フィリップス・ジャパンは2月1日、“Z世代”をはじめとした若者の悩みやニーズに応えた電動シェーバー「5000Xシリーズ」を発表しました。2月8日から、家電量販店や直販サイト、ECサイトで販売開始します。

付属品とカラーの違いで4種類をラインナップしますが、本体の仕様はすべて共通です。価格はオープン、推定市場価格は12,380円前後から。新製品の特徴と実際の使用感を紹介します。

  • 新しく登場した5000Xシリーズ。カラーはオレンジ、アドリアブルー、アクアブルー、ブラックを用意します

    新しく登場した5000Xシリーズ。カラーはオレンジ、アドリアブルー、アクアブルー、ブラックを用意します

現在フィリップスは、世界123カ国でシェーバーを販売し、ワールドワイドでシェア1位を誇ります。販売の歴史も80年以上と長く、フラッグシップの「S9000シリーズ」をはじめとしたさまざま製品を展開中です。

そんな長い歴史を持つフィリップスのシェーバーで初めて、Z世代(18~29歳と同社は定義)をはじめとする若者をメインターゲットにした電動シェーバーが誕生しました。

フィリップスが行った調査によると(国内男性2,000名を対象)、シェーバー選びに重視するポイントとして、18歳~29歳までの世代では「肌へのやさしさ」が最多でした。これには、思春期ニキビから大人ニキビへの移行、肌のべたつき・乾燥など、肌の悩みが多い時期であることが考えられるとのこと。次いで「剃り残しが少ない」「短時間で剃れる」という点をシェーバー選びで重視していることが分かりました。

  • かく言う筆者もギリギリ“Z世代”。大人ニキビへとシフトし終わっていますが、今でもシェービングの影響で鼻の下にニキビができることもあり、肌へのやさしさを重視する気持ちに納得がいきます

今回登場した5000Xシリーズは、Z世代が重視するこれらの項目をしっかりカバーした電動シェーバーとなりました。まずは「肌へのやさしさ」「剃り残しが少ない」「短時間で剃れる」という観点から、新製品の特徴を紹介していきます。

技術がたっぷり詰め込まれたヘッドで肌への負担と剃り残し減

「肌へのやさしさ」を追求するため、ヘッドの外刃周りに、細かい粒である「マイクロビーズ」が1平方センチメートルあたり100,000個コーティングされています。肌に触れる面積の圧力を均一化することで摩擦を抑制。シェービング時に肌へかかる負担が、非コーティングモデルと比較して20%低減されました。

加えて内刃には、肌荒れを起こしにくいため医療器具にも使われている「低アレルギー性サージカルステンレス刃」を採用しています。

  • 円状になっている外刃周り(ネイビーの部分)には、マイクロビーズがヘッドコーティングされています

  • マイクロビーズ非コーティングの表面(左)と、コーティングしてある5000Xシリーズヘッドの表面(右)

剃り残しを減らすため、ヘッド部は、360度どの方向に対しても傾く「360-D フレックスヘッド」。柔軟に傾くヘッドが、顔の輪郭・凹凸に密着しながら、効率よくヒゲを巻き取り、剃り残しを減らします。

  • 曲面にもしっかりフィット

短時間で剃れるように、内刃は、毎分55,000回カットする27枚刃(9枚刃×3ユニット)を採用。効率的にヒゲをキャッチ・カットしながら、パワフルに回転することで、早剃りを実現しました。

  • 9枚刃の内刃(右)が3つのシェービングユニットにそれぞれ内蔵されています。左は外刃

USB充電&自立式! 使い勝手の良さが魅力的

このほか、使い勝手も向上しています。付属する充電ケーブルが、USB Type-Aに対応したことで、USB Type-A出力ポートを持つスマホ充電器などから充電できるようになりました。専用アダプターを持ち運ばずに、ケーブルのみ持ち運べばいいため、旅行にも便利です。

  • 同梱する充電ケーブルの充電器側がUSB Type-Aとなりました(充電器は付属しません)。充電器は定格出力5V/1Aのものを推奨しています

筆者から見てとても好印象だったのは、本体のみで自立する点(フィリップス製電動シェーバーで初)。これまで、洗面台に歯ブラシやヘアワックス、ヘアスプレーなどを置き、そこに横向きでシェーバーを置こうとして「場所が足りない」と感じたこと、電動シェーバーユーザーとしては割と多くの人が思ったことがあるのではないでしょうか。

  • 自立したようす。本体もスリムなため、より設置スペースが少なくて済みます

このような経験があるため、自立させてコンパクトに置いておける点はありがたいのです。実際に立たせてみたところ、見た目はかなりスリムですが、サッと置いてもほとんどグラつかず安定しています。ただ、充電用ポートが底面に配置されているので、充電時は本体を横たえる必要があります。充電時間は約1時間、1回のフル充電で50分間駆動できる仕様です。

  • 底面の充電ポート。充電するときは横たえる必要があります

このほか、内刃が外刃で自動研磨されることで切れ味が持続する「自動研磨システム」も既存モデルと同様に備えています。これにより替刃の交換サイクルが2年と長く、面倒なオイル差しも不要です。

なお、5000XシリーズはIPX7に準拠する防水性能を持つので、浴室でも使えます。もちろん本体の丸洗いにも対応。本体サイズはW60×D60×H170mm、重さは約161gです。

さっそく試用! なめらかな肌触りに驚き

さっそく5000Xを試用してみました。あまりヒゲが生えない筆者は、今日のために5日間ヒゲを伸ばしてのぞんでいます。上司に見つかると「だらしない!」と注意されてしまいそうな清潔感のなさですが、マスク生活で乗り切りました。

  • そこまで広い範囲には生えていませんが、かなり伸びていてだらしない印象です

シェービング前に感じたのはグリップの握りやすさ。全体的にスベスベした感触ですが、グリップ部分にのみ、細かい突起があり、濡れていても滑りにくそうです。入浴中にも使えるモデルのため、細かい点ですがうれしいところ。

  • フィリップスの電動シェーバーを使う場合、時計回りにクルクルと回しながら剃るのがオススメとのこと。内刃が反時計回りに回転するため、効率的に剃れます。今回、鼻の下側のみ回しながらではなく、上下に動かしながら剃りました

軽く押し当てながら撫でていくと、5日間伸ばしていた分、最初こそは少し引っかかりを感じましたが、撫でていくと途中からは「本当に剃れているの?」と思うほどなめらかな肌触り。それでいて、5000Xで撫でた箇所はしっかり剃れていいます。

  • 滑らかな剃り心地が気持ち良い~

強く押し付けずに剃れるほか、肌に当たる部分がなめらかな感触のため、確かに肌への負担が少なく感じます。普段のシェービング終わりに感じる「ピリピリ」とした痛みもありません。

特に剃りやすかったのは、アゴに生えているヒゲ。3つに分かれたヘッドが包み込むようにフィットするため、アゴの下側も剃り残しなくキレイになりました。筆者はアゴからエラにかけてヒゲがほとんどく生えませんが、イメージしながら撫でたところ、輪郭にしっかりフィットしている感覚があるため、剃り残しが少なくなりそうです。

  • アゴから頬にかけてのエラにもしっかりフィット

  • かかった時間は写真撮影含めて3分以下。これだけキレイに剃れたら清潔感のある立派な社会人に見えるでしょう!

5000Xシリーズは、敏感な肌を持つZ世代を中心とした若者がメインターゲットのため、肌へのやさしさを第一として、そこまで深剃りを重視していないといいます。しかし、実際に剃ってみると優しく撫でるだけでしっかり剃れている実感がありました。

フィリップスの電動シェーバーに「深剃り」を求めている人は、既存シリーズの「S9000」「S7000」など、「肌へのやさしさ」や自立式、USB充電などの使い勝手を求めるなら5000Xシリーズを選ぶと良いかもしれません。