな画面を活かしてアップデートし、計算の履歴や、長さ、重量、通貨などの単位変換機能を追加。Apple Pencilを使って計算する「Math Notes」(計算メモ)と名付けた新機能も利用できる。
計算メモは、計算機アプリ上から呼び出すことができ、数式をタイプ入力したりApple Pencilで手書きしたりすると、アプリに数式の解答を“瞬時に”表示。手書きの場合、イコール記号を書くだけで解答を表示する。数式を変更したり、変数に値を代入したりすることでも解答がすぐに得られる。関数電卓と同じ機能も使えるほか、文字列や図式、グラフを認識して計算式を反映することもできるという。
新しいグラフ機能では、方程式を書いたりタイプ入力して、1回タップするだけでグラフを挿入したり、同じグラフに複数の方程式を追加して関係性を確認したりできる。計算メモは、メモアプリの新しい計算メモフォルダから自動的にアクセスできるようになっている。
メモ帳にはスマートスクリプトという機能が加わり、手書きの文字のスタイルをそのままに、文字の見た目を整理。ユーザーの文字スタイルを活かしながら、なめらかでまっすぐ読みやすくするという。
スマートスクリプトを利用できるデバイスは、iPad Pro (M4)とiPad Pro 12.9インチ (第5世代以降)、iPad Pro 11インチ (第3世代以降)、iPad Air (M2)、iPad Air 10.9インチ (第4世代以降)、iPad (第10世代)、iPad mini (第6世代)。対応言語は英語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、スペイン語、ポルトガル語で、英語やスペイン語など一部の言語は複数の地域に対応。日本語などアジア圏の言語は、発表時点では含まれていない。
iPadの大画面を行かす機能改良として、再設計された“タブバー”をアピール。アプリのコンテンツの上にフローティング形式で表示されるもので、サイドバーを補完するかたちで、よく使うタブにすぐアクセスできるようにしながら、ユーザーが最も重要なことに集中できるようにする。
ほかにも、iOS 18と同様にホーム画面の表示をカスタマイズする機能や、写真ライブラリのブラッシュアップ、メッセージの機能強化、新しいSafariや、パスワードアプリの導入のほか、見せたくないアプリをロック・非表示にするといったプライバシー強化なども図る。