シャープは、1972年に発売した同社初の複写機「シャープファックス」(SF-201)が、日本画像学会の「複写機遺産」に認定されたと6月10日に発表した。

  • シャープファックス(SF-201)

同製品は、卓上に設置できるサイズ(幅500×奥行き415mm)ながら、当時の同価格帯(30万円前半)の製品では最速となる毎分10枚の複写速度を実現。電源やプリントボタンといった操作部や、状態表示ランプ、枚数カウンタなどの表示部は本体前面に集めていた。当時はその設置性や性能、使いやすさが評価されたという。

SF-201は大企業だけでなく中小企業や一般の商店、学校まで普及。資料や伝票、教材などの複写が簡単に行えるようになった。SF-201でドキュメント事業に参入したシャープは以後、業務効率化や生産性向上に寄与する製品やソリューションの創出に取り組んでいる。シャープにおける複写機開発の歴史は、同社Webサイトに掲載されている「シャープ技報 No. 29」(通巻97号、2008年5月)の技術情報ページからも辿れる。

今回、SF-201が業務の大幅な効率化に寄与したことが評価され、複写機遺産への認定に至った。複写機遺産は日本画像学会が2018年に創設し、日本の複写機産業における発展の原動力となった初期の複写機の技術的/社会的功績をたたえ、後世に伝える認定制度。