フィリップ モリス ジャパンが3月13日に発表した加熱式たばこの最新モデル「IQOS イルマ i」シリーズ。IQOSが日本に上陸して10年となり、IQOS イルマ iの発表会にはフィリップ モリス インターナショナル(PMI)のCEO、ヤツェック・オルザック氏も来日し、IQOS イルマ iシリーズをアピールしました。さっそく、会場でIQOS イルマ iをチェックしました。

  • IQOSデバイスの新モデル「IQOS イルマ i」シリーズがいっせいに登場

10年目のIQOS

さかのぼること2014年、世界に先駆けて日本でIQOSが発売されました。以来、ユーザー数は順調に推移して、2023年12月末の時点では世界で約2,860万人がIQOSを利用しているとのこと。紙巻きたばこから完全に移行した人は2,080万人いると推測されています。

そうして10年が経過したIQOSですが、その10周年を祝う新モデルとして登場したのが今回のIQOS イルマ iシリーズです。従来のIQOS イルマシリーズと同様、「IQOS イルマ i プライム」(9,980円)、「IQOS イルマ i」(6,980円)、「IQOS イルマ i ワン」(3,980円)という3モデルのラインナップ。基本的なデザインは踏襲されていますが、新たにディスプレイを搭載するといった要素を盛り込んでいます。

  • 3モデルが登場したIQOS イルマ iシリーズ。外観は基本的に従来モデルのIQOS イルマを踏襲しています。左から、IQOS イルマ i、IQOS イルマ i プライム、IQOS イルマ i ワン

  • IQOS イルマ i プライムのカラーバリエーション

  • こちらはIQOS イルマ i

  • IQOS イルマ i ワン

IQOS イルマ iおよびIQOS イルマ i プライムには、たばこスティックを差し込むホルダーにタッチスクリーンを搭載。白いLEDのライトが増減して吸い始めのカウントダウンを表示してくれるなど、多機能というほどではありませんが、現在の状況が分かりやすくなりました。

  • IQOS イルマ i プライムのホルダー。ディスプレイが搭載されました

  • こちらはIQOS イルマ i ワン。ディスプレイは搭載していません

  • IQOS イルマ iとIQOS イルマ i プライムのホルダー(ディスプレイ)に表示される情報。これは加熱中の表示で、下側からしだいに水がたまるようにLEDが重なっていき(写真上)、「円」になると加熱完了です(写真下)

「ポーズモード」も特徴的。これが欲しかった! というユーザーも多そうな新機能です。ポーズモードでは、吸引中に加熱をいったん停止することができるように。

これまでは一度吸い始めると、途中で停止しても再開はできず、たばこスティックをそのまま継続して使うことはできませんでした。つまり、規定の使用時間(回数)に達する前に加熱を止めると、たばこスティックを捨てるしかなく、ムダになっていたわけです。

新しいポーズモードだと、加熱を停止して蒸気が出なくなり、もう一度吸う場合にはスティックをそのまま再加熱できるようになりました。一時停止から最大8分間という条件付きですが、ちょっと手を離すシーンでは十分でしょう。ポーズをするには、ホルダーのタッチスクリーンを上から下にスワイプ、逆に再加熱は下から上へのスワイプ操作です。

  • 上から下にスワイプするとポーズモードになります

  • ポーズモード中には中央のドットが4つ並びます

  • ポーズモードを解除すると中央のドットが横向きに。ポーズは1本のたばこスティックにつき1回までなので、この状態はもうポーズできないという意味になります

また、2種類のフレックス機能も新たに搭載。フレックスバッテリー機能では、IQOSアプリを使うことでバッテリー設定を変更して、1回で連続3本まで吸えるか、1本だけにするかといった変更ができるようです。残念ながら発表会では確認できませんでしたが、1本だけにすると必然的に使用頻度が下がるため(1回ごとにホルダーの充電が必要)、ホルダー充電器のチャージャーを含めて、結果的にバッテリー寿命が長くなる――という狙いかもしれません。

タッチスクリーンやポーズモード、フレックスバッテリーはIQOS イルマ iとIQOS イルマ i プライムの2製品が備えていますが、IQOS イルマ i ワンを含めた3モデルとも、フレックスパフ機能を搭載しています。

フレックスパフ機能は、「ユーザーの使用ペースに応じて使えるようになる機能」とオルザック氏は説明。通常、たばこスティック1本あたり、14回の吸い込み(パフ)というのが初期設定ですが、使用状況に応じて自動的に最大4パフまで追加されるそうです。

  • カラフルなケースやドアカバーなど、アクセサリー類も従来通り用意

こうした新製品を紹介したオルザック氏は、IQOSの歴史にも言及。2008年以来、最先端の科学にもとづいて紙巻きたばこの代替製品の開発に「類を見ないほどの投資をした」と強調します。

  • PMIのヤツェック・オルザックCEO

そうして生まれたIQOSは日本で2014年に投入され、世界に先駆けて普及していきました。「当初は受け入れられるとは思わなかった。日本で受け入れてくれたことに感謝している」(オルザック氏)と話します。

  • 10周年の記念として、オルザックCEOが10周年ロゴに筆入れをするパフォーマンス。左は書道パフォーマンスを披露した書道アーティストのMaaya Wakasugi氏

  • オルザック氏が「1」の文字を筆入れしたIQOS 10周年ロゴ

実際のところ日本では、たばこ市場全体のうち約4割がすでに加熱式たばこになっており、その中でもIQOSの加熱式たばこスティックのシェアは27.6%に達しています。「驚くほど短期間で伸びた」とオルザック氏が話す通り、IQOSのユーザー数は日本で850万人にのぼり、世界のIQOSユーザーの約3割に当たるそうです。特に東京ではさらに伸張しており、2023年第4四半期でたばこスティックのシェアが34.1%になったとしています。

2023年12月の時点では、PMIの純収益において、IQOSなど「煙の出ない製品」の割合は約36.5%。これをさらに拡大していき、まずは2030年までに純売上高の3分の2以上を煙の出ない製品が占める状況にすることが目標だと、オルザック氏は強調します。すでに世界25カ国(および地域)では、その市場における純売上高の半分以上が煙の出ない製品になっていて、目標に向けて順調な状況のようです。

オルザック氏は、「次の10年のスタートとなり、IQOSをさらなる高みにあげる製品」と、IQOS イルマ iシリーズを掲げました。紙巻きたばこからIQOSへの移行をさらに促進したい考えです。