フィリップス・ジャパンは5月30日、電動シェーバーのフラッグシップモデル「S9000」シリーズの新色「アドリアブルー」を発表しました。深みのある青色が印象的な新モデルは、宇宙をイメージしたカラーリングだそう。シェーバーと宇宙は一見かけ離れているようにも思えますが、一体どんな関係があるのでしょうか。
「S9000 プレステージ」と「S9000」に新色「アドリアブルー」を追加
今回発表された新モデルは、同社の電動シェーバー最高峰「S9000 プレステージ」と次点のプレミアムモデル「S9000」の新色。オープン価格ですが、想定価格としてはS9000 プレステージ(SP9986/36)が8万円強、S9000はクイッククリーンポッドの付属有無で型番が2つあり(S9980/30とS9980/50)いずれも5万円台の想定です。
性能・機能は現行製品と同様で、いずれも3つのヘッドを持つ回転式の電動シェーバー。外刃の形状を工夫し、ヒゲを引き上げてカットスロットの中央に上手く導くことで深剃りしやすくしたことや、日常的に利用するうちに外刃と内刃が互いを研ぎ、長期にわたって剃り味を保つ自動研磨システムを備えることが特徴です(ヘッドの推奨交換時期は2年)。
本誌では、カラーは異なりますが現行S9000(S9985/50)の体験レポートも以前に掲載しておりますので、あわせてご覧ください(※関連記事)。
なぜ電動シェーバーで「宇宙」をイメージした?
新色の話題に戻ると、今回登場したアドリアブルーは、一般的なシェーバーの色として思い浮かぶブラックやグレーとはひと味違い、上品な色味とつや消しの鈍い光沢からそれとなく高級感の漂うカラーです。
「毎日使うものだからこそ上質なシェービング体験を目指した」というコンセプトを表現したカラーであると同時に、冒頭でも触れたように「宇宙空間の深い色」をイメージしたものです。「なぜ電動シェーバーで宇宙?」という疑問の答えは、シェーバーの要となる刃の素材にあります。
S9000シリーズの内刃には、スウェーデンのAlleima社から供給されるオーステナイト系ステンレス鋼が使われており、航空宇宙産業でも使われるグレードの素材とのこと。その強靭さを生かして切れ味に貢献しているだけでなく、サビにくさでも一役買っています。
ちなみに、内刃と外刃で異なる素材を使い分けており、外刃は外科医療用グレードのステンレス鋼です。こちらは直接肌に触れる部分なので、ニッケルの配合率が低く金属アレルギーを起こしにくいものが選ばれています。
宇宙開発と電動シェーバーというまったく異なる世界でも、老舗メーカーのこだわりから生まれた不思議な縁が隠れていたのでした。そんな開発秘話に思いを馳せられる新色を選べば、プレミアムモデルを所有する喜びも増すかもしれませんね。